クモの仲間

 

公開日:



 更新日:2018年6月24日

トタテグモは忍者みたい!?大きさや生息地は?日本にもいる?

2018年4月に世界最高齢と言われたトタテグモが死んでしまいました。
年齢はなんと43歳!
これはトタテグモの寿命と言われている20歳を大きく越えています。
しかもこのトタテグモは寿命ではなく、ハチに刺されたことが原因で死んでしまったということで、まだまだ長生きしたのかもしれません。

トタテグモは地面に穴を掘って、その入り口にフタをする原始的なクモです。
「戸立て蜘蛛」ってことですね。

フタを開けてスルッと獲物を狩る姿はまさに忍者!

トタテグモはどんな生態なのでしょうか?
日本にもいるのでしょうか?

巣穴にフタをする賢い忍者クモ「トタテグモ」に迫ってみましょう。

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トタテグモ


トタテグモはクモ目・トタテグモ科のクモの総称です。

トタテグモの仲間は巣穴を掘って住みかとしていて、入り口に扉を作るのが特徴です。
つまり「トタテ」とは「戸立て」のことです。
英名は「Trapdoor spider」です。

トタテグモ科でも「キノボリトタテグモ」のように、巣穴ではなく木や岩に袋状の巣を作る、例外的な種類もいます。
地面から木や岩に住みかを移したんですね。

キノボリトタテグモの巣

 

トタテグモは日本にもいる!?

トタテグモは世界中に広く分布しているクモのグループです。
もちろん日本にもいます。

「キシノウエトタテグモ」という種類で、本州の福島県より南部から九州にかけて分布しています。

また、沖縄や周辺諸島には「オキナワトタテグモ」という種類が生息しています。

民家近くにも普通に生息しているみたいですよ。

 

トタテグモの特徴


体長は9~17mmほどです。
足を含めるともう少し大きく見えます。

体色は黒紫のような暗い色のものが多いです。

足の数は4対ですが、触肢が長いため、計10本足に見えます。
これは原始的なクモの特徴です。

他のクモでは触肢は短く、足との区別をつけることができます。

また、毒は持っていません。

 

トタテグモの巣


トタテグモは10cmほどの巣穴を地面に掘って暮らしています。
巣穴にはクモの糸で裏打ちで補強がしてあるそうです。

特徴的なのがこの巣の入り口にフタをつけることです。
このフタは糸で編んであって、裏側は白です。
しかし、表側には土やコケがつけてあるので、フタをしてしまうとどこが巣か完全に分からなくなります。
大型の昆虫や鳥、哺乳類などに見つからないようにしているんですね。

しかも、フタには蝶番が付けられているんです。
糸で作られた蝶番のおかげで、フタを開けてもスムーズに閉めることができます。

ここまで来ると完全に扉です。
裏打ちに蝶番、人間顔負けの大工テクですね!

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トタテグモの狩り

トタテグモは肉食性です。
他の昆虫類を獲物としています。

トタテグモの狩りは忍者みたいです。
獲物が近くに来ているかどうかを振動で判断し、入り口で待ち構えます。
巣だと気付かずに近くを通りかかった獲物を一気に捕まえ、巣に引きずり込むんです。
ものすごい早業です。

 

ここまでの早業を可能にしているのが、蝶番です。

フタを開けて、獲物を捕まえて、巣に引きずり込んでも、蝶番のおかげでフタがすぐにピタッと閉まります。

しかも、最低限の時間しか扉を開かないため、天敵に見つかるリスクが限りなく少なくなるんです。

あとはゆっくり食べるだけですね。

 

トタテグモの繁殖

トタテグモは巣穴の中で産卵します。
子どもは穴のなかで孵化し、しばらくは親と一緒に過ごします。

クモの子どもは、糸を風に乗せて飛ぶことで、巣から遠く離れて行くのですが、トタテグモの子どもは飛ぶことはありません。
自分の足で歩いて住みかを探すんです。

 

トタテグモは長生き!?

