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 更新日:2019年5月12日

キングチーターとは?チーターとの違いは?見れる動物園も!

皆さんは「キングチーター」って知っていますか?
チーターならほとんどの人が知っていると思いますが、キングチーターは聞き慣れない名前ですよね。

キングチーターは普通とは体の模様が違う、突然変異で生まれたチーターです。
チーターの体の模様は通常、水玉模様ですが、キングチーターはこの水玉模様が繋がって帯状になります。

キングチーターはとても珍しく、野生と飼育個体を合わせても、数十頭しかいないとも言われています。

キングチーターが生まれる条件とは?
また、日本でキングチーターを見れる動物園はあるのでしょうか?

チーターの生態も合わせて、紹介します。

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キングチーターの特徴

チーターの体の模様と言えば、黒い斑点ですよね。
通常、チーターの模様は黒い斑点の1つ1つがきれいな丸です。
黒い水玉模様ですね。

普通のチーター

しかし、キングチーターは斑点の所々が繋がり、水玉の形が崩れてしまっています。

キングチーターは斑点が繋がっている

ペンキをかけたみたいな模様ですね。
しっぽは真っ黒に見えます。

 

特に、背中の斑点はほぼ全てが繋がっていて、ラインが入っているように見えます。
後ろ姿だけ見れば、違う種類の動物に見えちゃいますよね。

 

キングチーターと普通のチーターは発見当初は別の種類と考えられていました。
しかし遺伝子の研究により同じ種類だということが判明しています。
キングチーターはチーターの変異個体なんです。

 

同じくアフリカのサバンナに生息しているサーバルと少し似た体色ですよね。

 

キングチーターが生まれる理由

キングチータが最初に誕生したのは突然変異だと考えられています。
理由は定かではありません。

そして子どもに遺伝することで、少しずつ数が増えていったんです。

遺伝子には優勢遺伝子と劣性遺伝子が存在しています。
優勢遺伝子は子どもに遺伝しやすく、劣性遺伝子は遺伝しにくいということですね。

キングチーターの模様は「劣性遺伝子」です。
劣性遺伝子は両親共に持っていないと子どもに遺伝しません。
キングチーターの劣性遺伝子を両親共に持っていた時、子どもがキングチーターとして生まれる可能性が出てくるんです。

よく「AA」「Aa」「aa」という表記がされます。理科の授業でもソラマメを例にして習いましたよね。
「A」が優勢「a」が劣性です。
「AA」同士なら優性遺伝子のみが遺伝します。

キングチーターの両親が通常の水玉模様なら「Aa」同士ということになります。
そのため、数匹の兄弟の中で1~2頭がキングチーターとして生まれる可能性があります。

イエネコでも「タビー」というカラーの変異個体が生まれることがあります。
タビーはキングチーターの遺伝子と同じ変異の仕方であることが分かっています。

アメリカンショートヘアのタビー模様

ちなみに、ヒョウの中からクロヒョウが生まれるのも劣性遺伝子によるものです。
「黒変種(コクヘンシュ)」と呼ばれる現象で、キングチーター並みに珍しいと言われています。

 

キングチーターの生息地

キングチーターの野生個体は、南アフリカのジンバブエで確認されています。

ただし世界中でも数頭しか確認されていません。
とても希少なチーターなんです。

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キングチーターがいる動物園

とても珍しいキングチーターですが、日本の動物園でも誕生しているんです。
現在キングチーターが飼育されている動物園は4ヶ所あります。

・多摩動物公園(東京都日野市)
『イブキ(♂)』

・サファリリゾート姫路セントラルパーク(兵庫県姫路市)
『ラム(♀)』
・秋吉台自然動物公園(山口県美祢市)
『ファング(♂)』
・アドベンチャーワールド(和歌山県西牟婁郡)
『ナデシコ(♀)・アネモネ(♀)』

 

多摩動物公園のキングチーター

多摩動物公園では2011年、2012年、2013年と立て続けにキングチーターが誕生しています。
2013年には5頭産まれた赤ちゃんの内、2頭もキングチーターでした。
総勢4頭のキングチーターが生まれたという、世界的にもとってもすごい動物園です。

・ナデシコ(♀)・・・2011年4月誕生
・イブキ(♂)・・・2012年10月誕生
・アネモネ(♀)・・・2013年1月誕生
・ファング(♂)・・・2013年1月誕生

キングチーターのイブキ(♂)

現在も繁殖が進められていますし、ブリーディングローン(繁殖のためにチーターの貸し借りを行うこと)で他の動物園にお引越しすることもあります。

そもそもチーターの繁殖はとても難しいんです。
国内の動物園同士がブリーディングローンで、繁殖を成功させようと努力してきました。

どのチーターがキングチーターの遺伝子を持っているかどうかは分からないうえに、繁殖に成功するかどうかも分かりません。
これほどのキングチーターが誕生していることは奇跡と言えます。

多摩動物公園は都心から近く、安定してキングチーターが見られます。
珍しいキングチーターをぜひ見に行きましょう。

※2019年5月追記
多摩動物公園のナデシコ、アネモネはアドベンチャーワールドへ、ファングは秋吉台自然動物公園にお引越ししています。
現在はオスのイブキのみが残っています。

