カイギュウの仲間

 

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 更新日:2018年9月5日

ステラーカイギュウはなぜ絶滅したの?目撃情報や生存の可能性は?

ステラーカイギュウはその昔、地球上に存在していた超巨大な海牛(カイギュウ)の仲間です。

カイギュウといえば、ジュゴンやマナティが有名ですね。
現在、最も大きいカイギュウはアメリカマナティーで、体重は1.5トンにもなります。

しかし、ステラーカイギュウはこの何倍も大きい10トンにもなる特大のカイギュウでした。

そんなステラーカイギュウは現在、残念ながら地球上から姿を消しています。
完全に絶滅してしまったんです。

ステラーカイギュウとはどのような動物だったのでしょうか?
これほどまでに巨大な生き物が絶滅してしまった理由は?
そして、生存の可能性は?

悲劇の巨大海牛「ステラーカイギュウ」に迫ってみましょう。

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ステラーカイギュウ発見と絶滅までの経緯

ステラーカイギュウはロシアの医者にして博物学者の「ゲオルク・ヴィルヘルム・ステラー」によって発見されました。
そのため、彼の名前からこのように名付けられています。

ステラー博士はロシア帝国の第2カムチャツカ探検隊に所属していましたが、この隊は1741年に船の座礁により遭難しています。

長い航海で野菜やフルーツを食べる量が減ってしまうと体内のビタミンCが不足してしまい、血管が壊れてしまう「壊血病」が流行してしまいます。
ステラー博士の探検隊は寒さや壊血病で、半数以上が死んでしまいました。

そんなときに発見したのがステラーカイギュウでした。
ステラーカイギュウの豊富な脂肪や肉、皮までもが生きるために使用されました。
肉は牛肉のようにおいしく、脂肪はランプに、皮は船底のシートに使われたんです。
座礁した船の材木とステラーカイギュウの皮により新たな船を作り上げたステラー博士の探検隊は、結果として無事に生還することができています。

そしてステラー博士は帰国後に、ステラーカイギュウについての記録を発表しています。
これがステラーカイギュウ絶滅の引き金となりました。

最高の獲物の情報を聞きつけた毛皮商人やハンター達は、ステラーカイギュウを乱獲してしまいます。
そしてステラーカイギュウ発見からわずか27年しか経っていない1768年を最後に、彼らの姿を見たものは誰もいません。
2000頭近くいたステラーカイギュウは惨殺されてしまったんです。

ちなみにステラー博士がこの航海で見つけた「メガネウ」という海鳥も乱獲の被害に合い絶滅しています。

 

これから説明するステラーカイギュウの特徴や生態は、ステラー博士によってまとめられたものです。

 

ステラーカイギュウ


ステラーカイギュウはカイギュウ目(ジュゴン目)・ダイカイギュウ科・ステラーカイギュウ属の海洋哺乳類です。

現存するカイギュウ目はジュゴンとマナティーの仲間のみです。

 

人間が過去に発見できたダイカイギュウ科の仲間は、ステラーカイギュウのみです。
それ以外は歴史上の書物では確認できないため、太古に絶滅してしまったと考えられています。

 

ステラーカイギュウが生息していた海域

ステラーカイギュウは太平洋、ベーリング海のコマンドルスキー諸島周辺の限られた海域に生息していたようです。
この辺りはかなりの寒冷海域です。

しかし10万年前の化石から、ステラーカイギュウが過去には世界中に、広く分布していたことが分かっています。
カリフォルニア付近や、なんと日本沿岸にも存在していたんです。

過去に起こった大規模な気候変動により地球が温暖化したことで、ベーリング海にのみ生息するようになったと考えられています。
また1万年前に人間が定住し始めたのも、ステラーカイギュウの生息地が狭まった原因の1つではないでしょうか。

 

ステラーカイギュウの特徴


ステラーカイギュウの体長は7m、体重は12トンあったと言われています。8mを越えていたという説もあります。
同じカイギュウ目で、現存では最大のアメリカマナティーは最大で1.5トンほどです。
桁違いの大きさですね。

 

また、胴回りは6mもあり、皮下脂肪が大半を占めていたようです。
脂肪の厚みは10~12cmと、相当な肥満体型です。

ただ、これほど太っている期間は食べ物が豊富な春から夏の間です。
冬になると絶食状態になって、蓄えた脂肪で生き、冬が終わる頃には骨が浮き出るほどに痩せていたそうです。
この時期の体重は5トンほどでした。それでもマナティーよりも重いですか、、、

