首は長いしベロは紫だし角もある、、、
でも極端すぎて不便なところもあるんだよ!
もう見慣れてしまったかもしれませんが、キリンは本当に不思議な体ですよね。
この世界一背の高い生き物が大昔に絶滅していれば「こんな変な生き物いるはずないでしょ!」って思ってしまいそうじゃないですか?
そうなるとUMA(未確認生物)にも含まれそうです。
キリンがあんな体になった理由は?
性格や生態は?種類はあるの?
進化が生んだ奇妙生物「キリン」に迫ります。
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キリンは4種類いる!?特徴や違いは?
キリンは偶蹄目・キリン科・キリン属の哺乳類の総称です。
キリン科にはキリンの他に珍獣オカピが含まれれています。
これまでキリンは1種類しか存在していないと思われていました。
見た目や生息地域の違いはあるものの、遺伝子の違いはなく、1種類9亜種と考えられていたんです。
そんな中2016年に研究チームが、4種類のキリンに分類されることを発表しました。
それぞれ違いのレベルで言えばホッキョクグマとヒグマほどの相違点があるとのことです。
キタキリン(Giraffa camelopardalis)
ヌビアキリン、コルドファンキリン、ナイジェリアキリン、ウガンダキリンがまとめられました。
体の模様はくっきりしていますが、お腹や足の模様は薄いようです。
マサイキリン(Giraffa tippelskirchi)
キタローデシアキリンとマサイキリンがまとめられました。
体の模様は不規則ではっきりしていません。
アミメキリン(Giraffa reticulata)
亜種ではなく1つの種類として独立しました。
国内の動物園でも多く飼育されている種類で、編み目模様がはっきりしているのが特徴です。
ミナミキリン(Giraffa giraffa)
ケープキリンとアンゴラキリンがまとめられました。
お腹や足の先にも模様は入っていますが、アミメキリンほどはっきりしていないようです。
キリンの種類が分けられることは、2016年に判明しました。これはとても遅い発見だと言えます。
実は、キリンはこれまであまり研究の対象とされてこなかった動物なんです。
サイの研究論文は何万冊とあるのに、キリンに関しての論文は数百冊のみです。
キリンがゾウやサイ、ライオンのように深刻な絶滅の危機に貧していないことが、研究対象から外されてきた原因と言われています。
地球で最も背が高い動物ですが、意外にも注目されてこなかったんですね。
これからさらに新しい事実が判明しそうだ!
キリンの角(ツノ)は5本もある!?
キリンに角が生えていることは知っていますよね。
この角は皮膚に被われています。同じキリン科のオカピも同じような角を持っています。
キリンに何本の角が生えているか分かりますか?
2本に見えますよね。
キリンには全部で5本の角が生えているんです。
頭頂部に2本あるのは見えますよね。
その前、おでこの部分に盛り上がりがあります。
これが3本目の角です。
そして頭の裏側、後頭部の辺りに小さな角が2本生えています。
これで計5本ですね。
キリンの角の使い道は分かっていません。
オス同士が発情期に首を振り回してケンカ(ネッキングと呼ばれる)しますが、このときに相手にぶつけるのは角と言うより頭全体です。
それとも昔はケンカに使っていたのかな?
角に使い道が無いなんて、本当にキリンは変わっているね!
キリンの首が長い理由!
キリンの一番の特徴と言えば長い首ですよね。
角から地面までの高さは4m以上にもなりますが、その内首の長さは2m近くにもなります。
体重は1トンほどにもなるキリンです。
首の重さもすさまじく、200kgほどとも言われます。
これほどまでに長い首ですが、頸椎(首の骨)の数は人間と同じ7つです。
一つ一つの頸椎が太くて大きく、筋肉も発達しているため、これほどの首を支えることができるんですね。
頭に血液を送るため、哺乳類最強の血圧を持っているとも言われます。後頭部には「ワンダーネット」と呼ばれる特殊な血管を持ち、頭を急に上げ下げしても立ちくらみを起こしません。
同じキリン科のオカピと比べても異常に長い首を持っていますよね。
これはキリンがサバンナで生きていくために進化したからだと言われています。
実はキリンの祖先はオカピでした。
森林で暮らしていたオカピの一部がサバンナや草原に侵出し、高い場所の葉っぱを食べるため、徐々に首を長くしていったんです。
そして、獰猛な肉食動物たちから自分を守るため、体も大きくしていったと考えられています。
過酷な環境で生きていくための進化だと言えますね。
同じ仲間だということが分かるよね!
