でも地球上には水面を走れる動物がいるんだ!
なんていう動物なの?
今日はこの動物のお話をしよう!
バシリスクは南米のアマゾンに生息しているイグアナの仲間です。
彼らは後ろ足だけで走ることができるのですが、なんと水の上も走れるんだとか。
バシリスクはどんな生態なのでしょうか?
水面を走れるメカニズムは?
アマゾンの忍者トカゲ「バシリスク」に迫ってみましょう。
好きなところにジャンプできます
バシリスクはトカゲ?イグアナ?
でも、見た目がバジリスクを連想させるからこんな名前が付けられたんだって!
バシリスクは有鱗目・イグアナ科・バシリスク属の爬虫類の総称です。
現在4種類ほどが存在します。
空想上の怪物「バジリスク」を連想したためこのような名前が付けられていますが、毒は持っていません。
有鱗目はトカゲ、ヘビなどを含む爬虫類のグループで、世界中に7000種類以上が存在しています。
爬虫類の中でも最も広い範囲に分布し、成功しているグループだと言えますね。
実はイグアナとトカゲの仲間に違いはありません。
有鱗目の中で、トカゲの仲間は「トカゲ亜目」に分類されます。
そこからイグアナ科やカメレオン科、ヤモリ科などに派生していきます。
分かりやすく住所で例えてみよう!これだとイメージしやすいよね
・日本→爬虫類
・県→有鱗目
・市→トカゲ亜目
・町→イグアナ科
バシリスクは水面を走れる!?
水面を走るトカゲの映像を見たことありますか?
結構話題になったので、もしかしたら一度は見たことがあるかもしれません。
あのトカゲの正体こそバシリスクです。
バシリスクは狩りのときや危険を感じたときに後ろ足のみで走ります。
そして一気に水の上を走り抜けるんです。
キリストが水の上を歩いたという伝説があるため、バシリスクは「Christ Lizard(キリストトカゲ)」というあだ名が付けられています。
でもどんなトリックなのこれ?
要は足が沈む前に次の足を前に出しているんだ!
ってそんなことムリでしょ!
バシリスクが水面を走ることができるのは、彼らの足に秘密があるんです。
バシリスクの後ろ足の指はとても長く、そして所々に膨らみがあります。(ふさのようになっています)
この指のおかげで水の抵抗が増しているんです。
そして足を水面に叩きつけることで、一瞬ですが足が空気の膜に包まれます。
その足が沈む前に反対側の足を前に出せば延々に水面を走り続けられるというわけです。
ただし簡単にできる技ではありません。
1秒間に20歩というとてつもない速さで足を動かすからこそできる芸当なんです。
秒速1m進みます。
最終的には重力の抵抗もあり、4mほどで沈み始めるそうです。
めっちゃ疲れそうだね、、、
バシリスクの生息地はどこ?
バシリスクは全種が南米の森林に生息しています。ただ、種類によって生息地は若干異なるようです。
水辺を好み、水の中から張り出している木の上にいるところがよく観察されています。
すぐに水に飛び込めるような位置に陣取っているのでしょう。
逃げるのにもエサを捕まえるのにも好都合ですからね。
基本的にはメキシコから南部に分布していますが、ノギハラバシリスクという種類はアメリカ合衆国のフロリダ州に人為的に持ち込まれています。
現在は定着してしまっているようです。
だからバシリスクは水辺に住んで、いつでもすぐに逃げられるように準備しているんだね
バシリスクの生態!食べ物は何?
バシリスクは雑食性です。
昆虫、果実などを食べます。
肉食傾向が強いようで、食べられる大きさの動物を獲物としています。
小型哺乳類や鳥類はもちろん、グリーンイグアナの子どもを狙うこともあります。
アマゾンという厳しい環境では好き嫌いなんてしていられないんだよ!
繁殖形態は卵生です。
メスは浅い穴に20個ほどの卵を産み落とします。
その後放置しますが卵はしっかり孵り、子どもはすぐに走ることができ、水面ダッシュもできるようです。
ちなみに寿命は7~10年ほどと言われています。
たくましい生き物だ!
バシリスクの種類を紹介!それぞれの特徴は?
バシリスクには種類があります。
水を走る特徴は同じですし、全ての種類のオスが背中から頭にかけてトサカ(クレスト)を持っています。
メスにアピールするために必要なアピールポイントですね。
オスに比べてメスはクレストが無いため、結構地味に見えます。
全長は最大80㎝です。
ただ、しっぽが体の半分を占めているため、体長は少し小さく感じます。
全ての種類で、メスよりオスの方が大型化します。
見分け方はあるのかな?
ちゃんと種類ごとに特徴があるんだ!
グリーンバシリスク
全身が鮮やかな緑色のバシリスクです。
全長は60~70㎝で、しっぽは体の半分ほどの長さがあります。
緑色は年齢を重ねるごとに鮮やかになります。
オスのクレストは2本あり、とても発達します。
ペットとしても人気のある種類です。
チャイロバシリスク
名前の通り茶色です。
背中にラインのような模様が入ることで、他の種類と区別することができます。
ただし、この模様は若いほどはっきりしていて、齢を重ねると薄くなるようです。
全長50~76㎝で、メスの方が少し小柄です。
オスは頭としっぽにクレストがあります。
ノギハラバシリスク
英名は「Brown basilisk」と言います。
直訳すると茶色バシリスクなのでややこしいですね、、、
フロリダに定住している品種です。
オスは全長61㎝まで成長し、メスは若干小さいようです。
特徴的なのは背中の独特な模様です。これが見分けるポイントでもありますね。
オスはフードのようなクレストを持っています。
ギザギザバシリスク
別名「Western basilisk(西洋バシリスク)」と呼ばれます。
コロンビア西部と南米の西部エクアドルにかけて生息しています。
オスは全長77㎝、メスは63㎝ほどです。
全身はオリーブグリーンで、グリーンバシリスクほど鮮やかではありません。
また、オスのクレストは丸い形で、これまた特徴的です。一番見分けやすいかもしれません。
まとめ
バシリスクは水の上を走れるという信じられない技を持っているユニークなイグアナの仲間です。
イグアナがトカゲの下位分類でもあるため、バシリスクはトカゲの一種とも言えますね。
特徴的な足の造りは水の抵抗を増やしていて、空気の膜(エアポケット)を作り出していました。
これが水面を走れる秘密なんですね。
オスはトサカ(クレスト)によって求愛し、過酷なジャングルで子孫を残していきます。
産まれた赤ちゃんはすぐに動き回れるように遺伝子に刻み込まれているのでしょう。
水面を走るのも子どもの頃からできるようです。
南米アマゾンという過酷な環境でイグアナの仲間が繁栄できているのは、このたくましさが関係しているのかもしれませんね。
また遊びに来てね~
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