タチヨタカという鳥を知っていますか?
タカってついてますけど、ワシやタカのような猛禽類じゃないんです。
タチヨタカは南米のジャングルの奥深くに生息しているのですが、現在世界中で人気沸騰中なんです。
「人形みたい」「この世のものとは思えない」など、インターネットを中心にタチヨタカの話題が広がっています。
人気の理由はタチヨタカが見せる変顔です。
世界広しと言えど、これほどまでにユニークな顔ができる動物はそうそういません。
本当にぬいぐるみかと思ってしまうほどです。
タチヨタカとはどんな鳥なんでしょうか?
また、変顔の理由とは?
世界屈指の変顔の達人「タチヨタカ」に迫ってみましょう。
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タチヨタカのおもしろ画像集
まずはタチヨタカの変顔を見ていきましょう。
どうです?
本物とは思えないでしょう?
2次元の世界の生き物としか思えないのは私だけでしょうか?
これが生きている鳥なんですよ。
いやー動物って面白いですね。
顔面に衝撃を受けたところで、タチヨタカの詳しい説明に入りましょう。
タチヨタカってどんな鳥?
タチヨタカはヨタカ目・タチヨタカ科・タチヨタカ属の鳥類です。
ヨタカとは漢字にすると「夜鷹」です。
タカのような猛禽類の仲間ではありませんが、飛ぶ姿がタカに似ていたこと、そして夜行性なことが名前の由来です。
ヨタカ目は南極以外の世界中に生息している鳥のグループで、全身が枯れ葉や枯れ木のような体色、大きな口を持つのが特徴です。
タチヨタカ属には確認できるだけで7種類が存在します。
ハイイロタチヨタカ
オオタチヨタカ
オナガタチヨタカ
ジャマイカタチヨタカ
アンデスタチヨタカ
ハジロタチヨタカ
サビイロタチヨタカ
タチヨタカの生息地
タチヨタカは全種類が南米に生息しています。
ただ、南米と一言でまとめても、ものすごく広いです。
生息している地域ごとに、独自の特徴を持つようになったんですね。
生態に関してはどのタチヨタカも基本的には同じなようです。
タチヨタカの特徴
タチヨタカの全長は21~58cmです。だいたいカラスと同じくらいの大きさです。
一番の特徴は木にそっくりな体の色です。
ヨタカ目の鳥は枯れ木にそっくりな体色をしていますが、タチヨタカは一段とそっくりですね。
夜行性なため、昼間は木にとまってじっとしています。
木の幹に垂直にとまるため、「立ちヨタカ(タチヨタカ)」と名付けられました。
「タチヨ・タカ」じゃなくて「タチ・ヨタカ」が正解ですね。
垂直にとまることで、木の枝分かれした部分に見えます。
また、空の上にタカなどの天敵が現れると、体をググーっと伸ばして、さらに木の枝にそっくりになることもできます。
どこにいるか分かりますか?
くちばしでなんとか分かるって感じですね。
擬態が得意なんですね。
ジャングルで身を守るのには一番の方歩です。
特にタカなどの猛禽類は目を頼りに獲物を探しています。彼らがいかに優れた視覚を持っていても、獲物と認識されなければ狙われることもありません。
タチヨタカの食べ物
夜になるとタチヨタカは活発に動き出します。
食べ物は飛んでいる昆虫です。
大きな瞳ら暗闇の中のわずかな光をキャッチすることができます。
どんなに暗くても昆虫を見つけることができ、飛びながら大きな口で丸飲みにします。
あの大きな口は、飛びながら昆虫を食べるために必要だったんですね。
暗闇でも見える目、大きな口で昆虫を確実に食べていきます。
意外とハンターなんですね。
タチヨタカはぬいぐるみっぽい!?
