飛べない鳥

 

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 更新日:2022年6月25日

ヒクイドリ(火食い鳥)は最強のキックを持つ鳥!?卵は緑って本当?

オオカミ先生
オーストラリアにはヒクイドリっていう飛べない鳥がいるんだけど、世界一危険な鳥って言われているんだよ!
ニコ丸
危険!?怖いな~
どんなところが危険なの?
オオカミ先生
鋭い爪を持っていて、キックが恐ろしく強力なんだ!
しかも性格も荒々しいんだよ!
ニコ丸
う~話を聞くだけで怖いな~!
でも詳しく教えてください

 

ヒクイドリという鳥を知っていますか?
ちょっと変わった名前ですよね。
漢字で書くと「火食い鳥」です。

もちろん本当に火を食べるわけではありません。
ヒクイドリはアゴの下に赤く垂れ下がった皮膚を持っていて、それが火を食べているように見えることからこう呼ばれています。

世界一危険な鳥と呼ばれるヒクイドリはどんな生態を持っているのでしょうか?
危険と言われる理由は?

オーストラリア最強の巨大鳥「ヒクイドリ(火食い鳥)」に迫ってみましょう。

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ヒクイド「火食い鳥」ってどんな鳥?

ヒクイドリはヒクイドリ目・ヒクイドリ科の鳥類です。
ヒクイドリ目はヒクイドリ科とエミュー科に分かれます。

オオカミ先生
ヒクイドリの仲間には、他にもコヒクイドリとパプアヒクイドリという種類がいるんだ!
その中で一番大きくなるのが「ヒクイドリ」なんだよ!

ヒクイドリは別名「オーストラリアヒクイドリ」とも呼ばれます。
オーストラリア北東部やインドネシア、ニューギニア島の熱帯雨林で、標高1000m以下の限られた低地を住処としています。

過去にはもう少し広い範囲に分布していましたが、人間のテリトリーが広まったことで開発の影響をうけてしまいました。
さらに人間が持ち込んだ哺乳類がヒクイドリのヒナを襲うこともあり、成長できないヒナが続出しています。

オオカミ先生
ヒナが大人になれる確率は1%以下とも言われているんだ!
これはかなり深刻な問題なんだよ!
ニコ丸
現在ヒクイドリの絶滅を心配する声も上がってきているんだよ!

 

ヒクイドリの特徴や名前の由来!英語では?

ヒクイドリの名前を漢字で書くと「火食い鳥」です。
これはヒクイドリの色が関係しています。

ヒクイドリは喉もとに真っ赤に垂れ下がった皮膚(肉垂い)を持っています。
これが火を食べているように見えるため、このように名付けられました。
首もと以外の顔は青、体の羽は黒というかなり特徴的な色合いです。
そして、頭にはトサカがあります。

オオカミ先生
ちなみにヒクイドリが日本に最初に来たのは江戸時代なんだって!
貿易船に乗せられてやって来たんだよ!
ニコ丸
当時の絵にヒクイドリがしっかり描かれていたんだって!
こんな昔に海を渡っていたんだね

ヒクイドリの英名は「Southern cassowary」といいます。
パプアヒクイドリは「Northern cassowary」で、コヒクイドリは「Dwarf cassowary」ですので、ヒクイドリのことを「Cassowary」と呼ぶようですね。

ヒクイドリは頭からつま先までの高さ(体高)が190cmほど、体重は85kgにもなります。
体重は鳥類ではダチョウの次に重くなりますが、ヒクイドリの姿勢は少し前かがみになっているため、体高はエミューの方が高いようです。

過去にはニュージーランドにヒクイドリのように飛べなくて巨大な鳥が存在していました。
ジャイアントモアという種類ですが、残念なことに乱獲が原因で絶滅してしまっています。

 

ヒクイドリのオスとメスの違いは?

ニコ丸
ヒクイドリって本当に派手だね!
やっぱりオスの方が派手なの?
オオカミ先生
普通の鳥はオスの方が派手だよね!
でもヒクイドリはオスとメスの違いがあんまりないんだ!

 

鳥類のほとんどはオスの方が派手な見た目を持っています。
派手な見た目の方がメスからモテるんです。
逆にメスは地味で目立たない色をしていることが多いですよね。
巣でヒナを育てるメスは、回りの環境に溶け込み、天敵から見つかりにくくなっています。

ヒクイドリは鳥類では珍しくオスもメスも派手です。
ほとんど見分けはつきませんが、メスの方が色が濃く、頭のトサカも若干大きくなります。
しかも体の大きさもメスの方が大きいんです。

左がメスで右がオス

ニコ丸
性格もメスの方が荒いんだって!

 

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ヒクイドリの性格!爪が怖くて蹴り(キック)がヤバイ!?

