クマの仲間

 

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 更新日:2018年6月6日

マレーグマの生態、特徴、生息地!世界最小のおとなしい熊

熊と言えば大きくて、強くて、恐ろしいイメージがありますよね。
熊は世界中でも多くの事故、被害を出しているため、危険生物の代表とも言えます。

そんな熊の怖いイメージを塗り替えてくれるのが「マレーグマ」です。

マレーグマは東南アジアに生息している世界最小の熊です。
外見は毛の短い熊って感じですが、性格はとってもおとなしく、現地ではペットにされることもあるとか!

日本各地の動物園でも飼育されていて、おっさんみたいな動きや変顔がとても人気なマレーグマですが、実は絶滅危惧種にも指定されているんです。

マレーグマとはどのような熊なんでしょうか?
人間との関係は?
本当に怖くないの?

ブサカワの代表「マレーグマ」に迫ります。

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マレーグマってどんな熊?

マレーグマ
学名Helarctos malayanus
英名Sun bear
生息地マレーシア、インド、インドネシア、カンボジア、ベトナム、中国南部、タイ、ミャンマー、ラオス
体長100~150㎝
体重25~65㎏

マレーグマは食肉目・クマ科・マレーグマ属の哺乳類です。
マレーグマのみでマレーグマ属を構成しています。一属一種と呼ばれるタイプですね。

 

マレーグマの生息地

マレーグマはマレーシア、ベトナム、ミャンマー、インド、インドネシア、タイ、カンボジア、中国南部、ラオスといった東南アジアの森林地帯に生息しています。

夜行性で、基本的には単独で行動します。
昼間は木に登って休んでいることが多く、木の上に折り曲げた枝や葉っぱを使って巣を作ります。
以外と器用なんですね。
マレー語で「basindo nan tenggil」と呼ばれていますが、この意味は「高いところに座ることが好きな者」だそうです。
マレーグマの木に登る習性から名付けられた名前ですね。

ちなみに中国語では「馬来熊」と言います。
マレー半島やその周りの地域を中国語で「馬来」と呼ぶことが由来です。
和名も同じ理由ですね。

 

マレーグマの体の特徴


体長100~150cm、体重25~65kgと人間と比べても小柄です。
成人男性の平均身長を170cm、体重が65kgくらいとしても、マレーグマの方が小さいのが分かりますよね。
マレーグマの平均的な大きさが体長135cm、体重50~55kgくらいなので、日本人の中学生くらいの大きさということになります。

これは熊の仲間では最小です。クマ科最大の種類「ホッキョクグマ」は最大3m、体重は500kgにもなるため、その大きさの違いは歴然ですね。
しばしば「Dog bear(犬のような熊)」と呼ばれるほどです。

哺乳類は寒い地方に行くほど体が大きくなると言われています。寒さに耐えるために脂肪を多くしないといけないんです。
東南アジアという暖かい地域で暮らしているマレーグマは、その分体が小さくなったのでしょう。

全身の体毛も短く、高温多湿な地域に適応するための進化だと考えられています。
ちなみに両手足の裏には毛が生えていません。

胸には明るい色の三日月模様が入ります。日本にもいるツキノワグマと同じような模様ですね。
英名の「Sun bear」はこの模様が太陽のように見えることが由来です。

 

マレーグマの口や爪


マレーグマはとても鋭く長い爪を持っています。

この爪は先端に行くほど湾曲していて、熊手のようになっています。
熊の手なんでそのまんまなんですが、、、

この爪が木登りにとても役立っていて、マレーグマを熊の仲間でも屈指の木登り名人にしています。
また、毛が生えていない両手足も、木登りに必要な特徴です。
滑り止めの役割を果たすんです。

マレーグマが歩くシーンを見れば分かりますが、前足がかなりの内股です。


オス、メス関係なく内股です。
これも木登りのための進化だと言われていて、前足が引っ掛かりやすくなっているんだとか!

鋭い爪はアリの巣を掘り返すときにも役立っています。

木登りに穴掘り、マレーグマはジャングルを生き抜くために進化してきた動物なんですね。

 

マレーグマの食性

マレーグマは雑食性です。

主にアリ、ハチミツ、昆虫、果実、爬虫類、鳥類、小型哺乳類など、栄養になるものはなんでも食べます。

果実を割るときは強力なアゴを使い、アリや昆虫を食べるときはながーいベロを使います。

関連画像
ベロの長さは25cmにもなり、顔に比べてもとっても長いです。
ペロペロとアリクイみたいにアリを絡めとって食べます。

マレーグマが暮らしている東南アジアは年中暖かく、食べ物も豊富なため、冬眠する必要がありません。

そのためマレーグマは1年中活動します。

 

マレーグマの嗅覚

マレーグマをはじめとする熊の仲間は、目が悪い種類が結構います。
これは熊と比較的近い系統にある犬の仲間も同じです。

その代わり、嗅覚がものすごく発達しています。
一説によると、熊の嗅覚は犬よりも優れているそうです。

犬の嗅覚は人間の何万倍も優れています。
その犬よりも優れているとなると、人間が想像もできない世界ですね、、、

マレーグマも同じように、視覚の代わりに嗅覚が発達しています。

大好きなハチミツを探すときはもっぱら嗅覚に頼っています。
インドネシア語の「Beruang Madu」「蜂蜜熊」という意味だそうです。
名前になるくらいハチミツが好きなんですね。
どこかの赤いTシャツを着た誰かさんみたいでかわいいです。