夜行性のタチヨタカは昼間は目を閉じてじーっとしています。
変顔の欠片もないですね。
夜は目が開くため、かなり変顔に近いです。
ただ、大きな口を開いてこちらに見せてくるような、あの変顔ではないですよね。
タチヨタカが一番の変顔を見せるのは、実は昼間なんです。
上空にタカが飛んできたときは、動かずにじーっと耐えていました。
しかし、近くに天敵が迫ってくると変顔を見せます。
大きな目だけでなく、口も開いて威嚇しているんです。
そう!冒頭でも見たあの顔ですね。
目だけでも作り物に見えるのに、大きすぎる口を見せられるとさらに人形みたいですよね。
本物と分かっていても「これは作り物かも」っていう錯覚におちいってしまいます。
ちなみに南米では民家近くにもタチヨタカがいるみたいです。
うらやましいですね。
口を大きく開くことで、口の中の赤い色が目立ちます。
実は、タチヨタカが突然目を開いて真っ赤な口を見せることで、野生のサルをはじめとする動物達は、ものすごくビックリしてしまうようなんです。
野生界ではほとんど見ない色と形の組み合わせですからね。
怖がるのも無理はありません。
人間でもビックリしてしまいますもんね。
タチヨタカは昼間は枝に変身しながら、さらに変顔という威嚇によって身を守っているんですね。
これもまた厳しいジャンルの世界を生き残るために身につけた独自の護身術ですね。
タチヨタカの鳴き声
昼間は眠っているタチヨタカですが、夜になると活発です。
もちろん、鳴き声をあげることもあります。
タチヨタカの鳴き声がこちらですね。
う~ん、、、不気味なようなかわいいような、、、
深夜のジャングルでこんな声が聞こえたら結構怖いかもしれません。
変顔が得意な鳥ですからね、鳴き声が変でもおかしくはないですね。
ただ、声の正体がタチヨタカがだと分かればかわいらしく感じてしまいますね。
タチヨタカの子育て
タチヨタカは夫婦で1羽の子どもを育てます。
メスは卵を木の切り株などに産みます。
温めるのはオスの役目です。
ジャングルには天敵が多いため、ヒナがかえってからも気は抜けません。
親は変顔を駆使してしっかりと我が子を守ります。
また、南米とは言え雨が降るとヒナの体温は急激に下がってしまいます。
特にこの地域は雨が多いため、意外と気温が下がってしまうんです。
雨が降ると親が傘代わりになって、必死にヒナを寒さから守ります。
変顔の印象が強すぎて、あまり頼りなさそうな印象を持っていたんですけど、やはり南米を生き抜いているだけのことはありますね。
たくましいです。
タチヨタカはペットとして販売されてる?動物園は?
残念ながらタチヨタカをペットとして飼育することはできません。
タチヨタカを販売しているペットショップはありませんし、飼育例もないんです。
絶滅の心配は現在のところされていませんが、タチヨタカの生息地は開発が進められていて、生息数が減っている可能性があります。
もしかしたら周辺諸国に保護の対象とされているかもしれません。
また、タチヨタカを飼育している動物園も、残念ながら日本には存在していません。
タチヨタカを見るためには現地南米に行くしかなさそうですね。
ジャングルですけど。
多摩動物公園には「ガマグチヨタカ」がいる!
タチヨタカに比較的似ている鳥に「ガマグチヨタカ」というものがいます。
ガマグチヨタカはタチヨタカと同じヨタカ目の鳥で、枯れ木のようなカラー、幅の広い嘴を持っています。
ガマグチのような口が特徴なんです。
こうやって見ると結構似てますね。
タチヨタカほどの変顔ではありませんが、大きく真ん丸な目に大きな口はタチヨタカを彷彿とさせます。
枯れ木に擬態できそうなところなんかもそっくりですね。
東京の多摩動物公園で「オーストラリアガマグチヨタカ」が飼育されています。
2009年にはヒナが孵化しています。
日本にはヨタカが渡ってくる
タチヨタカと同じヨタカ目の鳥「ヨタカ(夜鷹)」は夏に日本に渡ってくる夏鳥です。主に九州や本州で見られます。
タチヨタカのような変顔は持っていませんが、くちばしの幅広さは健在です。
夜行性で、夜になると森を飛び回って昆虫を食べます。タチヨタカと同じですね。
「キョキョキョキョキョキョ」と大きな声で鳴くのが特徴で、夏の夜には森からこの声が聞こえてくることもあります。
ちなみに宮沢賢治の短編小説「ヨダカの星」には、主人公としてヨタカが登場します。
まとめ
タチヨタカは昼間は枝に擬態していますが、身の危険が迫ると変顔で威嚇します。
あんな迫力満点の顔で威嚇されてら、どんな動物でも逃げてしまいそうですね。
夜に虫を探して飛び回る姿は、まさに夜の森の王者って感じですね。
大きな目と大きな口は、暗闇で虫を捕まえるのに適していたんです。
残念ながら日本でタチヨタカを見ることはできませんが、少し似たガマグチヨタカやヨタカなら見ることができそうです。
気になる方は多摩動物公園を訪ねてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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