珍獣だらけのガラパゴス諸島を代表する動物だよ!
ダーウィンの進化論と関係があるんだよね?
よく知ってるね!
ガラパゴス諸島は珍獣の宝庫。
陸地から隔離されたこの島々には、独自の進化を遂げた生き物たちがたくさんいます。
ガラパゴスゾウガメもそんな珍獣の一種です。
島によって姿が違う彼らは、チャールズ・ダーウィンがこの島を訪れた際、生き物の進化を知る上の重要な手がかりとなりました。
ガラパゴスゾウガメの生態や寿命はどんな感じなのでしょうか?
また進化論に影響を与えたものとは?
日本で見れるの?
偶然が生んだ超絶長寿生物『ガラパゴスゾウガメ』に迫ってみましょう。
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ガラパゴスゾウガメの特徴!大きさや重さが世界一!?
by Wikimedia
ガラパゴスゾウガメの一番の特徴はその大きさでしょう。
ゾウガメと呼ばれるだけあって、まさにゾウのような巨体を持ちます。
体長は1.5m、体重は250㎏を超えるものも存在します。
甲羅の大きさだけでも1.3mにもなり、これは地球上のリクガメの中で最大の大きさです。
100㎏より小さいものも存在しているらしいよ!
もう1種類は『アルダブラゾウガメ』という種類だ!
カメ界にはさらに大型のオサガメというウミガメが存在します。
体重は1トンにもなるため、はるかに大型ですね、、、
ガラパゴスゾウガメの種類!違いは甲羅!?
ガラパゴス諸島は火山島です。
溶岩が海で冷やされ、固まることで島ができあがりました。
このような火山島にはもともと生物がいません。そのため、海や空を渡れる動物のみが定着できます。
では、飛べないし泳げないガラパゴスゾウガメはどのようにしてガラパゴス諸島に住みつくようになったのでしょうか?
島の名前にもなっているほど代表的な動物なんだね!
ガラパゴスゾウガメのルーツは南米です。
南米にいるナンベイリクガメ属のカメたちが、遺伝子的に最も近いものを持っています。
ガラパゴスゾウガメの祖先たちは流木などの漂流物に乗るなどして、南米大陸からガラパゴス諸島に渡ったということになります。
そんなとこまで渡れるの?
こんな風に漂流で他の島に渡って、そこで種類が増える動物は他にもいるんだ!
マダガスカル島のワオキツネザルが代表例だね!
他にもガラパゴス諸島に生息している『ウミイグアナ』も漂流により住み着いたと考えられています。
先ほども説明したように、ガラパゴスゾウガメは島によって大きさや姿が少し違っています。
ガラパゴス諸島は大小19の島から成り立っていて、それぞれの島にいるカメたちは、それぞれの島に適応しています。
以前まではガラパゴスゾウガメという種類の中で、地域によって亜種となっているという説が有力でした。
ただ、現在ではそれぞれが独立した種類であるという説の方が主流です。
ガラパゴスゾウガメ種群とも呼ばれるんだって!
現在は4種類が絶滅して、11種類のガラパゴスゾウガメが存在しているんだ!
それぞれはもちろん遺伝子的な違いもあるのですが、甲羅からも違いを確認できます。大きくドーム型、鞍型(くらがた)、中間型という3種類の甲羅に分けられます。
ガラパゴスゾウガメの甲羅の特徴!島によって形が違う!?
ガラパゴスゾウガメの甲羅はどうして3種類の形に変化しているのでしょうか?
その答えはそれぞれの島の環境にあります。
ガラパゴス諸島の一つ、エスパニョラ島は火山性の岩がゴロゴロしていて、乾燥している厳しい環境です。
この島には草はほとんど生えず、まさに不毛の大地と化しています。
植物といえばサボテンが生えている程度ですが、そのサボテンも木のように緑の部分が地面から高くなっています。
他の島では普通に小さなサボテンが生えるんだよ!
高い場所のサボテンを食べるため、ゾウガメは首を上に伸ばさなくてはいけません。
そのため、甲羅の首の部分は鞍のように湾曲する必要があります。
by Wikimedia
逆に雨がよく降って、充分に草が生えるサンタ・クラス島のような地域では、ゾウガメは首を上に伸ばす必要がありません。
そのため、このような地域のガラパゴスゾウガメの甲羅は、ドームのように丸い形になっているというわけです。
ガラパゴスゾウガメの甲羅がダーウィンの進化論に影響を!?
かの有名なチャールズ・ダーウィンが遠征でガラパゴス諸島を訪れた際、島によってガラパゴスゾウガメの甲羅の形が違うことに非常に興味を持ちました。
これが後にダーウィンが発表するダーウィンの進化論『自然選択説(自然淘汰説)』に影響を与えます。
自然選択説を簡単に説明すると『生息している自然環境に最も適した形態を持っているものが生き残っていく』という説です。
環境に適した体の特徴は子どもにも遺伝していき、最終的に種が存続していくというわけです。
高いところの葉っぱを食べるために最適な、首の長い個体が生き残ってきたんだ!
ガラパゴスゾウガメも自然選択説の例としてあげられます。
彼らがガラパゴス諸島に流れ着いたときは1つの種類でした。他の島に渡ったことで、それぞれの島で最も適した特徴を持ったものの遺伝子が子孫にも残り、現在まで続いているんです。
ガラパゴスゾウガメの生態!食べ物は何?
