フロリダ州のゴルフ場に恐竜のような巨大ワニが現れたことが話題になっています。
ワニも恐竜と同じ爬虫類なため、規格外に巨大であれば恐竜に見えなくもないですね。
恐竜と言えば、約6600万年前に絶滅したとされています。
では、ワニはその頃いなかったのでしょうか?
結論から言えば、ワニのような姿で、ワニよりもはるかに大きい体を持っていたものは、恐竜の時代にも存在していました。
この超巨大なワニは絶滅してしまいましたが、同じような体を持つ現在のワニは、今も地球に存在しています。
ワニが絶滅しなかった理由は何なのでしょうか?
また、恐竜とワニの違いとは?
今日は、ワニと恐竜の関係についてお話しします。
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ワニと恐竜の違いは足にある!
恐竜がワニと同じ爬虫類だということはご存じだと思います。
では正確な分類を比べてみましょう。
イリエワニ | 項目 | トリケラトプス |
---|---|---|
動物界 | 界 | 動物界 |
脊索動物門 | 門 | 脊索動物門 |
爬虫綱 | 綱 | 爬虫綱 |
ワニ目 | 目 | 鳥盤目 |
クロコダイル科 | 科 | ケラトプス科 |
クロコダイル属 | 属 | トリケラトプス属 |
イリエワニ | 種 | トリケラトプス |
爬虫綱までは同じで、そこから先の分類が違います。
ちなみにトリケラトプスは鳥盤目、ティラノサウルスなどは竜盤目と呼ばれます。
ワニと恐竜の決定的な違いは足の生え方です。
ワニの足は、体の横から前足も後ろ足も関節、つまり肘と膝が曲がった状態で生えています。
ノッシノッシと這うように歩くのが特徴ですね。
ワニ以外の爬虫類で言えば、トカゲもこのような足の生え方です。
一方の恐竜の足は、ワニに比べると真っ直ぐ下に生えています。
2足歩行、4足歩行両方の恐竜がいましたが、ワニのように関節が90度に曲がっているものはいません。
ワニと恐竜は同じ爬虫類でくくることができますが、足の生え方という違いがあるんです。
最大、最強のワニ「デイノスクス」
ワニは、地球上の爬虫類の中で最も大きくなる動物です。
そんなワニの中でさらに最大と言われているのが「イリエワニ」です。
イリエワニの全長は最大で8mにもなり、体重も1トン以上です。
目の前にイリエワニが現れたら、恐竜に見えてしまうでしょうね。
それほど規格外の大きさです。
しかし、古代にはイリエワニよりもはるかに巨大なワニが存在していたんです。
それが7500万年前にアメリカ北部に生息していたとされる「デイノスクス」です。
デイノスクスは恐竜が生きていた白亜期に存在していたとされる、超大型のワニです。
今のワニと同じように水中に暮らしていたとされています。
この時代の水中を支配していたんですね。
発見されている頭蓋骨の化石は180cmにもなります。
頭だけで人間よりでかいですね。丸飲みです。
頭蓋骨から推測すると、全長は15m以上あったと言われています。
15mと言えば、クジラ並みの大きさです。
デイノスクスが生きていたとされる白亜期は、まさに恐竜の時代でした。
ティラノサウルス「T-REX」や「トリケラトプス」といった超有名、大人気な恐竜もこの時代に存在していました。
そんな大恐竜時代に、デイノスクスは大型恐竜と渡り合っていたんです。
基本的にデイノスクスはウミガメを食べていたとされています。
しかし、ティラノサウルスの仲間「アルバートサウルス」の化石に、デイノスクスの歯形と思われる噛み跡が見つかっているんです。
この時代最強の捕食者と戦えるだけの体格と獰猛さを持っていたんです。
ちなみにウミガメのアーケロンもこの時代に生きていた超巨大生物です。
現在は絶滅してしまいましたが『オサガメ』は生きた化石としてアーケロンと比較されます。
デイノスクスは絶滅してしまった!
