過去には日本のいたるところに存在していたんだけど、今では絶滅してしまったんだ、、、
やっぱり人間が関係しているの?
でも目撃証言もあって、望みは繋がっているんだ!
ニホンカワウソはかつて北海道から九州まで、日本のあちこちに生息していたカワウソです。
日本の固有種として、彼らは昔から人間の生活に深く関わってきました。
しかし、現在ニホンカワウソの生きている姿を見ることはできません。
絶滅してしまったんです、、、
一体なぜ、彼らは絶滅しなければならなかったのでしょうか?
また、生存の可能性はないのでしょうか?
日本人が犯してしまった罪、、、
『ニホンカワウソ』の真実に迫りましょう。
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ニホンカワウソってどんな動物?
ニホンカワウソは食肉目・イタチ科・カワウソ属に分類されます。
ただ、独立した種ではなく『ユーラシアカワウソ』の亜種とされています。
つまり「日本列島とユーラシア大陸がつながっていた時は1つの種類だったのですが、大陸の分裂と共に日本に取り残されたカワウソが独自の特徴や生態を作っていったのがニホンカワウソ」ということになります。
このように離れた大陸に同じ種類の動物が亜種として存在している例は多数あり、これが大陸が繋がっていたことを裏付ける証拠にもなります。
今では離れた大陸だけど、大昔は繋がっていたってことになるね!
ニホンカワウソは古くから日本人と深い関わりがありました。
あの有名な妖怪『河童』のモデルとも言われています。
獺(かわうそ)って文字には「川に住む恐ろしい動物」っていう意味があるんだって!
ニホンカワウソの特徴!大きさはどれくらい?
ニホンカワウソは体長64~82㎝、体重は5~11㎏です。だいたい中型犬と同じくらいのサイズですね。
イタチ科ということで、胴長短足です。大きめのダックスフントってところでしょうか。
しっぽは体の半分ほどの長さがあります。
体の特徴はユーラシアカワウソと大差ありません。
カワウソの仲間は生活の大半を水中で行います。
そのため、毛皮は外側の荒い体毛、内側の細かい綿毛の2層(ダブルコート)に分かれていて、体温の低下を効果的に防ぐつくりをしています。
ビーバーの毛皮もとっても高級なんだよ!
ニホンカワウソの生息地!日本のどこにいたの?
ニホンカワウソは明治時代までは北海道から九州まで、幅広い地域に分布していました。
しかも対馬や壱岐の島、五島列島にも生息していたため、日本中に存在していたことになります。
川だけでなく、沿岸地域や砂浜にも生息していたようです。
カワウソは環境に適応する能力が高く、実際に世界中でもオーストラリアとニュージーランド以外の地域にその仲間が生息しています。
日本でも持ち前のタフさで、いたるところで暮らすことができたんですね。
しかし、昭和に入るとニホンカワウソは激減の道をたどります。
1954年には本州と九州の個体が絶滅、1955年には北海道でも最後の個体が確認されたきりとなってしまいました。
ついにその生息地は四国のみ、高知県と愛媛県だけになってしまったんです。
ちなみに、日本の各地域に生息していたニホンカワウソは、場所によってルーツが違うとの意見もあります。
例えば北海道にいたニホンカワウソはロシアやサハリン州のユーラシアカワウソと同系統、本州や九州のニホンカワウソは中国大陸のユーラシアカワウソと同系統だったという研究結果も報告されています。
ただ、四国のニホンカワウソのみ、他よりもかなり古い段階で分離した個体群であることが判明しています。
他の地域が10万年前に大陸のユーラシアカワウソから分離したのに対し、四国のニホンカワウソはなんと120万年前に独立していたんです。
こうなると四国のニホンカワウソが日本独自の生態を持っていたことは疑いようもありませんよね。
絶滅してしまったことが本当に悔やまれるね、、、
ニホンカワウソは愛媛の県獣!?
さて、四国がニホンカワウソ最後の生息地になったことは説明しましたね。
そのうち、愛媛県はニホンカワウソを県を代表する動物『県獣』に指定しています。
愛媛県の公式マスコットキャラクターはカワウソをモチーフにした『なーしくん』です。
さすがはニホンカワウソ最後の生息地、、、愛媛県はカワウソに対して特別な思い入れがあるようですね。
ニホンカワウソの生態!食べ物は何?