キリンの赤ちゃんは2mの高さから落とされる!?
背の高いキリンです。その分足も長いですよね。
地面までの高さは2mほどになります。
キリンは出産のとき、足を曲げることはありません。
そのため、キリンの赤ちゃんは2mもの高さから産み落とされるんです。
そんなところから落とされて、赤ちゃんは大丈夫なの?
普通なら考えられませんよね。
産まれてすぐに、全身にものすごい衝撃を受けてしまうんです。
命の危険すらありそうです。
しかし、キリンが出産するのは背の高い草の上です。
草が天然のクッションになって、赤ちゃんを守ってれるんです。
飼育下のキリンもワラなどを敷き詰めたクッションの上で出産します。
赤ちゃんが落下の衝撃で死亡してしまったことはこれまで一度もないみたいですよ。
安心安心!
キリンは臆病な性格でほとんど寝ない!?
キリンは動物界でもトップクラスに臆病です。
動物園で飼育されるときも、飼育員に慣れるまでに何週間もかかってしまうようです。
さらに大きな音が聞こえるとびっくりして転んでしまうこともあるんだとか、、、
あの巨体が倒れると内臓が破裂して死んでしまうこともあるそうです。
アフリカのサバンナには常に危険がいっぱい。
大きな体を持っているキリンですが、ライオンに襲われてしまうことも多いんです。
起きているときは強烈なキックでライオンを倒してしまうこともありますが、眠っているときはなかなか反撃もできません。
そのため、野生のキリンはほとんど寝ないんです。
足を曲げることはほとんどなく、安心して横たわるのは一日のうち2~3時間ほど。
首を曲げて深い眠りに落ちることはめったに見られません。
そうなると襲われるリスクも高くなるよね
天敵がいなくて安心しちゃうんだね!
キリンの生態!めんどくさくて水を飲まない!?
キリンはとても臆病です。
そのため、安心して水を飲むこともほとんどありません。
首が長すぎるため、水を飲むときは前足を少し開いて首を垂直に下ろさらくてはいけません。
この状態のキリンはとっても無防備なんです。
普段の水分補給は食べ物の葉っぱから行います。
水を飲まなくても済むように、葉っぱから水分を得られる体に進化しているんですね。
本当に喉が乾いてしょうがないときは、安全を確かめたうえで水を飲みます。
最後の最後にあの姿勢になるんですね。
サバンナではここまで心配性にならないと生き残れないってことか!
キリンは絶滅危惧種!?
キリンが4種類に分けられる話は最初にしましたね。
これまで全てのキリンを総まとめして生息数としていましたが、種類が分けられたことで絶滅しそうなほどに数を減らしている種類がいることも判明しています。
キタキリンとアミメキリンは生息数が5000頭未満だと言われています。
彼らの生息地域はアフリカ大陸の中央部で内戦も多く、情勢が不安定です。
そのため、保護活動を進めることが難しいんです。
また、コンゴ民主共和国ではキリンのしっぽを強い男の象徴とする文化が根付いています。
兵器によってキリンを殺害し、しっぽだけを切り取る人間が続出しているそうです。
生息地の開発も進み、キリンはこの数十年で80%も減少してしまいました。
すぐに保護に入らないと絶滅してしまう種類も現れるでしょう。
危険な地域ではありますが、国をあげての対策が求められています。
絶対に守らないと!
角目当てで乱獲されているんだよ、、、
まとめ
キリンはサバンナという危険で厳しい環境で生きていくために、首を長くするという進化を遂げました。
普通なら考えられないような進化です。
体は大きいですが臆病で神経質なところがあるんですね。
ほとんど寝ないというのは本当だったようです。
密猟で絶滅の危機に瀕しています。
しっぽがステータスになるなんて意味が分からないですよね。
「文化だからしょうがない」とは言えないほど深刻に数を減らしているんです。
そこまでする文化ならいらないと思います。
なんとか保護を進めてほしいですね。
またね~!
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