変な名前だけどシカの仲間なんだよ!
かわいいの?
でもちょっと問題があるんだ、、、
キョンは体長1m、体重10kgほどの小型のシカです。
中国や台湾の森の中で生活しています。
肉にクセがないため、現地では昔から食用にされてきました。
今、日本でキョンが外来種として問題視されています。
なんと、動物園から脱走したものが繁殖してしまっているんです。
キョンはどんな動物なんでしょうか?
外来種としてどんな問題があるのでしょうか?
かわいいけれど厄介者!?
小さなシカ「キョン」に迫ってみましょう。
好きなところにジャンプできます
キョン(羌)ってどんな動物?
キョンは偶蹄目・シカ科・ホエジカ属の哺乳類です。
偶蹄目(ぐうていもく)とは中指と薬指が変化した2つの蹄(ひづめ)を持っているグループで、別名「ウシ目」とも言われます。
こちらは奇蹄目(きていもく)というグループだね!
名前の由来はキョンの漢字表記「羌」を台湾語で読んだ「kiong」です。
これが派生して「キョン」と呼ばれるようになりました。
キョンの特徴!別名「四目鹿」!?
キョンは体長70~100cm、肩から地面までの高さ(肩高)は50cm、体重は10~15kgほどです。
シカの仲間ではかなり小柄で、足が短くてずんぐりしています。
柴犬とかビーグルを想像してみてね!
キョンは体の色は赤っぽい茶色で、お腹側は少し淡い色をしています。
そして鼻から頭頂部にかけては黒っぽい毛が生えていて、特徴的なV字模様を作っています。
しかもつり上がっているやつ!
キョンは顔に臭いを出す「臭腺」を持っています。
目の少し前にこの臭腺があって、閉じている目に見えます。
別名「四目鹿(ヨツメジカ)」と呼ばれるのはこれが理由です。
角はオスにのみ生えます。
15cmほどの長さになり、枝分かれします。
また、牙が生えているのもシカとしては珍しい特徴です。
メスはあまり目立ちませんが、オスは外見からも分かるほど犬歯が伸びます。
キョンの生息地はどこ?
キョンは中国東南部、台湾に自然分布しています。
森林や背の低い木が生えている地域が生息地です。
キョンの生態!食べ物は何?
キョンは早朝や夕方、夜間に活動します。
基本的に群れは作らず単独で行動しますが、繁殖期には子どもやペアと一緒にいるところが度々目撃されています。
縄張り意識がとても高く、頻繁に顔の臭腺を木などにこすり付け、自分のテリトリーをアピールするようです。
臭いが遠くまで届くし、大きな体だと思われそうだもんね!
キョンは草食性が強く、草や木の葉、根っこ、果実などを主食としています。
ただ、雑食性な部分もあるためネズミや地上にいる鳥類を食べることもあります。
キョンの鳴き声は犬みたい!?
キョンはよく鳴き声をあげることが知られています。
縄張りを主張するときや天敵の存在を仲間に知らせるときなど、結構大きな声で鳴きます。
まずは聞いてみましょう。
シカとは思えないような鳴き声ですよね。
「ウォーン、ウォーン」「ギャオー、ギャオー」と犬のような声にも聞こえます。
キョンは夜に活動することが多いため、鳴き声もほとんど夜に聞こえます。
こんな鳴き声が夜中に聞こえてくるとちょっと怖いですよね。
犯人がこんなにかわいらしいシカだとは思えないでしょう。
小さいのに大声なんだね!
キョンに天敵はいるの?
キョンの生息地には大型肉食動物が存在しています。
トラ、ヒョウ、ウンピョウです。
どれも狩りの名手です。
陸上や樹上から襲いかかってきます。
狩りの腕前がダントツなんだ!
キョンなどのシカを襲うときは木にぶら下がって、逆さまになれるんだ!
キョンは天敵の存在を感じると鳴き声をあげるだけでなく、蹄で音をたてながら走ります。
仲間に危険を知らせているんです。
キョンの天敵となる肉食動物は絶滅危惧種に指定されています。
人間による毛皮目的の乱獲で数を減らしているんです。
そうなるとキョンが増えてしまい、農作物を食い荒らしてしまうことに繋がります。
野生動物は絶妙な関係で生息数を保っているんですね。
人間のせいで生態系が狂ってしまう場合があるんだ!
キョンは特定外来生物!?駆除されているのはなぜ?
キョンは現在、外来種として問題視されています。
動物園で飼育されていたものが逃げ出してしまい、繁殖によって数を増やしてしまったんです。
農作物を食べるため、かなりの被害が発生しています。
キョンは繁殖力が強い動物です。
妊娠期間は7ヶ月とそこまで短くないのですが、産まれたメスは生後6ヶ月で妊娠が可能になります。
しかも繁殖期は1年中です。
放置すればどんどん数を増やしてしまいます。
フランスやイギリスでは野生化してしまったキョンが問題視されていました。
ただ、ヨーロッパのキョンは駆除されているそうです。
日本でも野生化したキョンによる被害が出ている地域があります。
房総半島と伊豆大島です。
日本にはキョンの天敵となる肉食動物がいません。
しかも気温は年中過ごしやすいため、キョンにとっては天国です。
逃げ出した当初は数十頭だったキョンは、20年近くで1万頭以上になっています。
伊豆大島の島民の数を越えています。
伊豆大島では特産品のアシタバなどの農作物がキョンに食べられてしまっているんです。
被害総額は380万円にまでのぼるため、駆除が進められています。
キョンだけでなく運転側も危険だからね!
外来種としてのキョン対策!食用にしちゃうの!?
キョンの駆除はくくり罠や箱罠が主流です。
ただ、草食性の強いキョンを罠にかけるのは難しく、うまくいっていないのが現状です。
年間2000頭以上が捕獲されていますが、生息数は増えていく一方です。
GPSを取り付けることでキョンの行動範囲を限定し、効果的に罠にはめる対策も行われています。
さらに、捕まえたキョンを有効活用するため、皮製品や食用にする運動も積極的に行われています。
キョンの肉はクセがなく、シカ肉よりもおいしいとされています。
狩猟で仕留めた動物の肉を使う「ジビエ料理」として人気が出ることが期待されています。
なんとか有効活用してほしいね!
まとめ
キョンは小型のシカで、生息地では食用にされるほど重宝されてきました。
目の横にある臭腺は確かに「四目鹿」に見えますね。
動物園から脱走してしまい、外来種として定着しているのはちょっと悲しいですよね。
キョンも迷惑をかけようと思っているわけじゃないですからね。
一方的に駆除されるのは少しかわいそうです。
食用として活用されるのはキョンの立場からしてもありがたいのかもしれません。
ペットは最後まで責任持って飼い抜こうね!
最後まで読んでくれてありがとう!
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