マヌルネコって知ってますか?
マヌルネコはネコ科の動物で、チベットやモンゴルの高山地帯に暮らしています。
モフモフでぽっちゃりな体がかわいくて、ネコ好きの間でもファンが急上昇中です。
マヌルネコは開発や密猟などによって数を減らしているため、ペットとして飼うことはできません。
では、かわいいマヌルネコは生で見ることができないんでしょうか?
安心してください。
日本にも、マヌルネコを飼育している動物園があるんです。
もしかしたら、お近くの動物園にマヌルネコがいるかもしれません。
今日は、ぽっちゃりモフモフで人気沸騰中「マヌルネコ」を紹介します。
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マヌルネコを飼育している動物園
個人的にマヌルネコを飼うことはできませんが、繁殖に力を入れているロシアから世界各国の動物園に贈られることがあります。
日本で現在マヌルネコを見ることができる動物園は5ヶ所です。
・神戸市立王子動物園(兵庫県神戸市)
・東山動植物園(愛知県名古屋市)
・上野動物園(東京都台東区)
・那須どうぶつ王国(栃木県那須郡)
・埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東松山市)
神戸市立王子動物園のマヌルネコ
王子動物園にはオスのペッキーとメスのイーリスが飼育されています。
イーリスはこども動物自然公園で生まれたマヌルネコで、2018年2月に王子動物園にお引越ししてきました。
東山動植物園のマヌルネコ
メスのハニーとオスのレフが飼育されています。
レフは2018年2月にこども動物自然公園からお引越ししてきました。
上野動物園のマヌルネコ
上野動物園にはオスのナイマ、メスのユス、オスのドローの3匹が暮らしています。
那須どうぶつ王国のマヌルネコ
メスのポリーとオスのボルが飼育されています。
ポリーは2016年にスウェーデンで繁殖されたマヌルネコです。
はるか遠くからお引越ししてきました。
埼玉県こども動物自然公園のマヌルネコ
グルーシャ、ロータス、オリーヴァ、プリームラという4頭の子どものマヌルネコが飼育されています。
生まれた5頭のうち、イーリスは王子動物園にお引越ししています。
現在4頭のマヌルネコを飼育し、国内で唯一繁殖に成功しているのがこども動物自然公園です。
母親のシャルは2017年7月に亡くなってしまいましたが、彼女が残してくれた子どものマヌルネコたちは、現在も元気に暮らしています。
父親のレフは東山動物園にお引越ししました。
マヌルネコグッズが買える動物園は?
上野動物園では扇子やポスターと言ったマヌルネコグッズが販売されています。
マヌルネコファンなら必見です。
マヌルネコってどんなネコ?
マヌルネコは食肉目ネコ科の哺乳類です。
属はOtocolobus属で、「耳が短い」という意味があります。
この属にはマヌルネコのみが属します。
実は東南アジアに生息している「ベンガルヤマネコ」と遺伝子的に近いものがあり、同じ子孫から分離したものとみられています。
ベンガルヤマネコは南に、マヌルネコは北の寒い地方に移動して、それぞれ独自の生態になっていったんですね。
ちなみにマヌルネコの「マヌル(manul)」とはモンゴル語で「小さい野生のネコ」という意味があります。
別名「モウコヤマネコ」とも呼ばれます。
マヌルネコの生息地
マヌルネコはモンゴル、チベット、ロシア南部、カザフスタンなど、ユーラシア大陸の高山地帯で暮らしています。
夜行性で、昼間は岩の隙間やマーモットなどが掘った穴で休んでいます。たまーに昼間も活動するみたいです。
群れではなく単独で行動します。
マヌルネコの大きさ
マヌルネコは体長50~65cmほどの大きさで、しっぽの長さは50~30cmほどです。
だいたい家ネコと同じくらいの大きさですね。
体重は5~6㎏ほどです。
家ネコの体重が4㎏ほどなのでマヌルネコは体の大きさのわりに体重が重いですね。
ポッチャリ体型です。
ただ、これは冬の体重です。
夏場はこの体重の半分近くまで体重が落ちます。
逆に、夏場の体重の方が、マヌルネコ本来の大きさだと言われています。
マヌルネコが暮らしている高山地帯は、冬になると獲物がほとんどいない過酷な環境になります。
冬場は最低限の獲物で生活しなくてはいけないんです。
そのため、冬になる前に大量の獲物を食べることで脂肪を蓄えます。
厳しい冬場を乗り切るためには、ブヨブヨな脂肪が必要不可欠なんです。