トタテグモの通常の寿命は5~20年だと言われています。

しかし、1974年に立ち上げられたトタテグモ研究プロジェクトによると、オーストラリアの西部ウィーベルトで43歳にもなるトタテグモが観察されています。

43歳でこの世を去ったNo.16

これまで最も長寿なクモは、メキシコで確認された28歳のメスのタランチュラでしたので、大きく上回ったことになります。

今回43歳で死んでしまったトタテグモは「ナンバー16」と名付けられ、研究開始から観察されてきました。

トタテグモのメスは、一生を同じ巣穴で暮らします。
そのため、同じ場所で観察し続けたナンバー16が43歳以上生きていることは確実なんです。

しかもこのナンバー16は、寿命による老衰ではなく、ハチに刺されたことが原因で死んでしまっているんです。
ハチに刺されさえしなければ、まだ長生きしていた可能性もあります。
ちょっと残念ですね。

しかし、研究員は「トタテグモの生態などをより深く研究するのに役立った」として、ナンバー16に感謝の気持ちを表しているそうです。

 

トタテグモとクモタケ


トタテグモは地面で生活しているため、冬虫夏草の一種である「クモタケ」が寄生することがあります。
クモタケはクモの体に寄生することでその栄養分を奪うキノコの仲間です。
最終的には宿主の命を奪って発芽します。
要はクモを土台に成長するんです。

クモタケがトタテグモに寄生すると、トタテグモの巣穴の扉を開いて地上に現れます。
実はこのクモタケがトタテグモを見つける手掛かりになるんです。

トタテグモの巣穴を見つけるのはとても大変なんです。
フタが地面と一体化していますからね。

クモタケが地面から姿を現すことで「ここにトタテグモの巣があったんだな」って分かりますよね。
トタテグモは数匹が近場に固まって巣穴を作ることがあります。

クモタケを見つけることで、他のトタテグモを見つけやすくなるんです。

あとは使い古した巣穴にはフタが無くなっている場合があります。
地面にぽっかり開いた穴も、トタテグモ探しの手掛かりになるようです。

 

トタテグモは絶滅の心配が!?

キシノウエトタテグモは日本の環境省が設定しているレッドリストで、準絶滅危惧種に指定されています。

生息地の開発や民家の建設で巣穴を作れなくなり、年々数を減らしているんです。
トタテグモは小さなクモです。
開発している地域にこんな珍しいクモがいるなんて気づかないでしょう。
しかも巣穴の入り口は皮肉にもカムフラージュされています。

このまま開発が進めば、近い将来トタテグモは絶滅すると言われています。
保護が必要なんですね。

トタテグモは原始的な特徴を持っているクモです。
トタテグモを研究することで、クモの進化を解明することにも繋がります。

絶滅させないためにも、トタテグモの生息地域を特定し、その辺りの開発を規制するなどの手立てが必要なんですね。
「小さなクモに対して、行政が動いてくれるのか?」と思うと、現実的でないような気がしてしまいますが。

 

まとめ

・日本には「キシノウエトタテグモ」と「オキナワトタテグモ」が生息している。
・トタテグモは原始的なクモの特徴を持っている
・トタテグモは意外にも民家近くにも巣を作っている。
・トタテグモは巣穴に扉を付けるため「戸立て蜘蛛」と呼ばれている。
・扉には蝶番がついていて、開けた扉をスムーズに閉めることができる。
・獲物は扉の近くで待ち構えて素早く巣穴に引きずり込む
・巣穴の中に卵を産み、子どもはしばらく親と過ごす
・独り立ちした子どもは歩いて住かを探す
・クモタケはトタテグモに寄生する冬虫夏草の一種
・開発や人間の進出によってトタテグモは数を減らしている
・最年長のトタテグモは43歳だったが、ハチに刺されて死亡した。

トタテグモの狩りは本当に忍者みたいでしたね。
巣穴でひっそりと暮らして来たため、原始的な体を維持できたんでしょうか。

絶滅も心配されているため、何とか生き残ってほしいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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