敵にすぐ見つかりそうだけど、、、
あのジャンプを見るとなぜか肉食動物は襲わなくなるんだ!
スプリングボックはシカみたいな見た目をしていますが、ウシの仲間です。
彼らの代名詞といえばジャンプ!
本当にジャンプが大好きなスプリングボックは、ことあるごとにピョンピョン跳び跳ねます。
うれしいとき、遊ぶとき、時には敵を見つけたときまでジャンプします。
しかもジャンプを見ると天敵は襲ってこなくなるんです。
スプリングボックのジャンプの秘密とは!?
アフリカのキング・オブ・ホッピング!
「スプリングボック」に迫ります。
好きなところにジャンプできます
スプリングボックってどんな動物?
スプリングボックは偶蹄目・ウシ科・スプリングボック属の哺乳類です。
スプリングボック属は1種類のみで、一属一種と呼ばれるタイプです。
中指と薬指が変化したんだ!
つまり奇数ってことだね!
スプリングボックは見た目はシカみたいですが、ウシに近い遺伝子を持っています。
他にもガゼルやインパラなど、アフリカ大陸にはシカっぽいのにウシに近い動物がたくさんいます。
天敵から逃げるためには、シカのように細身で素早く動ける方が都合が良かったのでしょう。
スプリングボックの特徴!ガゼルやインパラとの違いは?
スプリングボックの平均的な大きさは体長140cm、体重40kgほどです。
肩から地面までの高さ(肩高)は80cmほどです。
オスにもメスにも内側に曲がっている角が生えていますが、オスの方が若干大きな角を持ちます。
スプリングボックの学名は「Antidorcas marsupialis」です。
これには「ガゼルではない」という意味があります。
ガゼルはアフリカ大陸に幅広く分布している、同じくウシ科の草食動物です。
代表は「トムソンガゼル」で、スプリングボックによく似ています。
スプリングボックの学名を決めた人も、ガゼルと似ていることを気にしていたんですね。
スプリングボックとトムソンガゼルの大きな違いは大きさです。
トムソンガゼルは体長100cmほどと、スプリングボックよりもだいぶ小柄です。
そして、スプリングボックの顔が白い毛で被われている一方、トムソンガゼルは目の下に黒い模様が入ります。
トムソンガゼル
また、同じくアフリカ大陸を代表するウシ科の草食動物「インパラ」も、スプリングボックとよく比べられます。
ただ、インパラは体に模様が全くないため、簡単に見分けられます。
これも大きな違いだね!
インパラ
スプリングボックの生息地はどこ?
スプリングボックはアフリカ大陸の南部に分布しています。
国で言えば南アフリカ共和国、ナミビア、ボツワナ、そしてアンゴラ共和国の最南部です。
サバンナや砂漠地帯といった、見晴らしのよい地形を生息地としています。
いち早く外敵を見つけるためには、開けた場所で生活する方がいいんだよ!
スプリングボックの生態!得意技はジャンプ!?
スプリングボックは普段、メスとその子どもを中心とした100頭前後の群れで生活しています。
繁殖期にはこれにオスが加わります。
この時期、オス同士は角で激しいバトルを繰り広げ、勝ったものがメスとのハーレムを作れるんです。
オスは勝負に勝つと、2m以上にもなる垂直飛びで勝利をアピールします。
「ストッティング」と呼ばれる行動です。
ジャンプ力は強いオスの象徴なんですね。
このジャンプ、実はオスの勝利アピールだけの行動じゃないんです。
子ども同士は普段から遊びでジャンプを繰り返しますし、大人ですら普段から頻繁に跳び跳ねています。
通気性をよくして、体温調節しているんだ!
興奮している証拠でもあるんだって!
1頭がジャンプを始めると、群れ全体がジャンプしだすほど、スプリングボックはジャンプが大好きなんです。
そして、不思議なのが天敵を発見したときです。
近くに肉食動物が現れると、一斉にジャンプを開始します。
目線を高くすることで、草むらに隠れているヒョウなどを発見しやすくなるのは分かりますよね。
どこにいるかが分かることで、逃げる方向も決められます。
しかしスプリングボックは、天敵が近くに来ても垂直跳びを続けることがあるんです。
敵を見つけたらすぐに逃げればいいのに、、、
なぜか天敵はスプリングボックがジャンプすると、襲うのをためらうんだ!
スプリングボックのジャンプで天敵が襲わなくなるのはなぜ?
スプリングボックが天敵を目の前にしてもジャンプをやめないのには、深い理由があります。
「僕は健康で元気満々だよ!速く走れるし、襲っても激しく抵抗しちゃうよ!」
というアピールをしているんです。
スプリングボックの天敵はライオン、ヒョウ、ブチハイエナ、チーター、リカオンなどです。
どれも狩りの名手、厄介な相手ばかりです。
そしてヒョウはネコ科で最も幅広く分布している成功者なんだ!
しかし彼ら肉食動物も、誰彼構わず襲いかかる訳ではないんです。
狙いをつける段階で、獲物に優先順位をつけています。
1. 子どもや年寄り、病気の個体
2. 角が大きくて走るのが遅そうなオス
3. 角が小さい、もしくは生えていないメス
つまり、いかに安全に、効率よく、そして手間をかけずに仕留められるかを吟味しているんです。
スプリングボックの元気なジャンプを目の当たりにすると「あいつら元気だなー!もしかしたら、捕まえられないかもしれない、、、てかケガするかもな~」
なんて考えちゃいそうですよね。
襲いかかっておいて仕留めきれない、むしろケガまでしてしまったらハンターにとっては死活問題です。
絶対に避けたいところ!
結果、いくら優秀なハンターでも足踏みしてしまう、ということなんです。
アフリカには他にも水遁の術を使う「シタツンガ」っていう動物もいるんだよ!
これだけギリギリまでジャンプする理由は分かっていないんだ!
おしいね~!
スプリングボックがライオンに育てられた!?
先程紹介したスプリングボックの天敵には、ライオンが含まれていましたよね。
普通ならライオンはスプリングボックをエサとしか見ていません。
しかし野生の世界は時々、科学では証明できないような不思議なことが起こります。
なんと、ライオンがスプリングボックを育てたことが観察されたんです。
あるメスライオンの行動が世界中に感動を与えました。
彼女は本来は獲物であるスプリングボックの子どもを、我が子のように大切に育てていたんです。
常に手の届く範囲にいさせ、ペロペロとグルーミングしてあげているその姿は、子を思う母親にしか見えません。
しかも他のライオンが近くに来ると、必死に守ったんです。
彼女は以前、新しく群れのリーダーとなったオスに我が子を殺されています。
その後絶望にくれていましたが、何らかの理由で親とはぐれてしまったスプリングボックの子どもが目に入り、母性が沸いてしまったのでしょう。
強い遺伝子のみを残すための行動だね!
こんな弱肉強食の世界でも、種族を越えた愛情は存在するんです。
これは科学では説明できませんよね。
だっていつかは別れないといけないでしょう?
ずーっと守りきれるとは思えないからね、、、
まとめ
スプリングボックは美しいジャンプで身を守る、不思議な動物です。
ジャンプには天敵の発見だけでなく、自分を元気に見せる効果もあったんですね。
相手の心理状況を撹乱させる効果を狙っているなんて、賢い護身術ですね。
ただ、ジャンプし過ぎて逃げ遅れるのだけはやめてほしいと思います、、、
他にも気になる記事があったら読んでいってね~
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