詳しい生態をみていこう!
タテガミオオカミは南米に生息しているイヌ科動物で、首から背中にかけてのたてがみと長い足が特徴です。
この長い足は走ることに適していて、時速90㎞ものスピードを出すことができます。
地上動物でここまでのスピードが出せるのは地上最速のチーターくらいです。
そのため、タテガミオオカミはイヌ科では最速、地上で2番目に早く走れる動物と言われています。
イヌ界のスピードキング「タテガミオオカミ」に迫りましょう。
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タテガミオオカミはオオカミじゃない!?
タテガミオオカミは食肉目・イヌ科・タテガミオオカミ属に分類される哺乳類です。
タテガミオオカミ属にはこの種類しか存在しません。
一属一種と呼ばれるタイプですね。
食肉目といえば世界中に分布している肉食哺乳類のグループです。
ネコ科、クマ科、イタチ科などなど、食物連鎖の上位に君臨している動物たちですね。
タテガミオオカミはオオカミと名付けられていますが、オオカミとは遺伝的に別種とされています。
一般的にオオカミと呼ばれている動物は「タイリクオオカミ」という種類で、分類はイヌ科・イヌ属です。
タテガミオオカミはイヌ科・タテガミオオカミ属、つまりオオカミとは「イヌ科」という共通点しかありません。
強いて言うなら「キツネ」に近いようですが、キツネも「キツネ属」ですので、遺伝子的には遠い存在です。
タテガミオオカミは他に近い遺伝子を持っている動物がいない、唯一無二の存在なんです。
イヌ科ということや体が大きいことが理由で「オオカミ」と名付けられたのでしょうね。
だから分類的には「タイリクオオカミの亜種」ってことらしいんだ!
タイリクオオカミから品種改良して、今のような様々な姿、大きさに変えられていったんだ!
タテガミオオカミの特徴!
タテガミオオカミは体長122~132cm、体重は20~23kgです。
ギリギリ大型犬に含まれるかな~ってほどの大きさです。
しっぽは30~45cmほどと、そこまで長くはありません。
体の色は赤っぽい褐色で、手足の先は黒い毛で被われます。
大きな耳としっぽの先は白い毛です。
肩から背中にかけて黒い毛が生えていて、これがタテガミに見えることが名前な由来ですね。
タテガミオオカミ一番の特徴はその足の長さでしょう。
肩から地面までの高さ(肩高)は70~90cmにもなります。
イエイヌで最も肩高が高い犬種は「アイリュッシュウルフハウンド」で、80~90cmほどです。
タテガミオオカミはこの犬と同じくらい足が長いということになりますが、アイリュッシュウルフハウンドは体重50~60kgにもなる超大型犬です。
タテガミオオカミは20kgほど、、、
つまりタテガミオオカミは体の大きさに比べて、とてつもなく足が長いということになりますね。
タテガミオオカミの足の速さはチーター並み!?
タテガミオオカミは少し変わった歩き方をします。
前足と後ろ足で、同じ側の足を前に出すんです。
人間で例えるなら右手と右足、左手と左足を同時に前に出す歩き方ってことになります。変ですよね。
この歩き方はキリンやオカピに見られる特徴です。
そしてタテガミオオカミの長い足は早く走ることに適しています。
最高速度はなんと時速90km!
地上最速と言われている動物はもちろんチーターで、最高速度は時速120kmとも言われます。
車並みです。
ただ、これは瞬間最高速度で、このスピードをずーっと維持できるわけではありません。
チーターなどのネコ科動物は意外にも持久力がないんです。
タテガミオオカミなどのイヌ科動物は持久力が高いことが知られています。
オオカミは何㎞も獲物を追跡することで、疲れはてたところを仕留めます。
地球上最も狩りがうまいと言われているイヌ科のリカオンも追跡により獲物を仕留めています。
タテガミオオカミもイヌ科なので、持久力は優れています。
さすがに時速90kmを維持するのは難しいかもしれませんが、それでもチーターよりは長い距離を走れると考えられています。
長距離走のスピードならタテガミオオカミの方が速いと言えますね。
ちなみに最速の犬種は「グレイハウンド」で、最高時速70kmです。
グレイハウンドは速く走れるように改良されてきた犬種ですが、タテガミオオカミはそれをはるかに越えていますね。
タテガミオオカミの生息地はどこ?
タテガミオオカミは南米に生息しています。
アルゼンチン、ブラジル、ボリビア、パラグアイ、ペルーが分布域です。
アマゾンや森林ではなく草原や沼地などを住処としていて、背の低い木が所々に生えているような地形を好むようです。
長い足は背の高い草でも見晴らしよく歩くことに適しています。
また、各足の3番目と4番目の肉球がくっついています。地面に接する面積が広くなることで、足場の悪い地面や泥の上でも歩けるように進化したのだと考えられています。
森の中には「ヤブイヌ」というイヌ科動物がいるけど、小型犬くらいの大きさなんだ!
タテガミオオカミの生態!食べ物は何?
タテガミオオカミは群れは作らず単独で行動します。
ただ、繁殖期にはペアで生活する姿も見られます。
夜行性で、涼しくなる夕方頃から活発に活動し始めます。
縄張り意識も強く、尿や鳴き声によって他の個体に自分の存在をアピールしています。
食性は雑食です。
主に小型哺乳類、爬虫類、昆虫類を獲物としています。魚類も食べるみたいです。
タテガミオオカミは耳が良いため、聴覚で獲物を見つけます。
そして気づかれないように忍び寄って持ち前のスピードで仕留めるんです。
キツネがネズミを捕まえるように、跳び跳ねて襲いかかる姿も確認されています。
雑食性なのでフルーツやトマトなどの農作物を食べることもあります。
繁殖期は8月~10月で、2~5頭の赤ちゃんが産まれます。
両親共に子育てに奮闘し、父親が捕まえてきた獲物を吐き戻して与える姿も観察されています。
生後1年ほどで自立し、2歳には子どもを作れるようになります。
タテガミオオカミの性格は?
タテガミオオカミはイヌ科の中でも比較的臆病な性格をしているようです。
警戒心も強く、人を見ると隠れてしまいます。
ただ、子どもの頃から育てれば飼い慣らすこともできるようで、凶暴さは持っていないと言われています。
タテガミオオカミはペットにできるの?
タテガミオオカミは野生動物を保護する国際条約「ワシントン条約」に登録されているため、個人的に飼育することはできません。
取引には輸出する国の許可が必要なんです。
生息地の開発や害獣としての駆除により生息数は減少しつつあるようです。
絶滅を心配する声も上がってきています。
レッドデータブックのカテゴリーは「準絶滅危惧種」です。
放置していたら絶滅する可能性もあります。
飼い慣らすことはできるようですが、国際的に保護されているため、個人が飼育するのは現実的ではありません。
まとめ
タテガミオオカミはイヌ科最速にして、地上ではチーターに次ぐスピードを誇ります。
その姿はものすごく足が長く、スラッとしていますね。
南米という過酷な環境で生き残るために、このような進化をしたのでしょうか?
事実、今日まで生き残れているのはタテガミオオカミが優れた生態を持っているからでしょう!
しかし、生息地の開発はタテガミオオカミに悪影響を与えています。
絶滅する前に保護に力を入れて欲しいですね。
またね~
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