恐竜と言えば大昔に地球上に存在していた大型爬虫類ですよね。
その中でも時に有名で人気なのがティラノサウルスなどの獣脚類と言われるグループです。
恐竜が今でも生きているって聞いたら信じられますか?
恐竜と言えば約6500万年前に絶滅したはずです。
もちろん皆さんがよく知っている恐竜は絶滅してしまいました。
しかし彼らの特徴を引き継いだ生き物が現在も生き残っているんです。
それが鳥類です。
鳥なら身近にたくさんいますよね。
彼らが恐竜の進化系、子孫だとしたらどうですか?
ものすごくロマンを感じますよね。
恐竜が鳥類に進化したのは本当なのでしょうか?
裏付ける証拠はあるのでしょうか?
これらの疑問を解決します。
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恐竜の定義
皆さんは恐竜と聞いて、何をイメージしますか?
たぶんティラノサウルス、トリケラトプス、プテラノドン、首長竜など、古代のいろんな爬虫類をひっくるめて恐竜だと思っているはずです。
実はこれは間違いなんです。
恐竜の定義は
「足が地面に向かって垂直に生えている爬虫類」
です。
つまり、足が翼になっているプテラノドンなどの翼竜、足がヒレになっているフタバスズキリュウなどは正式には恐竜じゃないんです。
現代に生き残っているワニやトカゲの脚はガニ股で、体の外に向かって生えていますよね。
だからこれらも恐竜ではありません。
他にも乾燥に強い卵を産む、2足歩行が可能かどうかも恐竜の判断に含まれます。
※トリケラトプスやステゴサウルスは4足歩行ですが、元々は2足歩行の祖先を持っていました。
大きくなりすぎた体を支えるために4足歩行に変化したと考えられています。
恐竜の分類
恐竜は、鳥盤類と竜盤類に分けられます。
鳥盤類は4足歩行の恐竜で、トリケラトプスやステゴサウルスが有名です。
竜盤類はさらに獣脚類と竜脚類に分けられます。
獣脚類はティラノサウルスなどの2足歩行の恐竜、竜脚類はブラキオサウルスなどの大型恐竜のグループです。
鳥類に進化した恐竜
by Wikimedia
冒頭でも説明した通り、恐竜が鳥類に新化したことは確実だと言われています。
ただ、全ての恐竜というわけではありません。
恐竜の中の獣脚類、ティラノサウルスやラプトルのグループが鳥に進化しました。
では一体何を根拠に、恐竜が鳥類に進化したと言われているのでしょうか?
実は恐竜と鳥類には複数の共通点があるんです。
恐竜と鳥類の共通点
獣脚類と鳥類の1番の共通点は骨格です。
それぞれ、全身の骨の100ヶ所以上が一致しているんです。
最大の違いと言われていた前足の指の位置や本数も、実は同じだったことが証明されています。
この「指の違い」が恐竜と鳥類が違う生き物だとされてきた最大の要因でした。
同じだったことが証明されたことで、恐竜が鳥類に進化したことがほぼ確定されたのです。
さらに、鳥類には気嚢(きのう)という器官があります。
これは呼吸をスムーズに行うための器官で、酸素が薄い上空でも、効率よく呼吸するために必要です。
現存している生き物で気嚢を持っているのは鳥類のみです。
実は恐竜もこの「気嚢」を持っていたことが分かっています。
恐竜が生きていた古代の地球は今よりもずっと低酸素な状態でした。
この環境でも恐竜が哺乳類よりもはるかに大きい体だったのは気嚢のおかげです。
気嚢によって効率よく酸素を取り入れることができ、大きな体を維持できていたんです。
気嚢の存在に骨格の一致、鳥類が恐竜の進化系だということが現実味を帯びてきましたね。
恐竜には羽毛があった!
「恐竜に羽毛が生えていたのではないか?」という説は古くから言われていました。
骨格が鳥と一緒の獣脚類には、羽毛が生えている可能性がありました。ただ、これまでに見つかった恐竜の化石は骨のみで、皮膚などの外見の様子までは分からなかったんです。
そんな中、1995年ついに羽毛の存在を確定させる「羽毛恐竜」の化石が中国で発見されました。
これまでに発見された恐竜の化石が骨格のみだったのに対し、このとき発見された化石は羽毛の痕跡や表皮の構造もきれいに残っていました。
火山の噴火によって降り積もった灰が、奇跡的に恐竜の死骸をきれいに保存していたと考えられています。
この場所では他にも哺乳類、両生類、昆虫類や植物の状態の良い化石も見つかっています。
また、同じ年にはアメリカで卵を抱き抱えるような化石も見つかっています。
現在の鳥と同じように、卵や幼鳥を前足、つまり翼で抱えていたんです。
羽毛の存在や鳥類特有の骨格で、恐竜が鳥に進化していたことが裏付けられたのです。
恐竜は絶滅していなかった!
