世界一小さいシカなんだよ!
どこにいるの?
とっても珍しくて絶滅も心配されているんだよ、、、
プーズーというシカを知っていますか?
聞き慣れない名前ですよね。
プーズーは南アメリカ大陸のチリが領地としている島「チロエ島」にしかいない固有種です。
体重10kgほどしかないため「世界一小さいシカ」と呼ばれます。
プーズーはどんな動物?
絶滅の心配もあるけどペットにできるの?
世界最小のかわいすぎるシカ「プーズー」を紹介します。
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プーズーは世界一小さいシカ!?
プーズーは偶蹄目・シカ科・プーズー属の哺乳類です。
偶蹄目(ぐうていもく)は別名ウシ目とも呼ばれるグループで、中指と薬指が変化した2つの蹄(ひづめ)を持っています。
ウマ、ロバ、サイがこのグループだよ!
プーズーの特徴はなんといってもその小ささです。
体長は70~90cm、肩から地面までの高さ(肩高)は40cmほど、そして体重は5~13kgです。
シカとは思えないほど小柄ですね。
このサイズはシカの仲間では最小です。
足は太く短く、全身に短い体毛が生えています。
この毛は夏場は赤っぽく、冬場は灰色になります。
そしてオスのみが10cmほどの角を持っています。
角は毎年7月に抜け落ちて、新たに生え変わります。
プーズーの名前の由来は?英語では何て言う?
プーズーって名前、変わってますよね。
英語の名前は「Pudu」ですので和名と同じです。
これはプーズーの原産国である南米の先住民族「マプチェ族」の言語が由来です。
「小さいシカ」という意味があります。
プーズーの生息地「チロエ島」ってどんなとこ?
プーズーはチリが領地としている島「チロエ島」にのみ生息している固有種です。
チロエ島は四国半分くらいの大きさの島です。
人口は15万人ほどなので、島の大きさのわりに人口密度は低めですね。
週の5日ほどは雨が降るという、ちょっとじめじめした島だそうです。
自然豊かな島で、人間と動物が見事に共存しています。
漁業が盛んなこの島は、港に行けば魚のおこぼれ目当てのトドやアシカを普通に見ることができるそうです。
プーズーはこのチロエ島の標高1000m以下、竹林が広がる地域に生息しています。
動物を大切にしている島なんだ!
プーズーとマメジカの違い!
マメジカは小さいもので体長30cm、体重は2kgほどの小型哺乳類です。
プーズーよりも遥かに小さく、最小の偶蹄目と呼ばれます。
マメジカの仲間はアジアやアフリカに生息していて、現在10種類が確認されています。
マメジカの方が小さいなら、こっちが最小のシカじゃないの?
マメジカは偶蹄目・マメジカ科に分類されます。マメジカ科として独立しています。
ラクダに近い遺伝子を持っていたり、ブタに似ている特徴を持っていたりと、シカとは全く違う動物なんです。
これはかなり原始的な偶蹄目の特徴なんだって!
よく見たらマメジカには角がないんだね、、、
プーズーとキョンの違い!
プーズーによく似たシカ科の動物ににキョンがいます。
キョンは体重10~15kgまで成長するため、プーズーより少しだけ大きくなります。
生息地は中国で、目の少し前に臭いを発する臭腺があることが特徴です。
似ているけど生息地は全然違うんだ!
キョンの角が枝分かれするのも違いです。
現在、日本の動物園から逃げ出したキョンが野生化し、農作物を食い荒らす被害が続出しています。
特定外来生物に指定され、駆除が進められています。
プーズーの生態はどんな感じ?
プーズーは本来群れで行動していました。
しかし生息数が激減してしまい、現在は単独で行動しているものがほとんどです。
昼も夜も活動しています。
食性は草食性です。
樹皮や芽、枝、果実、花などを主食とします。
天敵は「ダーウィンギツネ」というこれまたとっても珍しいキツネの仲間です。
4月~7月の間に1頭の赤ちゃんを出産します。
プーズーの赤ちゃんがかわいい!
プーズーの子どもには白い斑点があります。
森で目立たないようなカラーリングだと考えられています。
生後2ヶ月まではこの模様が入ります。
最小のシカということで、赤ちゃんもとっても小さいんです。
体重なんと800g!
マメジカ並みの手のひらサイズですね。
プーズーは絶滅危惧種!?
チロエ島は開発が進められている地域です。
プーズーの生息地も破壊されています。
さらに人間が持ち込んだ飼い犬が野生化し、プーズーを襲っているんです。
乱獲とも相まって、生息数は激減しています。
絶滅の危険性があるんだ!
レッドデータブックのカテゴリーは「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」です。
対策しなければ、近い将来プーズーが姿を消してしまう可能性は充分あります。
プーズーの天敵、ダーウィンギツネも絶滅危惧種なんだよ!
プーズーはペットにできる?
世界最小のシカということで、プーズーをペットにしたい人も多いのではないでしょうか?
しかし残念ながらプーズーを飼育することはできません。
野生動物を保護するための国際条約「ワシントン条約」に記載されているため、プーズーの取引には国同士の許可が必要です。
個人が仕入れてペットにすることは現実的に不可能です。
プーズーが飼育されている動物園が日本にもあるんだ!
プーズーが飼育されている日本の動物園!
現在プーズーを飼育している日本の動物園は1ヶ所です。
・埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東松山市岩殿)
埼玉県こども動物自然公園のプーズー
ここは日本で唯一プーズーが飼育されている動物園です。
平成28年にチリの動物園から4頭が贈られました。
しかも繁殖にも成功しているんです!
2017年にオスの「ラピス」とメスの「サクラ」が、そして2018年6月にはさらにオスが1頭生まれています。
今後も繁殖が成功する可能性はあります。
そうなると日本中の動物園に広がりそうですよね。
近くの動物園でプーズーが見られる日が来るかもしれません。
動物園は自然保護にも役立っているんだね!
「ブリーディングローン」といって、動物園同士が動物を貸し借りすることもあります。
繁殖に力を入れることは全動物園の課題なんです。
まとめ
プーズーは世界一小さいシカです。
チリの離島「チロエ島」で静かに暮らしてきたんですね。
開発や乱獲、飼い犬に食べられる被害が心配されています。
これほどかわいい動物が絶滅するのだけは避けたいものです。
日本の動物園が繁殖に成功しているのは嬉しいですね。
これがプーズー絶滅の可能性を下げることに繋がっています。
世界最小のシカをぜひ見に行ってみてね!
バイバイ
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