超巨大なデイノスクスですが、現在は絶滅してしまいました。
他の恐竜と同じ末路を歩んでしまったんです。
実はデイノスクスや恐竜が絶滅してしまった理由には諸説あります。
研究者の間でも論争が繰り広げられていて「これが正解」っていう意見は、実は存在していないんです。
それもそうですよね、、、
過去のことを正確に調べることなんてできませんから。
ただ、地層などのヒントを元に、推測することはできます。
恐竜は隕石で絶滅した!
現在有力だと言われているのが隕石衝突説ですね。
恐竜が隕石で絶滅したというのは、皆さんも聞いたことがあると思います。
メキシコ東部に全長18kmにも及ぶクレーターが見つかっており、ここに落ちた隕石によって地球環境が最悪な状態になったと言われています。
地球環境の悪化には諸説あります。
気温が下がった説
隕石の衝突により粉塵が巻き上がり、太陽光が遮断されたことによって気温が急激に下がってしまったという説です。
恐竜やワニと言った爬虫類は変温動物と呼ばれ、周囲環境の気温によって、体温が変化します。
そのため、気温が低いと活動することができません。
結果的に、長期間に渡る気温の低下に耐えることができなかったのです。
逆に哺乳類は恒温動物と言って、周りの気温が変化しても、体温を一定に保つことができます。
その結果、哺乳類は生き延び、恐竜の大多数は滅んでしまったんです。
また、鳥類も哺乳類と同じく恒温動物です。
恐竜が鳥類に進化したという説もあるため「温度の変化に対応するために、鳥類に進化したのでは?」とも言われています。
デイノスクスが滅びたきっかけは、急激な気温の低下によるものかもしれません。
植物が育たなくなった説
隕石の衝突によって火災が起き、煙や粉塵によって太陽光が遮断され、植物が光合成を行えなくなったという説です。
植物が育たなくなれば、真っ先に草食動物が滅びてしまいます。
そうなると、その草食動物を獲物としていた肉食動物が滅びてしまうのは時間の問題ですね。
デイノスクスは大きな体を維持するために大量の獲物が必要です。
そのためには広大な縄張りを維持しなくてはいけません。
つまり、そもそもで生息数が少なかったと言われているんです。
そして隕石衝突による食糧難が起こり、一気に絶滅してしまったんです。
火山噴火説
隕石衝突説に反対している人は、ほとんどが火山噴火説推奨派です。
これは突如、1000年も続く大噴火が、世界規模で起こったとされる説です。
火山噴火による噴煙で太陽光は遮られ、植物が育たなくなり生態系が壊れます。
また、噴煙の影響でオゾン層が破壊され、紫外線が地球に降り注ぎました。
その結果デイノスクスを始めとする大型爬虫類は絶滅してしまったんです。
ワニはどうして生き延びたのか!
理由はともあれ、デイノスクスや恐竜は絶滅してしまったんです。
しかし、デイノスクスと同じような体を持っているワニは、現在も地球上に存在しています。
では一体なぜ、ワニは絶滅の危機を乗り越えられたのでしょうか?
これに関しても正しいことは分かっていないのが現実です。
しかし言えることは「絶滅の危機を乗り越えた生き物は体が小さかった」ということです。
現代でこそ、大型の哺乳類やワニは存在しますが、恐竜に比べれば明らかに小柄です。
体が小さかったからこそ、冬眠で氷河期を乗り越えられたのかもしれません。
現在にも気温が低下すれば冬眠するワニがいます。
また、体が小さいからこそ、少ない食料で生き残れたのかもしれません。
食糧難を乗り越えることができたんです。
かもしれないが多いですが、現在言えることはこれくらいです。
とにかく、ワニは恐竜時代の姿を維持したまま生き残っているんです。
恐竜時代から体の造りが変わっていないのは、すでに完成されていたからなのでしょう。
まとめ
大型のワニは恐竜そのものですね。
しかも、太古の地球には現在のワニよりもはるかに大きなワニも存在していたんです。
絶滅はしてしまいましたが、ワニの遺伝子は今も続いています。
生きた化石、恐竜の生き残りと言われるワニですが、生き残れたのにはちゃんと理由があったんですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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