不思議な鳥が多くいるんだけど、その中でも「キーウィ」は変な鳥代表なんだよ!
キウイフルーツみたいだ、、、
ニュージーランドの国鳥でもあるんだ!
ニュージーランドは本来、コウモリ以外の哺乳類が存在していませんでした。
ヘビもいないため鳥にとっては楽園です。
結果、へんてこな鳥がたくさん生まれました。
キーウィはその中でも特に変わっている鳥です。
翼は退化していて飛ぶことはできませんし、卵はとてつもなく大きい、、、
キーウィのヘンテコなところはまだまだあります。
今日はニュージーランドが生んだ珍鳥「キーウィ」を紹介します。
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キーウィってどんな鳥?
キーウィはキーウィ目・キーウィ科・キーウィ属の鳥類です。
現在5種類の存在が確認されています。
大きさはニワトリほどのサイズです。
現在はキーウィ目として独立していますが、オーストラリアに生息するヒクイドリやエミュー、アフリカ大陸のダチョウと近い遺伝子を持つという説があるんです。
さらにはニュージーランドに大昔に生息していた「モア」という超大型の飛べない鳥と近縁とする説もあります。
生息地的にはヒクイドリ、エミュー、モアと近縁とする説は考えられるようですが、ダチョウは大陸が離れているため、関係は否定されています。
違う動物が同じような体の特徴を持つことは結構あるらしいよ!
フクロオオカミとオオカミが代表例だよ!
今後研究が進めば、キーウィが他の鳥と同じ仲間だとされる可能性はあります。
ニュージーランドはキーウィの楽園!?
ニュージーランドはオーストラリア大陸の南東に浮かぶ島国で、総面積は日本の3分の2ほどです。
大陸から分離するのが早かったためか、この国には本来コウモリ以外の哺乳類は存在していません。
飛んで渡れる鳥類やコウモリ、原始的な特徴を持った爬虫類しか住んでいないんです。
ヘビすらも生息していないため、鳥類の天敵と言える存在がいません。
まさに鳥の楽園ですね。
天敵がいないということで、飛ぶことをやめた鳥も数多くいます。
キーウィもそんな飛ぶことをやめた鳥類の1つです。
翼の代わりに足を発達させ、陸上を歩くように進化していったんです。
キーウィはニュージーランドを代表する鳥なため、この国の国鳥に認定されています。
国民もキーウィのことを誇りに思っていて、あだ名を「キーウィ」とする人が多いようです。
キーウィは絶滅危惧種!?
過去には3000万羽以上が存在していたキーウィですが、現在は100万羽ほどに減っています。
レッドデータブックにも指定され、絶滅が心配されているんです。
その理由は人間が持ち込んだ哺乳類です。
ニュージーランドに人間が移入したとき、ネズミやイタチの仲間、イエネコ、フクロギツネが持ち込まれてしまったんです。
キーウィは天敵がいない環境だからこそ飛ぶのをやめた鳥です。
天敵が現れてしまうとどうすることもできません。
持ち込まれた哺乳類はキーウィやそのヒナ、卵などを簡単に食べることができたんです。
現在、ニュージーランドへの動物の持ち込みは厳しく規制されています。
キーウィだけでなく、ニュージーランド自体の生態系を壊す恐れがあるんです。
原産国では保護の対象でもあるんだけど、天敵のいないニュージーランドでは増えすぎて駆除されているんだ!
キーウィの種類を紹介!生息地や特徴の違いは?
ニュージーランドにのみ生息しているキーウィは、生息地やちょっとした特徴の違いで、種類が分けられています。
また、レッドデータブックのカテゴリーも種類によって違います。
現在5種類のキーウィが確認されています。
・ブラウンキーウィ
・コマダラキーウィ
・オオマダラキーウィ
・ローウィ
・トコエカ
ブラウンキーウィ
「Northisland brown kiwi」
ニュージーランドの北部に生息している一般的なキーウィです。
体重は2.2~2.8kgほどで、名前の通り茶色の羽毛で包まれています。
現在35000羽ほどが確認されていますが、過去には100万羽近く生息していたこともあり、絶滅が心配されています。
レッドデータブックのカテゴリーは「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」です。
コマダラキーウィ
「Little spotted kiwi」
キーウィの中で最も小柄な種類で、体重はニワトリの半分ほどの1.3kgほどです。
色が薄く、まだら模様が入るのが特徴です。
体が小さいため、イタチやネコなどに食べられてしまうことが多く、最も絶滅が心配されています。
生息数は1800羽ほどで、カピチ島やその周辺を住処としているようです。
レッドデータブックのカテゴリーは「準絶滅危惧種(NT)」ですが、生息数の調査が進めば上のカテゴリーに含まれる可能性があります。
オオマダラキーウィ
「Great spotted kiwi」
最も大型になるキーウィで、体重は2.4~3.3kgです。
灰色と茶色の羽が交互に生えていて、まだら模様に見えるのが特徴です。
ニュージーランド北部のネルソンやウエストコート北部などの山岳地帯に生息しています。
2万羽以上が確認されていますが、過去にはもっと多くの生息数があったため「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されています。
ローウィ
「Okarito Rowi、Okarito brown kiwi」
2003年に新種として認定されたとても珍しいキーウィです。
ブラウンキーウィの亜種とされるほど見た目が似ていましたが、遺伝子の調査で別種とされました。
少し小柄で顔に白い羽毛が生えています。
オカリトという限られた島に500羽ほどが生息していて、絶滅も心配されています。
カテゴリーは「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」です。
トコエカ
「Haast Tokoeka、Stewart Island Tokoeka」
ニュージーランドの最南端「スチュアート島」は天敵となる外来種がいないため、キーウィにとってはとても住みやすい環境です。
トコエカはこの島で見られるキーウィで、赤っぽい羽毛とクチバシが少し下に曲がっているのが特徴。
生息数は2万羽と安定していますが「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されています。
人間の移入による開発が生息数を脅かしているんです。
キーウィの名前の由来は鳴き声!?
