レッサーパンダはその桁違いにかわいい見た目から動物園の人気者ですよね。
多くの動物園で飼育されているため、皆さんも1度は見たことがあるのではないでしょうか。
顔、形、色、そして動き、どれを取ってもパーフェクトにかわいいです。
私個人が思うかわいい動物ランキングでも、ずーっと上位に君臨しています。
動物園のレッサーパンダは知っていても、野生のレッサーパンダのことはあんまり知らないんじゃないでしょうか?
何の仲間?
どこに住んでいるの?
何を食べているの?
どんな性格をしているの?
などなど、人気なのに意外と知られていませんよね。
では、レッサーパンダの詳しい生態についてお話します。
今日はかわいい動物の代表格「レッサーパンダ」に迫ってみましょう。
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レッサーパンダ
Foto by Wikimedia
レッサーパンダ | |
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学名 | Ailurus fulgens |
英名 | Lesser panda Red panda |
生息地 | 中国南部、インド北東部、ネパール、ミャンマー、チベット |
体長 | 50~64㎝ |
体重 | 3~6㎏ |
レッサーパンダは食肉目・レッサーパンダ科・レッサーパンダ属の哺乳類です。
以前まではアライグマ科として分類されていましたが、研究が進むにつれ独立していることが判明しました。
現在はレッサーパンダのみでレッサーパンダ科を構成しています。
レッサーパンダとパンダ
Foto by Wikimedia
皆さんはパンダと聞いてどの生き物を想像しますか?
ほとんどの人が「ジャイアントパンダ」を想像するのではないでしょうか。
でもでも、実は最初にパンダと呼ばれてのはレッサーパンダなんです!
1825年にレッサーパンダをヒマラヤで初めて見たヨーロッパ人が、現地の人に名前を尋ねたところ「ネガリャポンヤ」と答えられたそうです。これは現地の言葉で「竹を食べるもの」という意味です。
「ポンヤ」の部分が変換されていって、レッサーパンダを単に「パンダ」と呼ぶようになりました。
その後、同じような食性を持つ動物が見つかり、その動物が「ジャイアントパンダ」と名付けられました。ただ、こちらの方がインパクトが強かったようで「パンダ=ジャイアントパンダ」という考えがメジャーになっていったんです。
パンダと呼ばれていたレッサーパンダにはその後「lesser(小さい)」が付け加えられて、区別されるようになりました。
ちなみに中国語でレッサーパンダは小熊猫、ジャイアントパンダは大熊猫です。
こちらもレッサーパンダが先に熊猫と呼ばれていましたが、後に大小で区別するようになりました。
レッサーパンダの生息地
レッサーパンダはインド北東部、中国(四川省南部)、ネパール、ミャンマー、ブータンの標高1500~4800mの熱帯や亜熱帯の森林、竹林に生息しています。
樹上性の動物です。
ちなみにレッサーパンダは生息地によって、2種類の亜種に分類されます。
シセンレッサーパンダ
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中国南部からミャンマー北部にかけて生息しています。
体の色が濃く、大型なのが特徴です。
日本で飼育されているレッサーパンダはほとんどがこの種類です。
ネパールレッサーパンダ(ニシレッサーパンダ)
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インド北東部、ネパール、ブータンに生息していて、日本では熱川バナナワニ園のみで飼育されています。
体色は薄いです。
レッサーパンダの特徴
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レッサーパンダはしっぽを除いた体長が50~64㎝。しっぽの長さは28~50㎝で、体長と比べてかなりの長さがあります。
体重は3〜6kgです。
彼らの全身には長くて柔らかい体毛が生えています。
四肢の裏にも毛が生えていて、樹上でも滑りにくくなっています。
木の上で生活できるような体の造りを持っているんですね。
また、指の数は5本ですが、手首の骨の一部が変化して指のような突起になっています。
これは「六指突起」と呼ばれる、第6の指のようなもので、他の指と向き合うことで物を掴めるようになっています。
パンダと同じ特徴です。
ちなみに爪は少しだけ引っ込めることができます。
体の色は基本的に赤みがかった茶色です。
これは別名の「アカパンダ」や「Red panda」の由来でもあります。
ただ、個体差も結構あり、中には黄色っぽい子もいます。
しっぽは淡い色と濃い色のしましまです。
しっぽ掴むのめっちゃかわいいですよね。
レッサーパンダの生態
レッサーパンダは夜行性か早朝や夕方に活発になる「薄明薄暮性」と呼ばれる生活スタイルです。
ただし、夏場は昼間も活動するようです。
群れは作らず単独で生活しています。
縄張り意識が強く、おしりの周りの臭腺から出す強い臭いで縄張りをアピールします。
特にオスのマーキングはかなり頻繁に行われます。
レッサーパンダがこんな行動をするとものすごく愛嬌を感じるよね!
レッサーパンダの性格は凶暴?