夏場にはその脂肪が落ちきってスリムな体型になるというわけです。
マヌルネコの特徴
マヌルネコは夏と冬で毛が生え変わる、換毛を行います。
冬タイプのマヌルネコにはフワフワな体毛がびっしり生えています。
密集した毛のおかげで雪の上に腹ばいになっても平気です。
体温保持の役割があるんです。
もちろん脂肪もありますが、モフモフな毛によってさらにポッチャリに見えますね。
冬毛は灰色っぽい色で、雪の中では雪や岩に見えるため、身を隠すのには最適です。
タカなどの天敵から身を隠すときは全く動かなくなり、岩そのものになります。すごいときは雪が顔に降り積もっても動かないことがあるんです。
また、獲物にも気付かにくく、狩りにもピッタリな体色ですね。
夏毛は少し暗い色になります。
びっしり生えていた毛は抜け落ちて、同じ種類とは思えないようなスリムなネコちゃんに変わります。
顔の特徴は、耳が横向きに生えていて、目が額の上の方についていることです。
マヌルネコが暮らしている山岳地帯は、平らな地形で見晴らしが良く、身を隠すような大きな岩や木々も生えていません。
そのため、小さな岩でも上手に利用して身を隠さないと、獲物に見つかってしまい、食べ物にありつけなくなります。
耳が横向きにつくことで、岩から耳が出ることはありません。
また、目が顔の上の方についているため、最低限顔を出すことで、獲物の位置を確認することができます。
過酷な環境でも適応するために、進化してきたんですね。
ちなみに家ネコの耳はピンと立っているものがほとんどで、目は顔の中心寄りについています。
マヌルネコの食性
マヌルネコは肉食性で、主にナキウサギやアレチネズミ、ハタネズミといったげっ歯類を食べています。
また、小型の鳥を食べることもあります。
狩りは徐々に迫っていくスタイルで行います。
げっ歯類は穴で暮らしていて、かなり用心深く、エサを食べるときでも最低限しか表に出てきません。
ギリギリまでゆっくり近づき、仕留めます。
マヌルネコは催眠術が使える!?
さらに、マヌルネコはしっぽで獲物に催眠術をかけることも分かっています。
マヌルネコはネズミを狙うときに、しっぽを振ります。
こうすることでネズミが動かなくなるんです。
ネズミは見慣れないものが見えると、安全かどうかを確かめるため、それをじーっと見る習性があります。
マヌルネコのしっぽが何なのかを確認するためにピタッと止まってしまうんです。
ネズミの習性まで利用するなんて、マヌルネコは賢いネコなんですね。
マヌルネコの性格
マヌルネコは野生のネコです。
人間にはなつかず、狂暴な性格をしています。
人間が近づくと、歯をむき出しにして威嚇してきます。
それもそのはずですね。
マヌルネコが暮らしている山岳地帯はいつ、誰に襲われてもおかしくない環境です。
そんな環境で生活するためには、身を守るために狂暴になるしかありませんよね。
信じられるのは己のみなのでしょう!
許してあげてください。
マヌルネコの赤ちゃん
マヌルネコは4~5月に繁殖期を迎え、1回に2~4頭の赤ちゃんを産みます。
赤ちゃんは基本的に岩の隙間から出てこず、子育てはお母さんが行います。
巣の回りで兄弟同士で狩りの練習を行い、巣立ちに備えます。
マヌルネコはペットにできない!?
マヌルネコは毛皮目的での乱獲、生息地の開発によって数を減らしています。
また、現地住民が家畜のエサを増やすため、ネズミやウサギなどを駆除することもあります。そうなるとマヌルネコの獲物が減ってしまうため、数を減らす原因にもなっています。
現在、準絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約にも認定されているため、法によって守られています。
そのため、マヌルネコをペットとして飼うことはできません。
もしマヌルネコを生で見たいのなら、最初に紹介した動物園に足を運んでみてください。
まとめ
マヌルネコを紹介してきました。
ずんぐりむっくりな体型は、ネコ好きの心をくすぐりますね。
人間にはなかなかなつきませんが、所々で見せてくれる表情は本当に癒されますね。
皆さんのお家の近くにマヌルネコが飼育されている動物園があれば、ぜひ見に行ってください。
きっとあなたもマヌルネコファンになるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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