飛べない鳥

 

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 更新日:2022年6月29日

ジャイアントモア絶滅の原因は焼け石!?目撃情報や生存の可能性は?

オオカミ先生
ジャイアントモアはニュージーランドにかつて生息していた巨大な鳥だよ!
なんと高さが3m以上もあったんだ!
ニコ丸
え?3mってダチョウより大きいじゃん!
地球最大の鳥がダチョウだから、もしかして、、、
オオカミ先生
そう!
ジャイアントモアはすでに絶滅してしまったんだ!
ニコ丸
そんな巨大な鳥、見てみたかったな~!

 

ジャイアントモアはダチョウのように陸で暮らしていた飛べない鳥で、背の高さは3.6mもありました。
地球の歴史を振り返ってみても、これほど巨大な鳥の存在はジャイアントモア以外で確認されていません。
間違いなく地球最大の鳥でした。

しかし、現在彼らの姿を目にすることはできません、、、
ジャイアントモアは今から約600年前に完全に絶滅してしまいました。

ジャイアントモアはどうして絶滅しなくてはいけなかったのでしょう。
そして生存の可能性はないのでしょうか?

幻の巨大鳥『ジャイアントモア』に迫ってみましょう。

 

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ジャイアントモアは史上最大の鳥!?大きさや重さはどれくらい?

by Wikimedia

現在、地球上で最大の鳥類はアフリカに生息しているダチョウです。
ダチョウは背の高さが2m以上、体重は130㎏を超えます。
彼らは飛ぶことをやめた地上生の鳥で、代わりに走ることに特化しています。

 

同じように地上生の飛べない鳥の中で、過去にはダチョウをはるかに超える大きさの鳥が存在していました。
それが『ジャイアントモア』です。別名『恐鳥(きょうちょう)』と呼ばれます。

ジャイアントモアはかつてニュージーランドに生息していた鳥類で、背の高さが3.6m、体重は250㎏と、ダチョウをはるかに超える体格を持っていました。
これは地球の長い歴史の中でも最大の鳥類です。
信じられないことですが、こんな怪物鳥がニュージーランドという小さな島国を歩いていたんです。

オスとメスの大きさには明確な違いがあったようで、メスの方が大きかったことが分かっています。
背の高さは1.5倍、体重は2.8倍もの差があったとのこと。
それでもオスは2m以上、100㎏近い大きさはあったことになります。

オオカミ先生
実はジャイアントモアは『モア』というグループにくくられていて、他にも種類が存在していたんだって!
その中で最大なのが今回紹介する『サウスアイランド・ジャイアントモア』だよ!
ニコ丸
モアの仲間はメスとオスの大きさが違いすぎて、違う種類と思われていたくらいなんだ!
今ではDNAの研究が進んで9~10種類ほどに絞られたんだよ!

 

基本的に天敵のいない環境で生きている動物は巨大化すると言われています。
ジャイアントモアが生息していたニュージーランドには、哺乳類はコウモリしか存在していませんでした。
大型哺乳類がいない、つまり天敵の全くいない鳥の楽園なんです。

陸上に捕食者がいないということは飛ぶ必要がなく、彼らは翼を退化させました。
現在の飛べない鳥であるダチョウやヒクイドリには骨格に翼の形跡がありますが、ジャイアントモアには形跡すらありません。
完全陸上生活を選んだんですね。

この楽園でジャイアントモアどんどん巨大化し、3mという巨体を手に入れます。
ニュージーランドの食物連鎖の頂点に君臨していたんです。

 

ジャイアントモアの絶滅の経緯!焼け石を飲み込んで死んじゃった!?

ジャイアントモアをはじめとするモアの仲間は現在、完全に絶滅しています。
9~10種類はいたであろう彼らは、1羽残らず姿を消してしまったんです。

一体なぜ、彼らは絶滅しなければいけなかったのでしょう?

実は、かつてニュージーランドに人間はいませんでした。
諸説ありますが、西暦1000年か1280年頃にポリネシア(ハワイなどニュージーランド周辺の島国)をルーツとするマオリ人が新天地を求めてニュージーランドにやってきます。

これがきっかけでジャイアントモアの運命は大きく変わってしまいます。

ニュージーランドの哺乳類は空を飛べるコウモリしか存在しておらず、マオリ人たちはウシやヤギなどの家畜を手に入れることができなかったんです。
そこで目を付けたのが巨大な体を持つジャイアントモアをはじめとするモアの仲間たちでした。

地面を歩くだけのモアたちはマオリ人たちにとって格好の餌食となりました。

 

みるみる狩りつくされたモアたちは、西暦1500年よりも前には絶滅してしまいました。マオリ人がニュージーランドに足を踏み入れてからわずか数百年、場合によっては数十年で完全に姿を消してしまったんです。
これは他に類を見ないスピードです。

天敵がいない環境で生きてきたジャイアントモアは1回の産卵で2~4個しか卵を産まなかったと考えられています。
繁殖力が弱かったんです。
今まではこのスピードで種を存続できたのでしょうが、急に現れた圧倒的強大な天敵を前に繁殖が追い付かず、絶滅に拍車がかかりました。