また、ナデシコ、ファング、アネモネの母親であるスミレはアドベンチャーワールドへお引越ししたのち2019年3月に亡くなったそうです。14歳でした。
これほどのキングチーターが国内で見られるのも、偉大な母親スミレのおかげです。感謝しかありませんね。

 

姫路セントラルパークのキングチーター

姫路セントラルパークは2018年3月19日に双子のチーターが誕生しています。
オスとメスの双子で、メスはキングチーターでした。

左のラムがキングチーター

同年4月27日から一般公開され、名前が募集されました。

その結果、6月15日に名前が決定!
キングチーターは「ラム」、普通のチーターは「ルーク」というかわいらしい名前が付けられました。

ラムがすくすく成長してくれれば、今後他の動物園に移動し、キングチーターを産んでくれる可能性もあります。
元気に育ってほしいですね。

2019年現在のラム

 

国内のキングチーターは全部で5頭です。
世界的にも十数頭しか確認されていないため、気軽に見に行けるのは本当に奇跡です。

もしかしたら今後も増えてくれるかもしれません。
期待に胸が膨らみますね。

 

チーターの生態!地上最速の動物!?

では、改めてチーターの生態や特徴をおさらいしておきましょう。

チーターは食肉目・ネコ科・チーター属の哺乳類です。
チーター属はチーターのみです。

アフリカ大陸やイランなどのサバンナ地帯に生息しています。
まれに木に登ることもあるようです。

体長は110~150㎝で、体重は35~72㎏と、かなりスマートな体型をしています。

ご存知の通り、走って獲物を捕らえるというシンプルな狩りを行います。
最高時速は120㎞!地上最速の動物と言われています。

チーターは速く走るために爪をしまう能力を捨てています。
長いしっぽは高速で走っても体のバランスを崩さないために役立っていて、急な方向転換も可能にしています。
地面をスパイクのようにしっかり掴める爪、長いしっぽのおかげで、動物の限界を超えるハイスピードが実現しているんです。

チーターの平均的な寿命は12~14年です。

ちなみに、ネコ科で爪をしまえないのはチーターとスナドリネコのみです。
チーターの場合は進化ですが、スナドリネコの場合、詳しいことは分かっていないんです。

 

動物界No.2のスピードを持つのはタテガミオオカミ。
こちらは持久力にも優れている南米最速のイヌ科動物です。

また、オーストラリアのカンガルーも時速70㎞となかなかの速さを持っています。

 

チーターは絶滅危惧種!?

チーターは現在絶滅危惧種に指定されています。
レッドデータブックのカテゴリーは「絶滅危惧種ⅠB類」です。
近い将来絶滅する恐れがあるんです。

一番の理由は、生息地の開発による獲物の減少です。
チーターは活動範囲が広く、保護区の外に出てしまうことも多いようです。
走って狩りを行うためには、とても広い面積の土地が必要なんです。

獲物とする草食動物は、保護区の外では人間が食料とするために狩りをしていることが多く、チーターまで行き渡りません。
キングチーターの生息地であるジンバブエでは16年間で1200頭のチーターがわずか170頭まで減少しています。

開発の影響はすさまじく、イラン以外のアジア諸国、モロッコのチーターはすでに絶滅してしまっています。

毛皮や商業目的での密猟も多く、子どものチーターは最大で1頭1万ドル(約115万円)で取引されたこともあるようです。
ペットとする富裕層が増えているんですね。
移動中に死亡してしまうことも多く、その度に密猟が行われます。

ワシントン条約にも登録されていますが、生息地の保護の強化、密猟の規制など、さらなる保護が必要だとされています。

動物園で飼育されていること、動物番組に登場する機会が多いことからあまり気にしていませんでしたが、野生のチーターは深刻なまでに数を減らしていたんです。

 

野生の大型ネコ科動物は深刻的なまでに数を減らしています。
特にトラは毛皮目的の乱獲、生息地の開発のダブルでダメージを受けています。
世界で最も絶滅に近い哺乳類の1つです。

 

まとめ

キングチーターは普通のチーターと違って水玉模様が繋がっている、とても珍しいチーターです。
変異個体なため、生まれること自体が奇跡とも言えるほど希少な動物です。

そんなキングチーターを日本で見られるなんて、これまた奇跡としか言いようがないですね。
ありがたい気持ちで見てみたいと思います。

野生のチーターは絶滅が心配されています。
なんとかこの「地上最速の美しい生き物」が、生き延びてくれることを願います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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コメント

    • たぬき
    • 2018年 9月 29日

    キングチーターは秋吉台自然動物公園 サファリランドにファングがいると思います。

    多摩動物公園の子供時代に会いに行きました。

      • GF
      • 2018年 10月 13日

      たぬきさん
      コメントありがとうございます。
      山口県の秋吉台自然動物公園にもキングチーターがいるようですね!
      確認できました。
      追記しますね。ありがとうございます。

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