ペンギンの仲間

 

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 更新日:2022年6月28日

ガラパゴスペンギンは絶滅危惧種!?なぜ北半球に?見れる水族館は?

オオカミ先生
ガラパゴスペンギンは北半球に生息している唯一のペンギンなんだよ!
ニコ丸
ガラパゴス諸島ってこと、、、?
暑い場所でも生きていけるの?
オオカミ先生
ペンギン達もちゃんと考えて生活しているんだ!

 

ペンギンといえば南極のイメージ。
実際にほとんどのペンギンは地球の南側、南半球に生息しています。
その中で唯一、北半球の赤道直下に生息しているのが『ガラパゴスペンギン』です。

この地域でも生きていけるように進化してきたガラパゴスペンギンですが、現在では絶滅も心配されています。
もちろん人間の影響です。遠くの島ですが、わたし達と無関係とは言えないんです。

珍獣だらけのガラパゴスが生んだ不思議なペンギン『ガラパゴスペンギン』に迫りましょう。

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ガラパゴスペンギンってどんなペンギン?

ガラパゴスペンギンはペンギン目・ペンギン科・フンボルトペンギン属に分類されます。
フンボルトペンギン属には他にフンボルトペンギン、ケープペンギン、マゼランペンギンが所属しています。
地球の南半球でも北側に生息している種類が多く、乾燥に強いのが特徴です。

オオカミ先生
特にフンボルトペンギンは温暖で乾燥した地域に適応しやすいから、いろんな施設で飼育されているよ!
見たことがあるんじゃないかな!

 

ガラパゴスペンギンの生息地!ガラパゴス諸島ってどんなとこ?

 

ガラパゴスペンギンはガラパゴス諸島にのみ生息している、この島の固有種です。

この島はエクアドルが領土としていて、本土より900km沖合に位置しています。
諸島ということで、大小123箇所の島々で形成されています。

ガラパゴス諸島は火山活動によって作られました。
大陸から分離したわけではないため、本来この地には動物はいませんでした。
イグアナやリクガメが生息していますが、彼らは漂流物に乗って海を渡ったと考えられています。

鳥は飛んで、ペンギンは泳いで渡ったんです。

オオカミ先生
ガラパゴス諸島は鳥の楽園!
天敵がいないからこの地に渡ってから飛ぶことをやめた鳥もいるんだよ!
ニコ丸
あと有名なのがウミイグアナだね!
海で暮らす唯一のイグアナだよ!

 

完全に隔離された空間なため、生物が独自の進化をしていく、、、
ガラパゴス諸島は生物の進化を紐解くためにも重要な場所なんです。

 

ガラパゴスペンギンはなぜ北半球にいるの?

ペンギンは本来寒い環境でしか生きていけません。
海に潜ってエサを捕まえる彼らは、分厚い脂肪のおかげで寒さには強いのですが、その代わり暑さにめっぽう弱くなっています。

化石の研究により、ペンギンはニュージーランドで誕生したと考えられています。
そこから周辺の島々や南極大陸に渡って分布域を広げていったんです。
南極からの冷たい海流は北半球まで届きません。
そのため、ペンギンは南半球から出らない、というわけですね。

 

ガラパゴス諸島は赤道直下の熱帯地域。しかもイザベラ島北部のアルベルマーレ岬は少しだけ北半球にはみ出しています。
温暖な環境にいるペンギンは他にもいますが、熱帯地域、しかも北半球で暮らしているペンギンは世界中探してもガラパゴスペンギンしかいません。

一体なぜ、ガラパゴスペンギンはこのような環境でも生きていけるのでしょうか?
そこにはガラパゴスペンギンなりの工夫が関係しています。

暑さ対策 1. 海に飛び込む

ガラパゴス諸島は気温が40℃を超えることもあります。
しかし意外にも海水温は20℃ほど。かなり過ごしやすいんです。
これは南極からの冷たい海流『フンボルト海流(ペルー海流)』のおかげです。
この海流は冷たくてペンギン達にとって過ごしやすいだけでなく、豊富なエサも運んでくれます。

 

ニコ丸
フンボルト海流が届くから、ガラパゴスペンギンはこの島で暮らしていけるんだね!
ガラパゴス諸島はフンボルト海流が届く最北端なんだ!

 

暑さ対策 2. 口を開けてハァハァ

ガラパゴスペンギンは基本的に暑い昼間は海で過ごし、涼しい夜に陸地に上がります。

ただ、それでも暑さをしのげないときは、口を開けて呼吸を荒くします。
まるで犬のような開口呼吸(パンティング)ですが、効率よく体内の熱を逃がせます。

 

暑さ対策 3. 羽や体で日陰を作る

ガラパゴスペンギンは立ち方が少し変わっています。
太陽を背に向け、背中を丸めて猫背の姿勢になるのですが、これは足に日陰を作るためです。

 

また、羽(フリッパー)を広げることも日陰を作ったり、脇の風通しをよくしたりする効果があります。

ちょっとした行動ですが、暑い環境を生き抜く知恵が詰まっていますね。

 