キーウィはキウイフルーツが由来なの?
キーウィって名前は鳴き声から付けられたんだよ!
キーウィは口笛みたいな独特の声で鳴きます。
ニュージーランドの先住民族マオリ族は、この声が「キーウィ」と聞こえたようです。
これが由来ですね。
その後、ニュージーランドのキウイフルーツ(kiwi-fruit)がアメリカに輸出される際、見た目が似ている「キーウィ」から名前を受け継いだんです。
正確には「キーウィフルーツ」って発音するんだね!
キーウィは翼が退化して飛べない!
キーウィが飛ばずに陸上で暮らしていることは説明しましたね。
不思議なところは彼らの翼がほとんど退化していることです。
ダチョウも陸上生活の鳥類ですが、翼は無くなっていません。
飛べませんが、翼を動かすことはできます。
しかしキーウィの翼は2cmほどの痕跡しか残っておらず、もはや翼と呼べるようなサイズではないんです。
気から降りるときに滑空するんだ!
ニュージーランドという、天敵が全くいない環境だからこそ、翼を極限まで退化させたのでしょう。
その代わり足は頑丈でがっしりしています。
キーウィの生態!目よりも鼻がいいって本当?
陸生の鳥類では珍しく、キーウィは夜行性です。
昼間は木にできた穴で休んでいます。
夜になると活発になり、長いクチバシで地面をつっつき、好物のミミズを探します。
意外にも大食いで、一晩に100匹ものミミズを平らげるんです。
夜行性のキーウィは視力が弱く、逆に嗅覚が発達しています。
しかも鼻の穴がクチバシの先端に開いているんです。
ほとんどの鳥類は視覚を発達させ、嗅覚は弱くなっています。
しかも鼻の穴はクチバシの根本近くにあるのが普通です。
キーウィは特殊なクチバシで地面のミミズを効率よく見つけることができるんです。
だって夜は目が見えにくくなるからね、、、
それほど鼻に自信があるってことなんだ!
キーウィの卵は世界で5番目に大きい!
キーウィが不思議な鳥だと言われている最大のポイントは「特大の卵を産むこと」です。
2kgほどのキーウィが400gの卵を産むんです。
体と卵のサイズの比率は世界で一番大きく、なんと自分の体の20%もの大きさがあります。
大体の鳥は自分の体の2~3%の卵なので、その大きさが分かると思います。
例)ニワトリの卵は2kgで、卵は60g
最大の卵を産むのがダチョウで1.6kg、次がエミューの700g、ヒクイドリの600g、レアの500gなので、世界で5番目に大きい卵を産むということになります。
しかし上位4種類の鳥は、どれもキーウィとは比べ物にならないくらい大きな体格です。
ダチョウに至っては100kgを越えるため、その分卵も大きくなりますよね。
2kgほどのキーウィの体にこれほど大きな卵が入っているんです。
産卵前のメスの体はパンパンになってしまいます。
産卵後卵を温めるのは主にオスです。
しかし大きすぎて卵の全体を温めることはできず、上の方と下の方では10℃近くの温度差があります。
小さい卵にすればもう少し能率よく温めることができそうなんですが、、、
もしかしたらキーウィの祖先はとっても大きかったかもしれないんだよ!
まとめ
キーウィはニュージーランドという隔離された環境で生き残ってきた不思議な鳥です。
視覚は弱く、鼻の穴がクチバシの先端に開いている鳥は世界でキーウィだけです。
特大の卵をサイズ違いのオスが温める姿は、自分の卵じゃないものを温めているように見えますね。
卵に乗っているだけにも見えます、、、
ニュージーランドに哺乳類が侵入しつつあるため、絶滅が心配ですね。
こんなにかわいい鳥を絶滅させるわけにはいきません。
ニュージーランド国民も同じことを思ってくれているはずです。
なんとか守っていきたいものです。
他にも珍しい動物を紹介しているよ!
見ていってね~!
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