飛べない鳥

 

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 更新日:2020年8月28日

沖縄のヤンバルクイナが絶滅しそうな理由って?生態や特徴、鳴き声も

ヤンバルクイナは沖縄の「山原(ヤンバル)」に生息している小型の鳥です。
ヤンバルとは沖縄の北部に広がる森林地帯のことで、この地域でしか見ることができない固有種が数多くいます。

ヤンバルクイナもそんな沖縄のヤンバルを代表する固有種です。

沖縄には肉食動物が存在していなかったので、ヤンバルクイナは飛ぶ必要が無くなり、地面で生活するように進化しました。
しかし、皮肉にもこのことが原因で、ヤンバルクイナは絶滅の危機に貧しています。

ヤンバルクイナはどんな生活をしているんでしょうか?
鳴き声や特徴は?
また、絶滅しそうな理由とは?

今回は飛ぶことをやめた鳥「ヤンバルクイナ」のお話です。

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ヤンバルクイナってどんな鳥?

ヤンバルクイナ
学名Gallirallus okinawae
英名Okinawa rail
生息地沖縄県北部(やんばる)
全長35㎝
体重300~400g

ヤンバルクイナはツル目・クイナ科・ヤンバルクイナ属の鳥類です。
ヤンバルクイナ属の鳥は本種のみです。

ヤンバルクイナは1981年に新種として発表されました。
20世紀以降に発見された、珍しい動物なんです。

発見当初「幻の飛べない鳥」として大ニュースにもなったため、やんばるの名を日本全国に広めるきっかけともなりました。

ちなみに現地では、慌てんぼうという意味の「アガチ」「アガチャー」や、山鳥の意味の「ヤマドゥイ」と呼ばれ、発見される前から親しみがあったようです。

 

ヤンバルクイナは沖縄の固有種!

ヤンバルクイナの「ヤンバル」とは漢字では「山原」と書きます。
これは沖縄本島の国頭村、大宜味村、東村などの北部のことです。
沖縄本島北部の山や森林が残っている地域のことを、沖縄の方言で「やんばる」といいます。


やんばるにはシイやカシなどの常緑樹が広がっています。
ヤンバルクイナは世界でも、このやんばるにのみ生息している固有種です。

ヤンバルクイナと最も近縁な種類と言われているのが、フィリピンやインドネシアなどの東南アジアに生息する「ムナオビクイナ」です。
※ただし、こちらはヤンバルクイナと違って飛ぶことができます。

ムナオビクイナ

これはその昔、東南アジアと沖縄が繋がっていたことを示しています。
大陸が分離する際、沖縄に残ったグループが独自の進化を遂げて、ヤンバルクイナになったんです。

ちなみにやんばるにはノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネ、ケナガネズミなどの固有種が数多く存在しています。
それぞれ、大陸から分離した沖縄で、独自の生態を築いていったんです。

 

ヤンバルクイナの特徴


ヤンバルクイナは全長35cmほど、体重は300~400gほどです。
また、翼を広げた翼開長は50cmほどと、体に比べて翼が小さいのが特徴です。
くちばしは太く、頭部よりも長いです。

全体的に黒っぽい緑色で、暗いオリーブ色とも言われます。
耳の辺りには白いラインが入り、胸からお腹、太もも辺りまでは白い縞模様が入ります。

目、くちばし、足は赤です。

 

ヤンバルクイナは飛べない!


ヤンバルクイナの翼は短く、丸っぽくなっています。
体重の割りに面積が小さく、さらに鳥類特有の分厚い大胸筋が発達していないためほとんど飛ぶことができません。
木の上から羽ばたかずに滑空する程度です。
普段は地上を歩き回っています。

鳥類は発達した大胸筋を支えるために「竜骨突起(りゅうこつとっき)」という船の底「竜骨」のような骨を持ちます。

水色の部分が竜骨突起

 

ヤンバルクイナは同じクイナ科の仲間に比べて竜骨突起が小さく、大胸筋が発達していないことを示しています。

ヤンバルクイナの骨格標本。矢印の部分が竜骨突起

では、ヤンバルクイナはなぜ飛ぶことをやめたのでしょうか?

 

ヤンバルクイナが飛べない理由

ヤンバルクイナが生息している沖縄のやんばるには、肉食動物が存在していませんでした。

また、ヤンバルクイナがエサとしているのは昆虫やミミズ、タニシなどの貝類、果実や種などです。
これらは飛ばなくても捕まえることができます。

・天敵がいない
・エサは歩いて捕まえる

ヤンバルクイナの祖先はこんな生活をしているうちに、大胸筋がどんどん小さくなっていきました。
そうなると竜骨突起も必要なくなります。
そして、飛ばなくてもいい体に進化したんです。

ニコ丸
飛べない鳥で最大なのが「ダチョウ」だよ!
卵も特大なんだ!
オオカミ先生
ちなみに同じく飛べない鳥「ヒクイドリ」は「世界で最も恐ろしい鳥類」としてギネスブックに登録されているんだよ!

