本当に合体したの?
大昔の人が想像を膨らませてこんな名前にしたんだね!
シフゾウ(四不像)という動物を知っていますか?
名前は「4種類の動物の特徴を持っているが、どれでもない」ということだそうです。
シカのようなツノ、ウシのようなヒヅメ、ウマのような顔、ロバのようなしっぽを持っているとのことですが、実際にはシカの仲間です。
実はこのシフゾウ、過去に一度絶滅してしまっています。
でもある奇跡によって復活しました。
幻獣とも呼ばれる神の使い「四不像(シフゾウ)」に迫ってみましょう。
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シフゾウ「四不像」は4種類の動物が合体している!?
・シカのようなツノを持つがシカではない
・ウシのような大きなヒヅメを持つがウシではない
・ウマのような顔を持つがウマではない
・ロバのようなしっぽを持つがロバではない
シフゾウは4種類の動物の特徴を持つのに、そのどの動物でもないとして古代中国で「四不像(スープーシャン)」と呼ばれました。
では一体何の動物なのでしょうか?
シフゾウは偶蹄目・シカ科・シフゾウ属に分類されます。
つまりシカの仲間です。
シカではないと言われていましたが、完全に間違いですね。
シフゾウは神獣とされてきた動物です。
「どの動物でもない神の使い」とした方がおもしろかったのでしょうね。
正直、どう見てもシカにしか見えないな、、、
シカにしか見えないね!
シフゾウは野生絶滅した!?
トキは日本では絶滅してしまったけど中国で生き残っていたんだ!
それを贈ってもらって日本で繁殖させているんだよ!
シフゾウは中国の中央部から北部にかけて生息していました。
幅の広いヒヅメは足場の悪いぬかるみでも沈まずに歩けることや泳ぎが得意なことを考えると、沼地に生息していたようです。
アフリカのシタツンガも同じ特徴を持っているんだ!
19世紀半ばまでは野生のシフゾウも存在していましたが、北京郊外の王族の狩猟場であった「南苑(なんえん)」以外の個体は絶滅してしまいました。
確かな理由は分かっていませんが、狩猟対象とされていたこともあり、狩りつくされてしまったというのが有力説なようです。
その後、南苑に残っていたシフゾウでしたが、1890年に起こった大雨による大洪水で大多数が溺死してしまいました。
洪水による飢え、さらに1900年に発生した動乱「義和団の乱」により市民がシフゾウを食料にしたことで完全に絶滅してしまいました。
飼育下にあった1頭のメスは殺されずに生き延びていましたが、1920年に死亡しています。
これで中国のシフゾウは野生にも飼育下にもいなくなったということになります。
しかし、実はシフゾウはヨーロッパに持ち込まれていて、動物園で飼育されていました。
野生では絶滅しましたが飼育下には存在している、つまり「野生絶滅」と呼ばれるカテゴリーですね。
シフゾウが復活できた理由!
野生絶滅により中国から姿を消したシフゾウでしたが、現在は中国に生息しています。
個体数は中国全体でも500頭以上いるようですが、一体どのようにして復活したのでしょうか?
シフゾウが南苑に生息していた1865年、フランスのダヴィッド神父という人物が彼らの姿に驚き、交渉により骨をヨーロッパに持ち帰りました。
そしてその珍しさがヨーロッパ中に広まり、こっそり輸出されました。
ヨーロッパ中の動物園で飼育されることになったんです。
しかしシフゾウの繁殖はとても難しく、個体数が増えることはありませんでした。
そして、第一次世界大戦のごたごたで動物園の個体も全滅してしまったんです。
この時点でシフゾウは完全に絶滅したかに思われていました。
しかし、動物園で飼育しきれなかった18頭のシフゾウが、イギリスの大富豪「ベッドフォード卿」により引き取られていたんです。
しかも彼はシフゾウの繁殖に成功していました。
群れで飼育していたことが幸いだったようです。
50頭、200頭と飼育数を増やしたベッドフォード卿は、動物園に提供することを決意します。
そして、まずはヨーロッパやアメリカの動物園に分割して贈りました。
1956年には北京動物園にも贈られます。
ついに中国にシフゾウが帰ってきたんです。
その後1985年には南苑にシフゾウが解き放されました。
保護区も設定され、二度と絶滅しないように手厚い保護が行われているんです。
まさに奇跡だね!
シフゾウの生態はどんな感じ?
絶滅する前、野生のシフゾウの生態は分かっていません。
記録に残る前に絶滅してしまったんです。
ヨーロッパに渡ってからの記録はありますが、飼育されていたものです。
野生のシフゾウの本当の姿を知る方法は、もうなくなってしまいました。
繁殖されて中国に放されたシフゾウの生態は分かっているため、近い生活をしていたと考えられています。
草食性で草、木の葉、水草などを食べています。
繁殖期にはオスは複数のメスとハーレムな状態を作ります。オス同士のバトルは激しく、勝ち抜いたものだけがメス達との群れを作れるみたいです。
寿命は15~20年と言われますが、最長で23年生きた個体も確認されています。
シフゾウがいる日本の動物園はどこ?
ベッドフォード卿が飼育していたシフゾウの子孫は日本の動物園でも飼育されています。
現在確認できている動物園は3ヶ所です。
・多摩動物公園(東京都)
・広島市安佐動物公園(広島県)
・熊本市動植物園(熊本県)
いつか子供が生まれれば、シフゾウが日本中で見れるかもしれないいね!
赤ちゃんできたらいいな~!
シフゾウはもののけ姫のシシ神!?
「もののけ姫に出てくるシシ神様は、シフゾウがモデルだったのでは?」という噂が広まっています。
大きなツノ、面長の顔面、幅の広いヒヅメは確かにシシ神様を思わせる特徴ですよね。
ただ、シシ神様のモデルははっきりしていないんです。
見た目からして大型のシカであることは間違いなさそうですよね。
シフゾウは神の使いと言われていた動物です。
もしかしたら、何か繋がる部分があるのかもしれません。
2㎏もあるんだって!
まとめ
シフゾウは馬、牛、ロバ、シカの特徴を持つ幻の動物です。
大昔の中国人が想像を膨らませて、神の使いとしたんですね。
一度は絶滅してしまったというとてもつらい過去を持っています。
奇跡的に復活したとはいえ「野生絶滅」というレッテルを剥がすことはできません。
人間が犯してしまった罪として、永遠に残るのかもしれませんね。
また遊びに来てね!
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