さて、ここまでの説明でも分かると思いますが、ガラパゴスゾウガメは草食性です。
by WIkimedia
彼らの1日はゆったりのんびり。なんと16時間も寝ています。
その他の時間は食事と甲羅干しにあてています。
飲まず食わずでも最長1年間生きられるとも言われているよ!
僕なら1日で限界なのに、、、
ガラパゴスゾウガメの寿命!ちょ〜長生きって本当?
ガラパゴスゾウガメは脊椎動物の中で世界一長生きすることが分かっています。
平均寿命は野生の状態でも100歳以上!
しかも100歳以上の個体でも普通に繁殖できるんです。
最も長生きだったガラパゴスゾウガメは、オーストラリアの動物園で飼育されていた『ハリエット』です。
この子は2006年に亡くなってしまうまで、1世紀以上も動物園で飼育されていました。
推定年齢は175歳!史上最高齢の動物です。
人間で考えるとありえないですよね。
我々のように医療が発達した環境で生きているわけでもないのに、どうしてこんなに長生きなんでしょうか?
正確な理由は分かっていませんが、彼らの代謝能力の低さ、成長の遅さ、わたし達のように酸化ストレスを感じずにガンになりにくいなどが考えれらています。
『亀は万年』という言葉も嘘じゃないね!
人間が不老不死になる時代も夢じゃないのかもね、、、
ガラパゴスゾウガメと環境問題!絶滅危惧種なわけとは?
脊椎動物で最も長生きだと言われているガラパゴスゾウガメですが、実は絶滅しそうな動物としてレッドデータブックにのっているんです。
しかもほとんどの種類が危機的状況にあるカテゴリーの絶滅危惧ⅠA類(CR)、ⅠB類(EN)、Ⅱ類(VU)に含まれています。
すでに絶滅してしまった種類も、、、
これには人間が深く関係しています。
まずは食料としての狩りです。
ガラパゴスゾウガメの代謝が低いことは説明しましたね。
代謝機能がゆっくりだということは、食べ物を与えなくても新鮮な肉を長期間維持できるということになります。
これは長期間の船旅にはもってこいの食材です。
17世紀〜19世紀の間に、海賊船や商業船の乗組員により、10万頭以上ものガラパゴスゾウガメが狩られました。
さらに人間により持ち込まれた動物も影響を与えます。
家畜としてのブタやヤギ、牛などはガラパゴスゾウガメの食料となる植物を食べ、他にもネコやイヌ、貨物にまぎれたネズミはゾウガメの卵や子どもを食べてしまいます。
1970年以降.エクアドル政府により厳重に保護されていますが、外来種による被害は現在も続いています。
それでも、チャールズ・ダーウィン研究所による繁殖活動が成果をだしていて、生息数は回復しつつあるようです。
絶滅してしまうと生態系が狂って、他の動物にも悪影響がでるかもしれないんだ!
ガラパゴス諸島は珍獣だらけ!地球の宝箱だもんね!
ガラパゴスゾウガメは日本にもいる?
現在、国内でガラパゴスゾウガメを飼育している動物園は2ヶ所です。
・上野動物園(東京都)
・iZoo(静岡県)
上野動物園のガラパゴスゾウガメ
世界3大珍獣が全て見られる上野動物園ではガラパゴスゾウガメが2頭飼育されています。
『太郎』と『亀吉』という2頭で、どちらもオスです。
上野動物園の両生爬虫類館で見られますが、普段から展示されているのは太郎です。
太郎は体重が亀吉の3倍も重いため、バックヤードの扉を通れないそうで、屋外展示スペースにいます。
亀吉は太郎を威嚇してしまうため、バックヤードで飼育されていますが、梅雨が終わったあとの夏季限定で亀吉を展示することがあるようです。
どちらもさすがはガラパゴスゾウガメというだけあって、上野動物園の長寿動物トップ2です。(亀吉は1940年生まれ、太郎は1929年生まれです)
しかも飼育年数も長く、亀吉は1960年に来園、太郎は1969年にやってきました。
元気でいてくれてありがとう!
iZoo(イズー)のガラパゴスゾウガメ
『体感型動物園 iZoo(イズー)』は静岡県賀茂郡にある、日本で唯一の爬虫類、両生類専門の動物園です。
ここではガラパゴスゾウガメの『ラック』(♂)が飼育されています。
iZooは日本で唯一、ゾウガメと触れ合うことのできる施設です。
しかも子ども限定(体重30kg以下限定)でゾウガメの背中に乗れちゃうんです。有料ですが。(1000円)
国内で繁殖するため、お嫁さんが来るのを待っているんだよ!
お嫁さんが日本にくるのも難しいかもね、、、
まとめ
ガラパゴスゾウガメはガラパゴス諸島という隔離された島が生んだ奇跡の動物です。
ダーウィンが進化論の参考にするだけあって、島によって甲羅の形が違うのはおもしろいですよね。
絶滅した種類もいますし、生き残っている種類も絶滅危惧種に指定されています。
この奇跡の動物を後世に残すためにも、環境の破壊や外来種の被害を減らさなくてはいけません。
遠く離れた島のことだからって無関係ではないんだよ!
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みなみさん
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