 

ヤンバルクイナは飛べない代わりに歩き回る必要があります。
そのため、筋肉が発達して足は太く頑丈になっています。

ヤンバルクイナは沖縄という地域に適応するため、長い時間をかけて進化したんですね。

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ヤンバルクイナの生態

ヤンバルクイナは昼行性です。
昼間はエサを探して歩き回りますが、夜になると木の上で休みます。横に伸びた、太い枝を好むようです。
木に登るのは、ハブなどのヘビを避けるためだと言われています。
休む際は足1本で木にとまります。
群れは作らず単独、もしくはつがいで行動しています。

 

ヤンバルクイナの鳴き声

ヤンバルクイナは朝方や夕方に鳴き声を上げます。
つがいで鳴き声を交わすこともありますが、縄張りをアピールするために鳴くことがほとんどのようです。

ヤンバルクイナの鳴き声はかなり大きく、茂みの中にいても響きます。
「キョンッキョンッ」と特徴的な鳴き声です。1回聞けば覚えますよ。
もしやんばるに行って、この鳴き声が聞こえたらヤンバルクイナのことを想像してみてください。

 

ヤンバルクイナの食べ物

ヤンバルクイナの食べ物はトカゲ、カエル、ミミズ、昆虫、サワガニなどです。
果実や種子などの植物も食べます。

交通事故死したヤンバルクイナの胃の内容物を調べたところ、81%がタニシやカタツムリなどでした。
大型のカタツムリは硬いくちばしで殻を割って中身だけを食べ、タニシなどは丸飲みするようです。

また、種子などは消化されていなかったため、ヤンバルクイナが種をやんばる中に広げる役割を持っているみたいです。
森が豊かになるためにも、ヤンバルクイナは欠かせないんですね。

 

ヤンバルクイナの繁殖!赤ちゃんはやっぱりかわいい!


ヤンバルクイナの繁殖期は5~7月です。
この時期に、メスは土の上に枯葉を集めて巣を作ります。

1度に産む卵は4~5個です。
卵には白地に茶色の模様が入ります。
大きさは直径5㎝ほどです。

卵から孵ったヒナは真っ黒です。
ただし、大人顔負けの立派な足は生えているため、生まれてすぐに歩き出します。
母親はせっせとエサを集めてヒナに食べさせます。

 

ヤンバルクイナは絶滅しそう?

ヤンバルクイナは現在絶滅危惧種に指定されています。
国際自然保護連合が発行しているレッドリストでは「絶滅危惧種ⅠB類」に、日本の環境省のレッドリストでは「絶滅危惧種ⅠA類」です。
近い将来絶滅する恐れがあります。

では、ヤンバルクイナが減っている原因とは何なのでしょうか?

ヤンバルクイナは外来種によって絶滅しそう

絶滅しそうな1番の理由は、肉食動物による捕食です。
ヤンバルクイナは元々、天敵がいなかったから飛ばなくなったんです。
しかし、人間が持ち込んだ猫や犬が野生化し、ヤンバルクイナを襲うことがあるんです。

さらに、100年前にハブ退治のために移入された「マングース」も、ヤンバルクイナを獲物としている天敵です。
マングースは導入当初はたったの15頭でした。それが今では30,000頭まで増えていると言われています。

実はマングースはハブを襲うことはまれで、ほとんどがヤンバルクイナやケナガネズミなどの固有種を獲物としています。
ヤンバルクイナは天敵の存在を知らなかったため、逃げるのが苦手なんです。
そのため、より手軽に食べられるとして、マングースに狙われることとなりました。

逃げる必要がなかったために飛ぶ能力を捨てたことが、皮肉にもヤンバルクイナの弱点となってしまったんです。

環境省はマングースの捕獲や柵の設置などでヤンバルクイナを守っています。
人間が持ち込んだマングースを、今度は人間の手で退治することになったんです。
これはちょっと「何がしたかったんだろう、、、?」って思っちゃいますね。

 

ヤンバルクイナは交通事故の被害が多い

ヤンバルクイナの交通事故による死亡事故は、年々上昇しています。

ヤンバルクイナとの交通事故件数

観光客の増加や道路の開通によって、車がやんばるを通る機会が増えているんです。

また、繁殖期の5~6月は、ヤンバルクイナが活発に動き回る時期です。
この時期は観光客も増えるため、特に事故が増えます。

看板での注意喚起や道路にヤンバルクイナが通る道「クイナトンネル」を建設するなどで、保護対策を行っています。

道路下に作られたトンネル

同時に、道路脇には「クイナフェンス」という柵が設置され、ヤンバルクイナが道路を横断できないようにもされています。

 

開発による影響

ヤンバルクイナは沖縄のやんばるでのみ生きていけます。
清流に集まる小動物をエサとしているため、やんばるが無くなると、ヤンバルクイナのエサも無くなってしまうんです。

現在沖縄のやんばるも農地開発やダム建設によって減少しています。
生息地の開発は、ヤンバルクイナの減少に拍車をかけます。

 

ヤンバルクイナは1982年に国の天然記念物に指定されています。

 

クイナの森

 

沖縄県国頭村にある「安田くいなふれあい公園」ではクイナの森というコーナーがあり、保護されたヤンバルクイナを観察することができます。
野生では人前に滅多に姿を現さないヤンバルクイナも、この施設では目の前まで来てくれるようです。

なかなかお目にかかれないヤンバルクイナを間近で見ることができる唯一の施設です。

安田くいなふれあい公園、クイナの森のオフィシャルサイト

 

まとめ

ヤンバルクイナは世界中探しても、沖縄のやんばるにしか生息していません。
日本を代表する固有種ですね。

天敵がいない環境で生きてきたために飛び必要がなくなったんですね。
しかし、人間が持ち込んだ外来種には飛べない体は不利なようです。
ハブを襲わずに固有種ばかり減らしてしまうマングースが、沖縄にいる意味は無くなっていますね。

マングースは人間に勝手に連れてこられただけなんですが駆除されているんですね。
かなり迷惑な話ですね。

開発や交通事故もヤンバルクイナを減らしている原因です。
これ以上減ってしまうと本当に絶滅してしまいます。
沖縄旅行で、やんばるを車で走るときは、細心の注意を払いましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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