さらに狩りの方法もジャイアントモア絶滅のスピードを早めてしまいます。
なんとモアに焼け石を飲ませるというとんでもなく恐ろしい方法です。

モアには石を飲み込む習性がありました。
鳥類は砂嚢(さのう)という食べたものをすりつぶす役割を持つ器官を持ちます。砂嚢に石や砂などをあらかじめ飲み込んで入れておき、それらで食べ物をすりつぶすことで、消化の助けとするものも鳥類の中には存在します。
モアが小石を飲み込んでいたのもそれが理由です。

マオリ人たちはモアのその習性に目をつけます。
あらかじめ焼いておいた石を飲ませ、体内から焼け死ぬよう仕向けたんです。
モアにはもがき苦しむ道しか残されていませんでした。

そして極めつけが生息地の破壊です。

ジャイアントモアは草原ではなく森林で暮らしていたと考えられています。
巨大な体は木の枝や実ををついばむための進化なのでしょう。

マオリ人たちがニュージーランドにやって来た際、まず最初にすることは住居を作ることです。
そのためには森を切り開かなくてはなりません。
モアという超安定した食料を手に入れたマオリ人たちはどんどん数を増やしたはずです。すると森林伐採も加速します。

繁殖力の弱さ、焼け石を飲ますという効率的な狩り、森林の開発、、、
これらの要素が合わさって、ジャイアントモアをはじめとするモアの仲間たちは短期間のうちに絶滅してしまいました。

オオカミ先生
マオリ人の増加はモアたちにマイナスのことしかなかったんだね、、、
人間の増加に反比例して、モアたちはみるみる減っていったんだ!
ニコ丸
これだけ早く絶滅しちゃったって、ステラーカイギュウみたいだね、、、
あとはドードーも境遇が似ているかな、、、

 

【オオカミ先生】
『他には南米にいた『メガテリウム』も同じように狩りつくされたんだって!』

 

 

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ジャイアントモアの生態や性格!食べ物は何?

ジャイアントモアはどのような暮らしをおくっていたのでしょうか?
残念ながら絶滅してしまっている彼らの詳しい生態を知る方法はありません。
しかし、見つかっている化石から憶測することはできます。

例えば食べ物です。
ジャイアントモアのくちばしは先端が下に曲がっています。これは植物を噛み切るのに適していたと考えられています。
また、3m以上もある巨体は高い木の上の葉や実を食べるための進化でもあります。

ニコ丸
ジャイアントモアはダチョウのように草原で生活していたんじゃなくて、森の中で暮らしていたんだね!

 

また、歩くスピードも足跡の化石により推測できます。
ジャイアントモアの歩行速度は時速4㎞ほどだったことが分かっています。

そして卵についても、化石により分かっていることがあります。
現在、地球上で最も巨大な卵を産むのはダチョウです。その大きさなんと1.5㎏~2㎏、、、ニワトリの卵の2.5倍以上もあります。
しかしジャイアントモアの卵は4㎏もあったそうです。

ニコ丸
4㎏!!!
ダチョウの卵の2倍以上になるんだ、、、

 

先ほど説明した通り、一度の産卵で2~4個の卵を産みます。
産卵数は多くなかったようです、、、

 

巨大なジャイアントモアに天敵がいた!?ハーストイーグルとは?

by Wikimedia

ニュージーランドという鳥の楽園で暮らしていたジャイアントモアですが、本当に天敵はいなかったのでしょうか?

確かに陸上にはジャイアントモアを捕食できるような生き物はいません。しかし、空にはこの巨大な怪物鳥を襲っていたかもしれない生き物が存在していました。
それがハーストイーグル(別名:ハルパゴルニスワシ)です。

ハーストイーグルは翼を広げると3mにもなる超大型の猛禽類です。
現在これほど巨大なワシは存在していないため、史上最大の猛禽類でした。

ニコ丸
でした、、、ってことは?
オオカミ先生
そう、、、
ハーストイーグルもすでに絶滅してしまったんだ!

 

ハーストイーグルはモアの仲間たちが絶滅したのと時を同じくして、地球上から姿を消してしまいました。
おそらく西暦1500年頃には完全に絶滅したと考えられています。

これはつまり、ハーストイーグルがモアを捕食していた可能性を高めていますよね。
これほど巨大な猛禽類の体を維持するためにはそれ相応のエサが必要です。
エサがなくなれば生きていけないというのは当たり前のことですよね。

ハーストイーグルはモアを主食としていたのでしょう。
だから、モアがいなくなったのと同じ時期に彼らも絶滅してしまったんです。

ただ、いくらハーストイーグルが巨大でもジャイアントモアを捕食できるかどうかは分かりません。

もしかしたら巨大な爪でジャイアントモアに致命傷を与え、失血死した後にゆっくり食べていたのかもしれません。
陸上には他にエサを横取りする生き物がいないため、そのような借りも成功しそうですよね。