ヒクイドリは2004年に「世界一危険な鳥」としてギネスブックに登録されました。
これにはヒクイドリの性格が関係しています。

ヒクイドリはとても気性が荒いことで有名です。
縄張りに侵入者が入れば、時速40kmの猛ダッシュで突進し、攻撃します。
足の爪はナイフのように鋭く、キックは殺人級の威力です。

 

同じヒクイドリ同士のバトルは命懸けですし、人間であっても攻撃の対象になります。
ただ、普段は臆病で警戒心が強く、人間の存在に気がつくと逃げてしまいます。
どうしても逃げ切れず、自分や子どもの危険を感じると問答無用で襲いかかってくるというわけです。

ニコ丸
臆病な動物は結構危険なんだって!
クマも危険生物だけど本来は臆病なんだよ!
身を守るための攻撃は容赦しないんだね!

 

ヒクイドリは恐竜と近縁!?

 

頑丈な足を持つヒクイドリはしばしば恐竜と比較されることがあります。
「恐竜の生き残りじゃないの?」って言われますが、実際はどうなのでしょうか?

実はヒクイドリに限らず、鳥類はみんな恐竜が進化したものなんです。
骨格のほとんどが一致していること、羽毛を持つ恐竜の化石の発見など、今や「恐竜=鳥類」という説は常識となっています。

その中でもヒクイドリが恐竜と近いと言われているのがトサカの発達です。
このようなトサカを持つ恐竜の化石が中国で発見されているんです。

ヒクイドリはオーストラリアという、早くに分離した大陸で独自の進化を遂げてきました。
そのため、原始的な特徴を保ってきたんですね。

オオカミ先生
恐竜というのは足がまっすぐ下に生えている爬虫類のことだよ!
ワニやトカゲは足が横に生えていてヒザも曲がっているよね!だから恐竜とは違うんだ!
ニコ丸
確かに鳥の足は真下に生えているね!
恐竜は絶滅せずに、鳥になって生き延びていたんだ!

 

ヒクイドリの生態!食べ物は何?

ヒクイドリは昼間に活動します。
草食性に近い雑食性で、フルーツを好物としています。
サブとして昆虫や小さなカニを食べることもあります。

 

ニコ丸
1日に5kgものフルーツを食べるんだって!
さすがは巨大鳥だね!

ヒクイドリが食べたフルーツは実の部分のみが消化され、種子は糞となって排出されます。
彼らは1日に20kmもの距離を歩くため、糞と一緒に種も森中に広まり、新たな木が生えてきます。

ヒクイドリにとってもフルーツは必要ですが、森にとってもヒクイドリはなくてはならない存在なんです。
しっかり共生しているんですね。

オオカミ先生
ヒクイドリのウンチは発酵したフルーツの匂いだから全然臭くないんだって!
ワインみたいな香りとも言われているよ!

 

ヒクイドリの卵はとっても派手!

ヒクイドリは卵も特大サイズです。
メスは約600gの卵を1回の出産で3~4個産みます。

これはダチョウ、エミューに次ぐ世界で3番目の大きさです。
殻も厚く、大きな親鳥が上に乗って温めても潰れません。
卵の頃から頑丈にできているんですね。

さらに卵は鮮やかな緑色です。
体だけじゃなくて卵も派手なんですね。
森では木々に溶け込む色です。

 

ニコ丸
ちなみに5番目はヒクイドリよりもはるかに小さい「キーウィ」の卵なんだよ!
小さいからだにパンパンな卵を産むんだって、、、

産卵後2ヶ月ほどでヒナが孵ります。

 

ヒクイドリのヒナはオスが育てる!

ヒクイドリは卵を温めるのも子育てをするのもオスのみです。
鳥類ではとても珍しいタイプですね。

 

メスは卵を産むと次のオスを探しにすぐに立ち去ります。
逆ハーレムを作るんです。

ニコ丸
日本にもタマシギという逆ハーレムを作る鳥がいるよ!
しかもこっちはオスよりメスの方が派手なんだ!

 

孵化後もお父さんがヒナを育て、そして守ります。
大人になると天敵はいませんが、子どもの頃はオオトガゲに食べられる恐れが、、、
お父さんは最強のキックで天敵と戦うんです。

子どもが成長するまで3~4年かかるようです。

 

ニコ丸
子どもの頃は全然目立たない色なんだよ!
森に溶け込むようになっているんだね!

 

まとめ

ヒクイドリは大きな体に大きな足を持つ、間違いなく世界一危険な鳥です。
森で急に出会えば襲われる恐れがあるため、現地でも出会いたくない動物とされています。

意外にもオスが子育てするというイクメンぶりを発揮しているんですね。
天敵から我が子を守る父親の姿には感動させられます。

オーストラリアに行く機会があれば野生の姿を見てみたいですね。
出会いたくはないですけど、、、

ニコ丸
最後まで読んでくれてありがとう!
また遊びに来てね~!

 

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