暑さ対策 4. 年に2回の換羽

通常、ペンギンは1年に1回換羽しますが、ガラパゴスペンギンは2回行います。

ガラパゴス諸島の強烈な紫外線や熱、さらにフンボルト海流の冷たい海流に交互にさらされる羽は傷みやすく、年1回では間に合わないんです。

常に状態の良い羽をキープすることで、彼らは厳しい環境を生き抜いています。
羽が痛むと換羽するため、決まった換羽期はありません。

 

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暑さ対策 5. 分厚い脂肪が断熱材

ペンギンの羽には防水効果もあり、冷たい海水で体温が奪われるのを防ぎます。
ただ、換羽中は羽が不十分で、海に入ると体温が一気に奪われてしまいます。
そのためこの期間は海水による冷却を行えません。

そこで重要になるのが脂肪。
分厚い脂肪は保温効果だけでなく、断熱の役割も果たし、体温が上がり過ぎるのを一時的に防いでくれます。

オオカミ先生
換羽中はエサもとれないんだよ!
できるだけエネルギーを蓄えて脂肪を付けておくことが大切なんだね!

 

暑さ対策 6. 巣はもちろん日陰に!

ガラパゴスペンギンは岩場や溶岩の割れ目に巣を作ります。
もちろん日陰になる場所を巣に選び、生活の拠点を涼しい場所にしています。

涼しい場所をめぐってケンカになることもあります。

 

ニコ丸
これらの工夫があるからこそ、ガラパゴスペンギンは赤道直下の熱帯地域でも生きていけるんだね!

 

ガラパゴスペンギンの特徴!大きさはどれくらい?

ガラパゴスペンギンは他のフンボルトペンギン属とよく似ています。
見分け方はアゴの下の黒いライン。
ガラパゴスペンギンには2本のラインが入ります。

 

全長48〜53cm、体重1.7〜2.6kg、これはフンボルトペンギン属では最小です。
全18種類いるペンギンの中でも3番目に小さい体格。
学名の『Spheniscus mendiculus』には『物ごいのようなペンギン』という意味があり、小柄な体が由来となっています。

ニコ丸
ダントツで大きいのはコウテイペンギン(エンペラーペンギン)だね!

 

ガラパゴスペンギンの生態!繁殖期はいつ?

ガラパゴスペンギンは、昼間は基本的に海上で過ごします。
ボラなどの魚類、甲殻類などを獲物とし、夜になると陸に上がって休みます。
海上では200羽ほどの群れになることが多いようです。

ニコ丸
昼間に陸に上がることもあるんだって!
そんな時はさっき紹介した暑さ対策が役に立つね!

 

ペンギンの中では珍しく、彼らには決まった繁殖期がありません。
これにも暑さが関係しています。

エルニーニョ現象などで海水温が上がると、エサとなる魚が少なくなってしまいます。
そうなるとヒナに与えるための十分なエサを確保できなくなるため、繁殖活動がストップしてしまいます。

逆に水温が下がると魚も増え、ヒナも育てられます。

ガラパゴスペンギンは海水温に合わせて繁殖できるよう、常に準備しているんです。

オオカミ先生
エサ次第で繁殖活動を始めるってことだね!

 

ガラパゴスペンギンは絶滅危惧種!?生息数はどれくらい?

近年、エルニーニョ現象や温暖化の影響で海水温が上昇しつつあります。
ガラパゴス諸島もエサが少ない時期が多くなっているんです。

また、人間の移入と共に犬や猫、ネズミなどが海を渡ってしまい、ガラパゴスペンギンを捕食することも問題視されています。
船の沈没による油の流出も彼らに被害を与えています。

 

1970年代には1万羽以上が生息していましたが、近年では1000羽ほどまで減少しています。

現在ガラパゴスペンギンは絶滅危惧種に指定され、レッドデータブックのカテゴリーは『絶滅危惧IB類(EN)』です。
何らかの対策を行わなければ、近い将来彼らが地球上から姿を消してしまう可能性はとても高いんです。

ニコ丸
住みやすい環境を目指してガラパゴス諸島にたどりつき、天敵の少ない快適な生活をおくっていたのに、、、
人間のせいで絶滅に近づいているんだね、、、

 

ガラパゴスペンギンは日本の水族館にいる?

ガラパゴスペンギンを飼育している動物園や水族館は、残念ながら日本にはありません。
ガラパゴス諸島という特異な環境で生活している彼らです。
飼育するのは簡単じゃないのでしょう。

オオカミ先生
フンボルトペンギンを飼育している水族館は日本全国にあるよ!
見た目は似ているからこっちで我慢しようね、、、

 

 

まとめ

ガラパゴスペンギンはガラパゴス諸島という隔離された環境が生んだ珍しいペンギンです。

唯一、北半球まで生息地を広げたペンギン。
人間のせいで、このとっても不思議なペンギンを絶滅させてはいけませんよね。

遠く離れた島ですが、わたし達と無関係とは言えません。
地球温暖化は先進国の人間が引き起こしたいるのですから、、、

オオカミ先生
何かできることがあるはずだよ!
少しだけでいいから、苦しんでいる動物たちのことを考えてみよう!
またね〜!

 

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