他のアザラシとは違うの?
でもとってもかわいいんだよ!
バイカルアザラシはロシアのバイカル湖に生息している、世界でも珍しい淡水性のアザラシです。
目がクリクリしている特徴的な顔を持っていて、かわいい派と怖い派に分かれるみたいです。
わたしはかわいい派です。
バイカルアザラシはどうして淡水にいるのでしょうか?
そこにはアザラシの性格が関係していました。
淡水で暮らすギョロ目アザラシ「バイカルアザラシ」に迫りましょう。
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バイカルアザラシの特徴!目が怖い!?
バイカルアザラシは体長100~140cm、体重は50~90kgです。
これはアザラシの仲間では最小です。
バイカルアザラシ一番の特徴は大きな目です。
宇宙人にも見えるほど大きな眼球を持っていて、見ようによっては不気味とも言われます。
この目は狩りで活躍します。
バイカルアザラシが生息しているバイカル湖は、世界でも屈指の透明度を誇ります。
そのため、バイカルアザラシは視覚に頼って獲物を探して捕まえるんです。
目を大きくすることで狩りの成功率を上げているんですね。
ちなみにアザラシは色の違いまでは判別できていないようです。
バイカルアザラシは明るいか暗いか、魚の輪郭などをとらえて追いかけるってことですね。
海は暗くて視界が悪いから、耳が発達しているんだね!
世界最大のアザラシ「ゾウアザラシ」だ!
バイカルアザラシが淡水で暮らす理由
バイカルアザラシはどうしてバイカル湖に生息しているのでしょうか?
彼らも元々は海で生活していました。
今から約60万年前に、バイカル湖に入ったと考えられています。
バイカル湖は大昔に海から独立し、その後徐々に淡水化していきました。
そのため、バイカルアザラシも徐々に淡水に慣れていったんです。
彼らがバイカル湖に入り込んだ理由は定かではありませんが「好奇心旺盛な性格が関係しているのではないか?」と考えられています。
アザラシは食肉目です。
大昔にクマやイタチの仲間が海に侵出したのが始まりだと言われています。
特にイタチの仲間は好奇心旺盛な種類が多いんです。
例えばラーテルやクズリは自分よりも大きな動物にも果敢にケンカを挑んでしまいます。
気になると近付かずにはいられないようなんです。
アザラシもこのような性格を受け継いでいます。
多摩川で有名になった「タマちゃん」も、海から川に入り込んでいましたよね。
これも好奇心が生んだ事件だと言えます。
バイカルアザラシの祖先も「こっちには行ったことがないな!行ってみよう!」っていう気持ちで、バイカル湖に入り込んだのかもしれません。
そして、独立した湖から出られなくなったんですね。
適当に移動し過ぎて、迷子にならないようにしているんだ!
バイカルアザラシは淡水でも平気なの?
海で暮らしているアザラシが、淡水で生活することはできるのでしょうか?
普通、海水と淡水では浸透圧が変わります。
淡水性の動物が海水の中に入れば、体内の水分が外に出ようとします。淡水では逆に水分が体内に入ろうとするんです。
あれは浸透圧調整で水分が抜けたり入ったりしているからなんだよ!
バイカルアザラシの場合は、湖が何万年もかけて淡水化したのに合わせて、体の浸透圧もゆっくり変化しました。
ただ、もともとアザラシは浸透圧に強い動物だと言われているんです。
ワモンアザラシの仲間が湖に入っていることも確認されています。
こちらは完全に淡水で暮らしているわけではなく、海水と淡水を行き来するようです。
海で暮らしているアザラシは水分が体の外に抜けることがありません。
これによりエサの魚に含まれる水分を効率よく吸収することができるんですね。
だからエサから水分を吸収するんだ!これは海水性の哺乳類全部に言えることだね!
バイカルアザラシの生態!潜水しながら休む?
バイカルアザラシは潜水の達人です。
数十分潜り続けることもでき、泳ぎながら獲物の魚を捕まえます。
彼らはカジカという底性の魚を好物としています。
バイカルアザラシのおもしろいところは、泳ぎながら休憩することです。
彼らもわたしたちと同じ肺呼吸なため永遠に潜ることはできず、陸に上がって休む必要がありそうですよね。
バイカル湖は冬になるとカッチカチに凍りつくのですが、夏場にはもちろん氷はありません。
湖の回りの陸地では人間やクマに見つかる恐れがあります。
湖の中にも小さな島があります。しかしこのような岩場は数少ないため、全てのアザラシが休むことはできないんです。
そこで、バイカルアザラシは
・プカプカ浮かびながら休む
・潜水しながら休む
という休憩方法を編み出したんです。
浮かぶのは簡単ですよね。
思いっきり息を吸えば、何もしなくても浮いていられます。
潜水も実は休憩に向いているんです。
普段は頭から潜水するアザラシですが、休憩のときはおしりから沈んでいきます。
そして海底まで降りてくるともう一度水面まで上がって息継ぎをし、再び潜っていくんです。
水圧の影響で、ある程度まで潜ればあとは自然と沈んでいけます。これは人間の潜水でも同じです。
深海には天敵のシャチやホオジロザメがいないから安心して休めるんだ!
バイカルアザラシに天敵はいるの?
バイカルアザラシはバイカル湖の食物連鎖の頂点に君臨しています。
天敵は人間くらいのものですが、陸地には恐ろしいヒグマが存在します。
ヒグマはホッキョクグマと違い泳ぐことができないため、陸に近づきさえしなければ、襲われることはありません。
やはり、バイカルアザラシには人間だけが恐ろしい存在なようです。
網にアザラシをひっかけて放置し、溺死させる方法なんだ!
バイカルアザラシの寿命はどれくらい?
バイカルアザラシの寿命は50年以上と、アザラシの仲間では最長です。
これも彼らに天敵がいないことが理由だと言えます。
本来アザラシはシャチやホオジロザメに襲われてしまう動物です。
食物連鎖の上位にはいても、頂点というわけではないんです。
寿命を全うできずに死んでしまうものは結構います。
バイカルアザラシは襲われることがほとんどなく天寿を全うできるため、平均寿命も長くなっています。
飼育下でも30年以上生きた例があるんです。
でも全ての動物の天敵は人間みたいだよ、、、
バイカルアザラシの赤ちゃんはかわいい!
さて、大人になると不気味とか怖いって言われているバイカルアザラシですが、子どもの頃は目がクリックリでとてつもなくかわいいんです。
赤ちゃんの頃は雪の上で暮らすことが多く、それに溶け込むように白い体毛で被われます。
これが黒目を強調してとってもかわいく見せてくれます。
本来は臆病で人間に近づくことはありませんが、好奇心旺盛なアザラシの血は健在なようです。
まとめ
バイカルアザラシは世界でも唯一の淡水性アザラシです。
生息地のバイカル湖はガラパゴス諸島と並び「生物進化の博物館」と呼ばれます。
それほど、独自の進化を遂げた珍しい生き物たちがたくさんいるんですね。
もちろんバイカルアザラシの珍しさも世界屈指です。
大きな目は透明な湖で獲物を探すのに最適だったんです。
怖いって言われてますけど、かわいさしか感じませんよね。
特に赤ちゃんの破壊力はすさまじいです。
日本の水族館の多くが飼育しています。
お近くの施設にこの淡水性アザラシがいれば、ぜひ見に行ってください。
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