残念ながら「恐竜」という生き物は絶滅してしまいました。
恐竜のように足が地面に向かって生えている爬虫類は、地球上には存在していないんです。
ただ、恐竜が鳥類に進化していたのなら、絶滅という言葉は不適切ですよね。
一部の恐竜の遺伝子や特徴は現在にも残っているわけですから。
実際に鳥類のことを恐竜とする意見もあるんです。
どうして鳥類は生き残れたのか!?
実際に6500万年前の地球では、大規模な生物の絶滅が起こっていたとされています。
恐竜だけでなく、植物やアンモナイトなどもこの時期に姿を消しているんです。
では、鳥類に進化した恐竜はどうやって生き延びたのでしょうか?
その答えが羽毛にあります。
実は羽毛は「体温を維持することが目的で身に付けたのではないか?」とされているんです。
恐竜が絶滅した理由は諸説ありますが、隕石によるものな一番有力です。
皆さんも恐竜が隕石で絶滅したことを聞いたことがあるのではないでしょうか。
ただ、漠然と「隕石が衝突して地球が壊れてしまった!」などと想像しているかと思います。
恐竜は隕石衝突の衝撃で絶滅したわけではありません。
もしそうなら全ての生き物がこの時期に滅んでしまっています。
地球も無事じゃなかったでしょう!
隕石が衝突した後が問題なんです。
隕石の衝突により粉塵が舞い上がります。
また、火事も起こってしまい煙も上がります。
これらが太陽光を遮断してしまったと考えられているんです。
しかし、何万年も粉塵が舞い上がり続けることは現実的に考えられません。そのため隕石の衝突で地球の回転軸が変わってしまった、火山が噴火してしまった、などの説もあります。
なんにせよ、地球の気温が下がってしまったことには変わりはありません。
今まで暖かったところに太陽が当たらなくなることで、気温はどんどん下がっていったんです。
恐竜は変温動物なため、気温が低いと活動することができません。
そのためどんどん死滅してしまいました。
「この時に羽毛を持っていた獣脚類が低温にも耐えることができ、結果として生き残ったのではないか?」と考えられているんです。
また、獣脚類は変温性から恒温性に変化していたとも考えられていて、気温の変化にも耐えられたというわけです。
現在の地球で恒温性を持っているのは鳥類と哺乳類のみです。
※オサガメのみが恒温性を持っている爬虫類です。
どうして恐竜は小さくなったのか!?
恐竜が鳥類に進化したのは分かりました。
ただ疑問も生まれます。
「どうして巨大だった恐竜が、鳥のような小さな生き物になったのか!?」
実は地球の歴史上、大きかった生き物が小さくなることは頻繁に起こっているんです。
大昔は昆虫も今の4倍以上大きかったと言われています。
太古に生息していた恐竜ほどもあった巨大ワニ「デイノスクス」も、現在ではせいぜい4~5mほどの見慣れたワニになっています。
地球温暖化が発生することで生物の体は小さくなってしまうんです。
過去に地球で大規模な温暖化が発生したことは地質学の研究で明らかになっています。
実際に5500万年前に地球で地球温暖化が発生しているのも分かっています。
こうした地球の温暖化を受けることで、生き物はその度に体を小さくしていったと考えられています。
まとめ
・恐竜は「足が地面に垂直に生えている爬虫類」
・プテラノドンやフタバスズキリュウは恐竜ではない
・ティラノサウルスなどの獣脚類が鳥類に進化した
・鳥類と恐竜の骨格は100箇所以上が一致している
・羽毛の痕跡を持っている恐竜の化石が見つかっている
・羽毛の存在が恐竜を絶滅から救ったと考えられている
・地球の温暖化により生物の体が小さくなることがある
恐竜は絶滅していたわけではなく鳥類に進化して生き残っていたんです。
地の支配者が空の支配者に変化したんですね。
大規模な絶滅が起こった正しい理由は判明していませんが、恐竜の遺伝子が残っているのは嬉しいですよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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