ちなみにマレーグマは聴覚も比較的発達していて、夜でも平然と歩き回ることができます。
視覚の代わりに他の感覚が発達することで補っているんですね。

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マレーグマの繁殖・子育て


マレーグマは胎生です。
決まった繁殖期はなく、年中繁殖が可能だと言われています。

妊娠期間は95~100日間で、だいたい3~4ヶ月弱といったところですね。
ヒグマの妊娠期間が8ヶ月(約240日間)なのに対し、かなり短い印象です。
これにはマレーグマの生息してきる地域、マレーグマ自身の大きさが関係していると言われています。

1回の出産で1~2頭の子どもを産みます。
赤ちゃんの体重は280~340gで、生まれたての頃は毛が生えていません。
1ヶ月ほどで目が開きますが、7週間はあまり周りが見えていないようです。

授乳期間は1年~1年半(約18ヶ月)です。
子育ては母親のみが行います。

オスもメスも性成熟までは3~4年で、その後独り立ちしていきます。

ちなみにマレーグマの寿命は、飼育下では28年ほどです。最長は35年以上生きた個体もいるそうです。
野生下での寿命は詳しく分かっていませんが、飼育下よりは短いのではないか、と言われています。

 

マレーグマは怖い!?

熊の仲間は基本的に臆病です。
熊側から人間に危害を加えてくることは滅多にありません。
ただ、自分の身を守るため、子どもを守るため、しかたなく人間を襲うことがあります。

 

マレーグマは基本的にかなりおとなしい性格をしています。
現地東南アジアの人達がペットとして飼育するくらいです。
特に、子熊は人間の子ども達の遊び相手になるほどおとなしいとされています。

ただ、マレーグマが人を襲ってしまった事故は過去に発生しています。死亡事故も起こっています。
特にインドネシアではマレーグマによる被害が年間数件ほど発生しているため、注意が必要とされています。

 

マレーグマの天敵

マレーグマの天敵はトラ、ヒョウ、ウンピョウなどがあげられます。

ただ、一番の天敵は人間です。
人間の影響で、マレーグマは危機的状況にあると言われています。

 

マレーグマは絶滅危惧種!?

マレーグマは現在、絶滅危惧種に指定されています。

主な原因は、
・森林開発による住みかの減少
・畑を荒らすこともあるため駆除される
・毛皮目的による乱獲
・内蔵や肉が漢方薬の原料になるため乱獲されている
などが挙げられます。

現在ワシントン条約にも記載されているため、国際的に取引が規制されています。
ただ、密猟者は後を絶たないようです。

マレーグマはペットにできない!

マレーグマはワシントン条約に記載されています。
取引には国同士の許可が必要です。
個人的に飼育することはできません。

おとなしいマレーグマはペットとして人気もあるようで、中には飼育する人もいるようです。
密猟者の存在もそのためでしょう。

もちろん、国際的な規約に違反すると厳罰が下ります。

 

マレーグマを飼育している動物園

マレーグマはおとなしいため飼育しやすく、日本中多くの動物園で飼育されています。
分かっている限りでは次の動物園で見ることができます。

・円山動物園(北海道札幌市)
・東山動物園(愛知県名古屋市)
・甲府市遊亀公園附属動物園(山梨県甲府市)
・上野動物園(東京都上野)
・福岡市動物園(福岡県福岡市)
・のんほいパーク(愛知県豊崎市)
・天王寺動物園(大阪府大阪市)
・とべ動物園(愛媛県伊予郡)
・のいち動物園(高知県)
・徳山動物園(山口県周南市)
・平川動物園(鹿児島県鹿児島市)
・熊本市動植物園(熊本県熊本市)

※もしかしたら何らかの理由で飼育されていない場合があります。
動物園に行く前に確認した方がよろしいと思います。

マレーグマはおっさんみたいで人気!


熊といえば凛々しくって堂々としているイメージがありますが、マレーグマはちょっと緩すぎる一面を持っているみたいです。しばしばおっさんと例えられるような変な動きもするようで、見に来た人を楽しませてくれます。

個人的に頭抱えている写真がツボです!
本当に絶望しているんだったらすみません。

お近くにマレーグマを飼育している動物園があれば、ぜひこのおっさんみたいにかわいいマレーグマを見に行ってください。

 

まとめ

マレーグマは熊でありながら人間より小さく、性格もおとなしい子がほとんどです。

東南アジアという、食べ物が豊富にある地域で育っているからこそ、心に余裕があるのかもしれませんね。

開発や乱獲、駆除によって数を減らしています。
人間の勝手なエゴで、このゆるカワな動物を絶滅させてはいけませんよね。

私たちにもできることがあるはずです。
マレーグマを守るためにも、環境破壊をストップさせたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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