ヘビの仲間

 

公開日:



 更新日:2022年6月26日

ヘビの下位分類を見てみよう!どんな風に分類されてるの?

世界中にはたくさんの種類のヘビがいます。
その数およそ3000種類!
生息地の幅も広く、南極大陸以外全ての大陸に存在しているとも言われています。

爬虫類の中でも特に数が多く、成功した部類の生き物と言えますね。

単にヘビと言っても、大小様々な種類がいます。
もちろん毒蛇もいますし、無毒なヘビもいます。

では、ヘビはどのようにして分類されているのでしょうか?
代表的な種類を紹介しながら説明していきます。

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ヘビの分類

ヘビ分類
動物界
脊索動物門
爬虫綱
有鱗目
ヘビ亜目亜目

ヘビと呼ばれる生き物は爬虫類の有鱗目に含まれます。
有鱗目はさらに、トカゲ亜目とミミズトカゲ亜目、そしてヘビと呼ばれるグループの「ヘビ亜目」というように下位分類されます。
ヘビは大昔にトカゲから分かれたグループだと言われています。
恐竜の時代に、エサにありつくため地中や海中に生活の場を移したのが始まりです。

有鱗目だけで7000種類以上が存在し、地球上の爬虫類の95%を占めています。

爬虫類の中で最も成功したグループと言えますね。
環境に対応する能力が優れていたのでしょう。

 

ヘビは無駄なものを捨て去った動物

 

ヘビと言えば両手両足が無いのが一番の特徴ですね。
しかも耳と鼓膜も退化しています。
また、細長い体に合わせるような内蔵を持っていて、肺は左側のみしかありません

普通に考えると、手足や耳が無いのはデメリットに感じますよね。
しかし何度も言いますが、ヘビは地球上で成功している動物です。
手足や耳が無くてもこれほどの数、これほどの種類が存在しているんです!
しかも幅広い生息地に、、、

手足の退化はヘビだけのことではありません。
例えばイルカやクジラは海で生きるために後ろ足が無くなっています。

生きていくためには、場合によっては無駄なものを排除する必要があるんです。
これは退化ではなく進化とも言えますよね。

手足が無くなった代わりに地中や水中、さらには樹上でもスムーズに動くことができます。
また耳や鼓膜がない代わりに振動をアゴで感じることができます。

そしてヘビが最も発達させたのが嗅覚です。
ヘビ独特の「ベロをペロッと出す」行動により、空気中の匂いを味として感じることができます。
「ヤコブソン器官」と呼ばれる器官が、匂いを味として感じているんです。

ヘビはこの進化により、地上だけでなく樹上や水中、地中など、ありとあらゆる環境で生きていくことができるようになりました。
必要最低限の機能を残して、さらに嗅覚を発達させることで、効率よく生き残ることができたんですね。

 

ヘビは3つの上科に分けられる

上科とは、目ほど大きな分類ではないものの、科よりは少し大きく分けられたグループです。
難しいので目と科の間だと思ってください。

ヘビの上科は
・メクラヘビ上科
・ムカシヘビ上科
・ナミヘビ上科
です。

この3つの上科で、3000種類ほどのヘビが成り立っています。

 

ヘビの下位分類

生物にはそれぞれ分類があります。
ヘビの分類は先ほど紹介した表に書いてある通りです。

ヘビは有鱗目のヘビ亜目で、そこから3つの上科に分類されます。
さらに、そこから下の方の分類を下位分類言い「科」「属」「種」に分けられます。

メクラヘビ上科

 

地中生活に適応した、全長20cmほどの小型のヘビです。
目がとても小さく、鱗の一部に見えるため、こんな名前がつけられました。

 

ぱっと見た感じではミミズに見えますが、鱗がはっきり見えるため、ヘビだと分かります。
シロアリやアリ、アリの幼虫などをエサとしています。

また、日本にも外来種として持ち込まれている種がいます。
ただ、大食いな性質ではないため、生態系を壊す心配はないとされています。

メクラヘビ上科はさらに3つの科に分類されます。

メクラヘビ科

全375種
中南米、オーストラリア、アフリカ、東南アジア、南ヨーロッパ地方などに幅広く生息しています。
足の形跡である腰帯の痕跡を持っているグループです。

 

アメリカメクラヘビ科

全18種
カワリメクラヘビ科とも呼ばれます。中南米にのみ生息しているグループで、腰帯の痕跡はありません。

 

ホソメクラヘビ科

全120種
中南米、アフリカ、西アジアに生息している、メクラヘビによく似た外見を持っているグループです。体の造りは他のヘビに似ています。
腰帯の痕跡はありません。

ムカシヘビ上科

ボア上科とも呼ばれる原始的な体を持つグループです。
ただし、体の造りはメクラヘビの仲間の方が古いです。逆にムカシヘビ上科の仲間には、比較的新しい体の造りを持っている種類もいます。
1
度退化した目の機能を、再び取り戻している種類も多いです。

特にボア科やニシキヘビ科のグループは大型にもなり、目や温度感知器官「ピット器官」も発達しています。

ヘビの仲間の中でも特に発達したグループと言えます。

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ボア科

全57種
主にアメリカ大陸に生息しているヘビの仲間です。
森林の樹上で生活するのがほとんどですが、中には砂漠や草原で生活している種類もいます。
最大はアナコンダの9m、最小ではスナボアの仲間の1mほどと、大きさの差が激しいグループでもあります。

