恐竜が生きていた時代から姿を変えていない、とっても珍しい動物なんだよ!
どこに住んでいるの?
でも、オサガメは今絶滅の危機にあるんだよ、、、
やっぱり人間が関係しているのかな、、、?
オサガメは最大体長2m、体重は900kgにもなる世界最大のカメです。
海で暮らしているため、ウミガメの仲間かと思うかもしれませんが、皆さんが知っているアオウミガメやアカウミガメとは全く違う特徴を持っています。
オサガメはどんな生活を送っているのでしょうか?
絶滅の危機にある理由とは?
太古から生き続けている幻の巨大ガメ!
『オサガメ』に迫ってみましょう。
好きなところにジャンプできます
オサガメはどんなカメ?
by Wikimedia
オサガメはカメ目・オサガメ科・オサガメ属に分類される爬虫類です。
科、属、種が独立して分類される「一科一属一種」と呼ばれるタイプですね。
オサガメみたいに『科』から独立して1種類しかいない動物はとっても珍しいんだ!
オサガメは海で暮らしているため、ウミガメの仲間かと思ってしまいますよね。しかしアカウミガメやアオウミガメなどの他のウミガメは『ウミガメ科』に分類されます。
オサガメとウミガメは同じカメなので、共通の祖先を持っていたのでしょうが、早くに分離しそれぞれ違う動物に進化していったんです。
オサガメの化石は白亜紀後期の地層からも発見されています。
つまり彼らは1億年以上も昔、太古の地球にも存在していたんです。
オサガメのように巨大なカメと言えばアーケロンがあげられます。
アーケロンはウミガメの仲間ですが、現在は絶滅してしまいました。
オサガメはアーケロンが絶滅してしまうほどの過酷な環境を乗り越えて、現在まで生き残ってきたんですね。
オサガメの特徴!大きさや体重は最大でどれくらい?
オサガメは甲羅の長さ(甲長)が120〜190cm、頭まで入れた体長は2m以上にもなり、最大3m近くまで成長します。
体重は600〜900kgと1トン近くあり、カメの仲間では最大、爬虫類全体でも最大クラスの巨体を誇ります。
間違いなくカメ最大だね!
人間と比べるとこんな感じ
by Wikimedia
リクガメ最大はガラパゴスゾウガメで、体重は200㎏です。
オサガメの大きさが桁違いなのが分かりますね。
足は他のウミガメ同様ヒレ状に変化しており、泳ぐのに適しています。
特に胸ビレは最長2.7mと、体長と変わらないほどにまで長くなり、彼らの遊泳力を支えています。
泳ぐスピードは時速24km!
これはウミガメ界最速のスピードです。
さらにオサガメは持久力も優れています。
エサや産卵場所を求めて世界中の海を泳ぎ回ります。
オサガメの甲羅はやわらかい!?英語の由来は?
オサガメは大きさだけでなく、甲羅も特徴的です。
他のカメのように固いわけではなく、なんとゴムのようにやわらかいんです。
オサガメの甲羅にあたる部分は小さな骨でできていて、それを皮膚がおおっています。
レザーのようにしなやかな甲羅なため、これが英名の『Leatherback sea turtle(レザー甲羅のウミガメ)』の由来になっています。
この甲羅には背中に隆起した5本のライン(キール)が入ります。キールはさらに体の両側面に1本ずつ、お腹側にも5本入っています。
縦に入ったキールが水の抵抗を落とす効果があると考えられています。
泳ぐことに特化した体なんだね!
オサガメの生息地や産卵場所どこ?日本には来るの?
by Wikimedia
オサガメは太平洋、大西洋、インド洋、そして地中海までもを生息地としています。
そのため『地球上の海は全てが彼らの庭』とも言われます。
優れた遊泳力で世界中を泳ぎ回っているんですね。
彼らは生息地の中で人の手があまり加わっていない砂浜を産卵場所に選ぶ傾向にあります。
他のウミガメのように生まれた砂浜に戻るようなことはなく、産卵場所をコロコロ変えるのもオサガメの特徴です。
こういった柔軟さが、オサガメが今まで生き残ってこれた要因の1つなのかもしれませんね。
また、オサガメの産卵は日本でも確認されています。
鹿児島県、奄美大島の『嘉徳海岸(かとくかいがん)』は日本で唯一のオサガメ産卵地。
つまり、オサガメの産卵場所としては最も北の地域なんです。
オサガメは爬虫類なのに恒温動物!?
じゃあ水温の低い地方の海では生きられないんじゃないの?
実はオサガメは哺乳類のように体温を一定に保てるんだ!
通常、爬虫類は変温動物なため、気温が低いと体温が下がってしまい、活動できなくなります。
ヘビは冬になると冬眠しますし、ワニが日向ぼっこで体温を上げるのもそのためです。
ただ、わたし達のような哺乳類や鳥類の体は、周りの気温に関わらず、体温を一定に保とうとします。
これが恒温動物です。
オサガメは爬虫類で唯一の恒温動物です。
彼らが持つ発熱器官は周りの温度よりも体温を高く保とうとするため、10℃という水温の低い環境でも活動できます。
しかもオサガメは心臓も発達しています。
多くの爬虫類は2心房1心室ですが、オサガメの心臓は2心房2心室です。
つまりこれもわたし達と同じ!