ただ、それでもジャイアントモアを積極的に襲っていたというのは考えにくいものがあります。
例えばサバンナの肉食猛獣たちが自分より巨大なゾウやカバ、サイなどを襲うことはとっても珍しいことですよね。襲う方も危険ですから、、、
極限まで追い込まれなければ襲うことはないでしょう。
それと同じように、ハーストイーグルがジャイアントモアを襲うことはあまりなかったのではないでしょうか。

ただ、ジャイアントモア以外のモアの仲間なら、積極的に襲っていたはずです。実際にハーストイーグルの化石の近くでモアの化石が見つかることもあるようです。
さらにモアの化石には首のあたりに傷があるものもあったようで、これが上空からの攻撃を受けた証拠にもなります。
ハーストイーグルが沼地などにモアを追い込み、上空からの攻撃したうえで捕食していたと考えられますよね。

 

ジャイアントモアは生きている!?目撃情報があった!

残念ながら絶滅してしまったとされているジャイアントモアですが、生き残っている可能性はゼロなのでしょうか。

そもそもジャイアントモアの存在が世の中に知れ渡ったのは、17世紀の大航海時代のことです。
ヨーロッパ人がニュージーランドに上陸した際、現地住人であるマオリ人たちから、巨大な鳥の言い伝えを聞いたそうです。
しかし、どんなに探してもその巨鳥は見つかりませんでした。

オオカミ先生
このときジャイアントモアの骨は見つかったんだって!
それを復元したことで、世界中に伝説の巨鳥の存在が知れ渡ったんだ!

 

つまり、ジャイアントモアは今から400年ほど前にはすでに伝説のみの存在となっていたんです。
今でも生きているというのは現実的じゃないですよね、、、

しかし、中には目撃証言もあります。

例えばアリス・マッケンジーの証言です。1959年のラジオにて彼女の体験がインタビューされました。

アリス・マッケンジーはニュージーランド南部生まれで、海岸に近い地域で育ちました。
彼女がまだ7歳のとき、海岸を歩いていると見たこともない大きな鳥が横たわっていました。
青みがかった美しい鳥で、日光浴をしているようでした。

いたずら心なのでしょう。彼女はツタでその鳥の足を縛ってしまいます。
するとその鳥は立ち上がりました。
アリスの身長よりも明らかに大きなその鳥は、うなり声を上げながら彼女を追いかけてきました。

無我夢中で家に帰ったアリスは父親にこのことを伝えます。
父親が彼女が鳥を見た場所まで行くと、30cmを超える足跡が残っていました。

こんなに大きな足跡を残す鳥はニュージーランドには存在していません。
モア以外には、、、

ちなみにこのことを公表したのはアリスがモアらしき鳥と遭遇してから70年以上も経った後でした。
当時は同じくニュージーランドで絶滅したと考えられていた『タカヘ』という鳥だと思っていたそうです。
タカヘはその後絶滅していないことが判明しますが、その姿を見たアリスは明らかにあの時の巨鳥と違うことに気づきました。タカヘは小さ過ぎたんです。
そしてこの証言を公表することに決めたわけです。

オオカミ先生
アリスはニュージーランドに渡ったヨーロッパ人で、初めてモアのことを証言した人間なんだ!
しかもモアが青いという貴重な言葉まで残したんだよ!
ニコ丸
確かに化石だけじゃ羽の色まではわからないもんね!

 

ただ、このときアリスが出会ったモアはジャイアントモアではなく、小型のブッシュモアではないかと言われています。
マオリ人が入らなかった南部の森林にはモアが残っている可能性があるということですね。

他にも1993年にパディ・フリーニーとその友人たちがニュージーランドでキャンプをしている時に、モアらしき生き物と遭遇しています。
しかもパディはその姿を写真におさめています。

残念ながら興奮しすぎた彼はピントがブレブレな状態でシャッターを押してしまいました。
なのでこの写真はモアの姿がボヤーットしか写っていません、、、

ニコ丸
えーーー!!!
頼むよ〜!歴史が変わったかもしれないのに、、、
オオカミ先生
しかもこの写真をニセモノの写真だとする意見あるんだって!
残念だね〜、、、

 

まとめ

ジャイアントモアは地球の歴史上、最大の鳥類です。
ダチョウを超える巨体は、まさに怪鳥ですね。

こんな生き物がわずか数百年前までは生きていたんです。
絶滅させてしまったことは本当に残念ですね、、、

ただ、当時のマオリ人たちも生きるのに必死だったはずです。
肉食動物が獲物を捕らえるのは普通のことですよね。ジャイアントモアたちが狩りの対象になったのも、自然の摂理のひとつなのではないでしょうか?

人間のせいで絶滅してしまった生き物はたくさんいます。
ただ、中には生きるための狩りも行われていたんです。
もちろん必要のない残虐な行動は止めなくてはいけません。

大切なのは、これからいかに絶滅動物を増やさないかということではないでしょうか。
わたし達にもなにかできることがあるはずです。小さなことからでも始めてみませんか?

ニコ丸
最後まで読んでくれてありがとう!
またね〜!

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