日本中に生息していたニホンカワウソですが、今では絶滅してしまいその暮らしぶりを見ることはできません。
ただ、古くから日本人と関わりの深かった動物です。今でも記録は残っています。
まず食べ物はエビやカニなどの甲殻類、魚やカエルなどです。
イタチの仲間ということで肉食性だったんですね。
夜行性で、主に単独で行動していました。
ニホンカワウソは縄張り意識が高く、フンによるマーキングは頻繁に行われていたようです。
また、1頭が持つ巣(泊まり場と呼ばれる)の数は3、4個と多く、1㎞の行動域の中を巣を転々としながら移動していました。
縄張り意識が高いよね!
ニホンカワウソの絶滅について!理由や原因は?
何度も説明している通り、ニホンカワウソは現在、地球上のどこにも存在していません。
日本の環境省が設定しているレッドデータブックのカテゴリーは『絶滅(EX)』です。
最も重いカテゴリーですね。
ただ、ニホンカワウソはユーラシアカワウソの亜種です。
そのため、世界規模で見るとユーラシアカワウソが存在している限り、種が絶滅したということにはならないんです、、、
どうして絶滅しちゃったの?
1.毛皮や肝臓目的の乱獲
2.生息環境の悪化
ニホンカワウソの毛皮は保温力に優れていたため、衣料の材料として重宝されました。
さらに肝臓は結核や眼病の薬になるとして、これら目当ての狩猟も行われました。
1906年には900頭近い捕獲数があったのに、その10年後にはわずか7頭しか捕獲されませんでした。
それほどまでに手加減なく乱獲された、ということです、、、
事態を重く見た日本政府は1928年にニホンカワウソの狩猟を禁止します。
1964年には国の天然記念物に、その翌年には特別天然記念物に指定されました。
が、時すでに遅し。ニホンカワウソの生息数は壊滅的なまでに減っていました、、、
生活のかかっていた人たちにとって、ニホンカワウソの猟は生きるための手段だからね、、、
さらに追い打ちをかけるかのように、日本は高度成長期を迎えます。
河川には汚れた排水が流され、森林は伐採されました。
ニホンカワウソの住処はどんどんなくなり、わずかに残っていた個体群も姿を消してしまいました。
そして1979年に高知県で目撃されたものを最後に、ニホンカワウソの姿は目撃されていません。
2012年についに絶滅種に指定されたんです。
ニホンカワウソが対馬で目撃!?生き残りなの?
絶滅宣言されたニホンカワウソですが、その後は根拠のない目撃例が多数報告されています。
しかし、2017年ついに長崎県の対馬にて、野生のカワウソが生きている姿を琉球大学の研究員たちがビデオにとらえられました。
日本国内で生きたカワウソが確認されたのは実に38年ぶりでした。
ではこの『対馬のカワウソ』は何者なのでしょうか?
フンが採取され、DNA検査が行われた結果、対馬のカワウソは韓国に生息しているユーラシアカワウソであることが判明しています。
本州のカワウソでも、四国のカワウソでもなかったんです、、、
朝鮮半島と対馬は比較的近い距離にあり、海流に流されて数十キロ先の対馬に流れ着く可能性は十分に考えられます。
残念ながら、対馬で発見されたカワウソはニホンカワウソではありませんでした、、、
ニホンカワウソ生存の可能性は?
ニホンカワウソ生存の有力情報は、現在のところありません。
目撃情報はありますが、ほとんどの場合外来種のヌートリアを見間違えたなど、ニホンカワウソには程遠いものばかり、、、
対馬でのカワウソ発見は衝撃的でしたが、純粋なニホンカワウソの生存の可能性は絶望的なのかもしれません。
まとめ
ニホンカワウソはかつて日本のいたるところに生息していた動物です。
多くの書物にも登場し、伝説の河童のモデルにもされました。
しかし、人間の身勝手により絶滅、、、
今ではその姿を見ることはできず、本当に伝説と化してしまいました。
このように、人間による乱獲で絶滅してしまった動物は世界中にたくさんいます。
乱獲だけでなく、環境汚染も深刻な問題です。
ニホンカワウソの二の舞にしないためにも、かっれらの犠牲を無駄にしてはいけませんよね。
今、私たちが野生動物たちにどんな影響を与えてしまっているのか、、、普段から意識することが、自然を守ることの第一歩となるはずです。
ぼく達にできることを始めてみよう!
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