肺に送る酸素と体に送る酸素を分けられ、呼吸によるエネルギー生産も効率化しているというわけです。
この進化によって、カナダの海岸や南極に近い海域でも活動できているんだ!
オサガメの生態!食べ物はクラゲ?
オサガメは巨体を維持するためにはたくさんの食べ物が必要です。
しかし意外にも彼らの主食はクラゲです。
クラゲはほとんどが水分なためカロリーが低く、オサガメの巨体や運動量を考えると、1日あたり100kgもの量を食べる必要があります。
そのため、彼らはクラゲを求めて深海に潜ります。
なんと水深1000mもの深さまで潜水するんです。
こんなところまで潜れるのはマッコウクジラやゾウアザラシくらいのもの。
爬虫類のオサガメがこれほどの潜水ができるのも、発達した心臓とゴムのような甲羅のおかげ、、、
呼吸による酸素を体中に送る心臓、そして水圧による内臓のダメージを防げる柔軟な甲羅が、オサガメの無謀な潜水を可能にしているんです。
オサガメの口はトゲだらけ!?その理由は?
オサガメは食べることを中心に生活しています。
そんな生活だからか、性格は少し荒っぽいようです。
威嚇するときは口を大きく開けるのですが、その口の中は牙のようなトゲが喉の奥までびっしり生えています。
このくちが、効率よくクラゲを食べられる秘密です。
オサガメは海水と一緒にクラゲを吸い込みます。
そしてクラゲを口の中のトゲに引っ掛け、海水のみを吐き出します。
トゲはクラゲを粉々にするのに役立ちます。
大量に食べるにはこのやり方が効率的なんだ!
しかもオサガメの食道は2m以上もあり、体の中で折り返すほど、、、
大量に食べるための進化もしっかりしているんですね。
ウミガメは涙として塩分を体の外に出すんだけど、このとき必要なのが塩腺という器官!
オサガメの塩腺ほ脳の2倍もの大きさがあるんだ!
オサガメは絶滅危惧種!?その理由や原因は?
現在、オサガメは地球上で絶滅の危機にある動物の1つに数えられています。
絶滅危惧種としてレッドデータブックに登録され、カテゴリーは『絶滅危惧II類(VU)』です。
対策しなければ、絶滅してしまう可能性の高いカテゴリーです。
大きな理由は海洋汚染です。
海にビニールなどのゴミがあることでクラゲと間違って飲み込んでしまい、消化不良や食欲不振を起こしてしまうオサガメが続出し、数を激減させているんです。
オサガメは体温維持や遊泳のためにクラゲを食べ続ける必要があります。
そのため、似ているものは見境なく食べる習性があるんです。
ロープなどが絡まってしまい、溺死してしまうこともあります。
さらに産卵場所の開発、産卵後に人間に踏まれることで卵が破壊されることも問題です。
また、孵化した赤ちゃんは月に照らされ明るくなっている海を目指して進みます。明かりが目印なんですね。
そのため、歓楽街のネオン目掛けて陸側に向かってしまい、生き絶えてしまう子も少なくありません。
極め付けは船との事故です。
オサガメのレザーのような甲羅に防御力はあまりなく、スクリューによるダメージをそのまま内臓に与えてしまいます。
こうなると助かるのは難しい、、、
これらの海洋環境の悪化が、オサガメの激減に拍車をかけているんです、、、
なんとか助けてあげたいよね、、、
遠く離れた無関係な問題、、、そう思わないようにしないと!
オサガメの寿命はどれくらい?
オサガメの詳しい生態は謎だらけ、、、
まだまだ分かっていないことが多いんです。
寿命に関しても飼育記録の少なさから、はっきりした数字は判明していません。
推定45年ほどだと考えられています。
しかし、海洋汚染で命を落とすオサガメが多く、ほとんどのものが寿命まで生きられないのが現実です。
一刻も早く、オサガメをはじめとする海洋動物たちの保護が進むことを、願うしかありません、、、
オサガメがいる水族館は日本にあるの?
オサガメの飼育はとても難しいとされています。
甲羅やウロコがやわらかいため、水槽にぶつかるだけでも死んでしまうことがあるんです。
残念ながら日本の水族館では飼育されていません。
日本どころか、世界的にも飼育している施設はないかもしれません、、、
ただ、オサガメと会えるツアーがあるため、海外の海岸で見られるようです。
気になる方は検索してみてください。
まとめ
オサガメは世界最大のカメです。
その姿は1億年前から変わっていない、まさに生きる化石です。
海洋汚染は世界的に問題視されています。
ポイ捨てしたビニールが風に乗って海に出て、波で沖まで流されてオサガメが食べてしまう、、、
どうですか?わたし達と無関係ではないですよね?
わたし達が普段何気なくしてしまっている環境破壊が、遠く離れた場所にいる動物を苦しめている、、、
どうかそのことを考えてみてください。
ポイ捨てしない!とか、、、
地球や動物たちを守っていこうよ!
またね〜!
この記事へのコメントはありません。