だってイタチに翼はないよ!
襲った鳥が逃げたときに背中に乗ってしまったとしたら?
そこまで体格差があったらそもそも襲いかからないんじゃないの?
イイズナはイタチの仲間で、世界最小のイタチと呼ばれるほど体が小さいのが特徴です。
このイイズナ、小さいくせに凶暴な性格をしていて、自分より大きな獲物を襲うこともしばしば!
体格差がありすぎて逆に食べられてしまうこともあるんだとか、、、
最小にして最凶のイタチ「イイズナ」の秘められた生態をお話しします。
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イイズナは空を飛ぶイタチ!?
空飛ぶイタチの写真が話題になっています。
キツツキの一種「アオゲラ」が飛んでいる背中に、しがみつくようにして小さな小さなイタチが乗っていたんです。
この合成のような写真はイギリスのアマチュア写真家マーチン・ルメイさんが2015年3月にロンドンで撮影したものです。
専門家が写真をくまなくチェックしたところ、合成の痕跡は無かったと判明しています。
信じられないかもしれませんが、実際にイタチが鳥に乗って空を飛んでいたんです。
この小さなイタチは「イイズナ」といいます。
北米、北ヨーロッパなどの寒い地域に生息していて、日本にも北海道、青森県、秋田県、岩手県に分布しています。
体長は20cmほどで、世界で最も小さな肉食動物(食肉目)とされています。
英名の「Least Weasel」も「最小のイタチ」っていう意味です。
イイズナは小さな体なのにとても凶暴な性格をしています。
そのため、自分より大きなウサギや鳥に襲いかかることがあるんです。
先ほどの写真でイイズナを乗せていたアオゲラは地面でアリを食べる鳥です。
そのため、イタチなど地上を住処としている肉食動物に襲われることが多いんだとか。
アオゲラに襲いかかったイイズナが、驚いて空中に逃げた鳥にしがみついたまま一緒に飛び立ってしまった決定的瞬間だったんですね。
イイズナの性格が凶暴すぎて獲物を逃がすまいとした結果、このような空中遊泳に繋がったのでしょう。
しばらく空の旅を楽しんだイイズナでしたが、アオゲラが疲れて地上に降りたところで撮影者に気付き、食べるのを諦めて森に逃げていったそうです。
アオゲラにとっては結果オーライでしたね。
たぶん目の前の獲物に夢中で気付いてなかったんじゃないかな
イイズナは襲いかかった獲物に食べられることも、、、
イイズナが獲物とする動物は基本的に地面の穴で暮らしているネズミです。
というのも、彼らがここまで小さくなったのは、ネズミの巣穴に入るためなんです。
小さいネズミは巣穴に入ると、ほとんどの肉食動物が手出しできなくなります。
ネズミを狙うライバルは少ないということですね。
そこでイイズナは効率よく獲物にありつけるように、自分の体を小さくするという進化を遂げたんです。
それなのに性質が荒いため、目に入った食べられそうな動物に襲いかかってしまいます。
ウサギや小型の鳥なら大丈夫ですが、大型のサギ類に挑んでしまうこともあるんだとか!
その結果、、、食べられちゃいます。
サギ類も肉食性です。
普段は昆虫をつついていますが、口に動物が近づいてきたら食べますよね。
イイズナは体が小さいため、十分飲み込める大きさです。
イイズナの無鉄砲な性格が、ときに命を落とすことに繋がってしまうんです。
いくらなんでも固すぎて噛めないでしょ!
イイズナとオコジョに違いはあるの?
イイズナとよく似ているイタチ科の動物にオコジョがいます。
どちらも夏は茶色、冬は白の体毛に変化します。
獲物もほぼ同じで、オコジョもイイズナに負けないほど荒い性質を持っているのですが、両者に違いはあるのでしょうか?
最もはっきりしている違いはしっぽです。
イイズナのしっぽが3cmほどなのに対し、オコジョは5~7cmと倍近く長くなります。
また、オコジョのしっぽの先は年間通して黒い毛が生えていますがイイズナにはありません。
大きさもイイズナの体長が平均20cmなのに対し、オコジョは25~30cmです。
ただ、生息地によってオコジョも小柄になるそうなので、大きさで見分けるのは難しそうですね。
あとは生息地です。
オコジョは標高1200m以上にある森林に生息していますが、イイズナは低地にある森を住処としています。
ちゃんと住み分けしているんですね。
意外にもオコジョより身近な存在だったんだね
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イイズナはペットにできるの?
凶暴な性格のイイズナですが、見た目は本当にかわいいですよね。
フェレットのようにペットにできるイタチ科もいるため、イイズナを飼いたい人もいるんじゃないでしょうか。
しかし、イイズナをペットにすることはできません。
実はイイズナは絶滅の恐れがあるとして、レッドデータブックに登録されているんです。
理由は森林の開発です。
日本だけでなく世界的に見ても、イイズナの生息地は減りつつあるんです。
そもそもでペットになんてできないよね
イタチ科には凶暴な動物が多い!
イイズナが属しているイタチ科の仲間ですが、他にも凶暴な動物が存在しています。
クズリ
北アメリカ、ロシア、北欧を生息地としているクズリは現地ではクマよりも恐れられているイタチ科の動物です。
凶暴な性格で、目の前に現れた動物は大きさや種類に関係なく、とりあえず襲いかかります。
クズリは雪の中でも自由に走れる幅の広い足の裏を持っていて、雪に足がとられてしまった動物を襲います。
さらに木の上からピンポイントで相手の脊椎を噛み砕くという恐ろしい技も持っています。
地上最大の肉食動物「ホッキョクグマ」を殺傷した記録もあるほどです。
クズリは凶暴な性格、雪でも自由自在に動き回れる体の造りにより「北欧最強生物」とも呼ばれます。
ラーテル
インド~アフリカ大陸を生息地としているラーテルは「世界一怖いもの知らずな動物」としてギネスブックに登録されています。
まさしくその通りでライオン、ハイエナ、ヒョウといった、あきらかに自分より大きな動物に対しても牙を向けます。
自分が襲われることなんて考えてないのかもしれないね、、、
ラーテル最強の武器は頑丈な皮膚です。
特に背中の皮膚はダルンダルンで、ライオンの牙や爪すらも無効化してしまいます。
装甲車のような体なんです。
さらにコブラの毒に耐性を持っていて、噛まれても少しだけ動けなくなるだけで復活します。
ラーテルはアフリカ最強とも言われています。
性格が荒すぎるんだね!
ラーテルとクズリはその凶暴な性格から、度々世界最強生物の候補にあがります。
まとめ
イイズナは小さいくせにどんな動物でも獲物にする強気な動物です。
獲物の鳥が飛んでも離さないなんて、食い意地がすさまじいですよね。
世界最小の肉食動物なのに、ハートは大きすぎます!
イタチ科の仲間は凶暴な動物が多いですが、イイズナ、クズリ、ラーテルが最強の候補に上がるようです。
共通点は「気性の荒さ」ですね。
強気な姿勢は、ときに体格差を感じさせない存在感を発揮するということでしょう。
「もしかしたら相手動物はこれらのイタチ科動物がものすごく大きく見えている」なんてこともあり得そうですね。
ペットにしたいくらいかわいい見た目のイイズナですが、飼い主に対しても攻撃性を向けてきそうです。
現実的に飼育するのは難しいと言えますね。
最後まで読んでくれてありがとうね~!
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