また、胸ビレには指の骨が入っていなかったようです。退化したんですね。
現存の海洋哺乳類の胸ビレには全ての種類に指の骨が入っています。
ステラーカイギュウが、海での生活に完全に適していた証拠とされています。
このヒレを使って海底を歩くこともできたようです。

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ステラーカイギュウの生態

ステラーカイギュウは群れで生活していました。

夏場には沿岸近くで昆布を食べて暮らしますが、冬になると沖合いに出て絶食状態になります。

 

ステラーカイギュウの食性


ステラーカイギュウは草食性で、昆布などの海藻を食べていました。
暖かい海域で暮らしているジュゴンやマナティーは海草を中心に食べています。
寒冷海域には昆布が多く育つため、ステラーカイギュウはこれらを食べることで大量の脂肪を蓄えていたんです。

脂肪だらけの体では潜ることはできず、海面をぷかぷか浮いていたと考えられています。
海流に乗って沿岸近くまで行き、昆布を食べていたようです。

また、ステラーカイギュウの骨格標本を見ると、歯がないのが分かります。
昆布を噛むことはせず、丸飲みにしていたようです。
ステラー博士の記録によると、ステラーカイギュウを解剖すると、腸がとても長かったそうです。
長い腸でゆっくり昆布を消化していたということですね。

昆布を引きちぎるときだけ、唇や固くなった歯ぐきなどを利用していました。

上で説明したように、ステラーカイギュウは冬になると絶食状態になります。
ベーリング海は冬になると辺り一面が氷で覆われ、海藻がなくなってしまうんです。
ステラーカイギュウにとっては辛抱の季節ですね。

 

ステラーカイギュウの繁殖

春になって、ステラーカイギュウが活動し出す頃に、彼らは1年に1度の繁殖期を迎えます。

妊娠期間は1年以上で、子どもは群れの中心で守られるように生活していたとされています。

マナティーの親子

 

ステラーカイギュウの性格


ステラーカイギュウはカイギュウ目特有の穏やかな性格をしていたとされています。
ハンターにとっては好都合ですね。
安全に狩りを行うことができますからね。

また、群れの仲間意識が強く、他の仲間が襲われているところに集まる習性もあったようです。
特に、メスが襲われると集団のオスが間に入って来たともされています。
絡まったロープや銛を外そうともしたそうです。
頭も良かったと考えられています。

この仲間意識が、結果としてステラーカイギュウ絶滅を早めることに繋がってしまったんです。
1頭を見つけて攻撃すれば、何頭も集まってきますからね。
探す手間が省けます。

1度に大量に殺害し、運べない死体は海に遺棄したとも言われています。

「なんで、、、」
としか思えませんね。
時代背景があったとは言え、ここまでする必要があったのでしょうか?

 

ステラーカイギュウ目撃!生存の可能性は?

1768年に絶滅したとされているステラーカイギュウですが、その後目撃情報があるんです。

1962年にソ連の科学者一団が海面に浮かぶ、見慣れない6頭の海洋生物を目撃しています。
場所はステラーカイギュウが生息していたとされるベーリング海です。

写真や正確な記録もないため、なんとも言えませんが、これがステラーカイギュウだった可能性はあります。

しかしその後、目撃情報はありません。

最初の乱獲で絶滅してしまったと考えるのが妥当ですね。
残念ですがこれだけ発見されないと、ステラーカイギュウ生存の可能性は限りなく低いでしょう。

ただ、海は人間が思っている以上に広いので、もしかしたらもしかするかもしれません。
望みは捨てたくないですね。

 

まとめ

・ステラーカイギュウはロシアの探検隊により発見される
・医者のステラー博士によって生態の記録が残されている
・遭難した探検隊は、ステラーカイギュウによって助けられている
・噂を聞き付けたハンターたちがステラーカイギュウを乱獲!結果絶滅
・ステラーカイギュウは7m、10トンにもなる大型のカイギュウ
・昆布を主食としていた
・冬になると絶食状態になる
・繁殖は1年に1回、妊娠期間は1年以上
・ステラーカイギュウらしき姿は目撃されている

ステラーカイギュウはジュゴンやマナティーをとても大きくしたような姿です。
はっきり言うと、生きている姿を見たかったですね。

人間の勝手によって絶滅してしまったのは本当につらいです。
こんな過ちを繰り返さないことが重要だと感じてしまいます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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