体の大きさに合わせた動物をエサとしていて、ピット器官が鱗と鱗の隙間にあります。

 

ニシキヘビ科

全40種
アフリカ、アジア、オーストラリアなどに幅広く生息しています。
世界最大のヘビ「アミメニシキヘビ」はこのグループに属しています。
最大10m、最小は70cmとこれまた大きさの差が激しいグループです。

ボア科とはとてもよく似ていて、ニシキヘビ科をボア科の亜科とする意見もあるそうです。
ただ、ピット器官の位置、頭の形状、ニシキヘビ科は卵生でボア科が卵胎生という大きな違いもあります。

 

サンゴパイプヘビ科

全1種
南米の熱帯雨林の地中で暮らしている種類で、夜間には地上に現れることもあります。
全長は60~90cmと、中型のヘビと言ったところでしょうか。

無毒ですが、威嚇するときに頭を胴体にうずめてしっぽを立てるという、毒蛇特有の行動をとるため、毒蛇に擬態していると考えられています。
見た目も毒蛇のサンゴヘビに似ています。

 

ドアーフボア科

全25種
ボア科の近縁種で、ボア科の中の1亜科とされることもあります。
全長50cm程度と小さめです。

 

トゲアゴヘビ科

全2種

 

ツメナシボア科

全2種

 

ミミズサンゴヘビ科

全3種

 

パイプヘビ科

全10種

 

ミジカオヘビ科

全54種

 

サンビームヘビ科

全2種

 

メキシコパイソン科

全1種

 

ナミヘビ上科

ヘビ上科とも呼ばれます。
一般的によく見られるヘビが多く、種類数も一番多いグループです。
ヘビの仲間では最も繁栄しているグループだと言えます。

 

体の大きさはボア科やニシキヘビ科に比べると劣りますが、多様性に優れています。
ヘビ全体の20%が有毒ですが、毒を持つ種類は全てこのグループに属しています。
「ナミヘビ上科の繁栄は毒の獲得による」と言っても過言ではありません。

 

コブラ科

全300種ほど
地球上のほとんどの大陸に生息しているグループで、全てが有毒です。
最大はキングコブラの570cmで、これは毒蛇の中で最大です。

 

毒はとても強い神経毒で、血管に入ることで体の筋肉や神経がどんどん麻痺していきます。
気性が荒い種類も多く、噛まれる被害も多いグループです。

 

クサリヘビ科

全300種ほど
日本のマムシやハブがこのグループで、全てが有毒です。
北から南まで幅広い地形に適応している種類が多いのも特徴です。
太く短い体型が多く、体の網目模様が鎖に見えることからこのように呼ばれています。

 

毒は強い出血毒で、咬まれた部分から強い痛みと共にどんどん壊死していきます。
後遺症が残ってしまうことも多いと言われています。

 

ナミヘビ科

全820種ほど
全世界で最も数の多いグループで、最も繁栄しているとも言えます。
陸や水上、森林や砂漠など、人が手を加えた土地も含めて様々な環境に適応することができる、たくましいグループです。
小型哺乳類や鳥類、爬虫類に両生類に昆虫など、幅広い動物を獲物としています。

 

無毒なヘビがほとんどですが、エサから毒を作り出す種類もいます。
ペットとしても人気が高い種類が多いです。

 

ウミヘビ科

全300種ほど
コブラ科の亜科とする意見もありますが、現在は独立しています。
海で暮らしていますが、エラ呼吸ではなく肺呼吸です。長い時間潜水していられるのは、陸生のヘビよりも肺が大きいからだと言われています。

大きさに合った魚や甲殻類をエサとしています。

全て有毒で、強力な神経毒を持っています。
咬まれると麻痺してしまうため、溺れてしまう危険性があります。

 

イエヘビ科

全300種ほど

 

ヤスリヘビ科

全3種

 

タカチホヘビ科

全17種

 

マイマイヘビ科

全740種ほど

 

ユウダ科

全220種ほど

 

ハスカイヘビ科

全11種

 

ミズヘビ科

全34種

 

セダカヘビ科

全15種ほど

 

まとめ

・ヘビは3つの上科に分類することができる。
・さらにそこから全部で26の科に下位分類することができる。
・原始的なグループはメクラヘビの仲間。
・ムカシヘビの仲間は原始的ではあるが、生活環境に合わせて進化したグループ。
・最も進化が進んだのがナミヘビの仲間。
・ナミヘビの仲間は毒の獲得で繁栄したとも言える。

ヘビはその独特の体型によって、様々な環境に適応することができた動物です。
シンプルすぎる体の造りが、逆にどんな過酷な環境にさえも適応できることに繋がったのでしょう。

苦手な人も多いですが、ペットにするほどヘビが大好きな人もいます。
私もそんなヘビ大好き人間の一人です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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コメント

    • クサフグ兄貴
    • 2018年 7月 17日

    エメラルドボアとして掲載している写真、それミドリニシキヘビ(グリーンパイソンとも)なので、画像が文章、どちらかの訂正をオススメします

      • iggy
      • 2018年 9月 07日

      クサフグ兄貴さん

      コメントありがとうございます。
      訂正させていただきます。

      今後もよろしくお願いします。

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