食肉目のレッサーパンダは意外にも凶暴な性格をしているとも言われています。
ただ、人に対して牙を向けるかというとそこまでは無いようです。
祖先は肉食性ですが、草食性に変わったために、落ち着いた性格になったのかもしれません。
飼育下でも懐っこい一面があるようで、ふれあいに出せそうな子もいるほどです。
ただし、食肉目特有の鋭い牙は健在でアゴの力も強いため、噛まれると大変です。
鋭い爪も持っています、、、
よく比較されるアライグマほどの凶暴さは持っていないようです。
レッサーパンダの威嚇はちょ~かわいい
縄張り意識の強いレッサーパンダはライバルと出会うと威嚇します。
後ろ足で立ち上がって前足を上げるんです。
「ガオー」って鳴き声が聞こえてきそうなほどかわいいですよね。
本人たちはまじめなんでしょうけど、、、
Foto by Wikimedia
ちなみに南米のヒメアリクイも威嚇のときバンザイします。
そのかわいさはレッサーパンダに引けも劣らぬポテンシャルを秘めています!
レッサーパンダの食べ物
レッサーパンダは食肉目に分類されます。
これにはネコ科やイヌ科、クマ科なんかも属しています。
つまり肉を食べるグループですね。
しかし、レッサーパンダは限りなく草食性に近い雑食性です。
主食は竹やタケノコ、果実などの植物です。
たまーに昆虫や鳥の卵、動物の死骸などを食べます。
これはジャイアントパンダも同じ境遇だね!
レッサーパンダの繁殖
レッサーパンダの繁殖期は6~8月です。
この時期にだけペアで行動するようになります。
妊娠期間は90~150日間で、木の穴や岩の隙間に通常は2頭の赤ちゃんを産みます。
最大で4頭を産んだこともあるようです。
授乳期間は5ヶ月で、メスのみが子育てをします。
生後1年ほどで親と同じ大きさまで成長し、性成熟までは12~18ヶ月です。
レッサーパンダの寿命
野生のレッサーパンダの寿命は8~10年だと言われています。
飼育下だと寿命は延び、20歳以上の長寿を飼育していた例もあります。
・24歳(到津の森公園「楠」)
・22歳(神戸市王子動物園「ヤンヤン」)
・22歳(旭山動物園「朝朝」)
・22歳(到津の森公園「トントン」)
・21歳(池田動物園「サンサン」)
・21歳(鯖江市西山動物園「ランラン」)
レッサーパンダの天敵
野生のレッサーパンダの主な天敵は、チベットやヒマラヤなどに生息している「ユキヒョウ」があげられるようです。
他にもヒョウ、ワシやタカ、オオカミも天敵とされています。
ただし、オオカミは駆除によって数を減らしているため、現在は天敵とは言えないみたいです。
ヒョウはアフリカ大陸にいるイメージがありますが、実はアジアにもいるんです。
レッサーパンダの生息地にもいて、捕食されることもあります。
レッサーパンダは絶滅危惧種!?
レッサーパンダは現在「絶滅危惧種ⅠB類」に指定されています。
主な理由は生息地の開発です。
森林伐採や焼き畑、同じ種類の木のみの植林によってエサが減り、繁殖もできなくなっているんです。
また、毛皮、ペット目的の乱獲、飼い犬からの犬ジステンパー病の伝染なども心配されています。
ネパールでの1994年の生息数は300頭、中国では2500頭まで減っています。
ワシントン条約にも記載され、取引や捕獲の禁止によって保護されています。
レッサーパンダはペットにできる?
レッサーパンダをペットとして飼育することはできません。
レッサーパンダはワシントン条約によって国際的な取引が規制されています。
個人的に飼うことはできないんです。
レッサーパンダの未来は日本の動物園にかかっている?
ペットにできないレッサーパンダですが、日本の多くの動物園で飼育されています。
しかも、日本の動物園は世界の動物園のレッサーパンダのうち、4分の1が飼育されているんです。
繁殖に成功している例もあります。
絶滅の心配がされているレッサーパンダですが、日本の動物園が他の動物園と協力し合えば、種の保護に繋がりますよね。
世界中の動物園との連携も取れるはずです。
もちろん、野生のレッサーパンダを絶滅させないのが一番です!
ただ、動物園での保護も大切なことなんです。
繁殖に成功することはその動物の未来にとっても重要なことなんだよ!
こんなかわいい子たちを絶対に守っていかなくては!!
まとめ
レッサーパンダは動物園の人気者です。
なんて言ったってかわいすぎますからね。
威嚇は本当にかわいいです。
ですが野生のレッサーパンダはなかなかたくましい生活を送っていたんですね。
食性は草食性ですが、肉食な部分も持っているようです。
絶滅が心配されています。
日本の動物園が飼育に力を入れ続ければ、種の保全に繋がりますね。
こんなかわいい動物を絶滅させたら絶対にダメですよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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