クマの仲間

 

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 更新日:2022年6月26日

熊の生態や性格を解説!怖いのはどうして?

熊ってかわいいですよね。
色んなキャラクターのモデルになることも多く、テディベアといった、世界的に人気なグッズも販売されるほどです。
ぽっちゃりなキャラクターが多いのは、熊が食いしん坊なことを表しているのではないでしょうか。

しかし皆さんは、本来の熊の姿を知っていますか?
中には出くわすのを恐れられるほど危険な熊もいるんです。

かわいいイメージとはかけ離れていますよね。
もちろん見た目はばっちりかわいいですけど。

今日は世界中て大人気、熊の生態や性格を詳しく解説します。

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熊の種類

熊は食肉目・イヌ亜目・クマ科の動物の総称です。
世界中に幅広く分布していて、現在地球上に存在しているのは全部で8種類です。

有名どころで言えば「ジャイアントパンダ」「ホッキョクグマ」ですね。
他にも「ナマケグマ」「メガネグマ」など、マイナーな熊もいるんです。

 

熊の生息地

熊は世界中に幅広く分布しています。
哺乳類の中でも、比較的成功しているグループだと言えますね。

北は北極圏から南は東南アジアまで分布しています。
同じ種類の熊が、離れた大陸で亜種として独自の生態系を作っているのが特徴的です。
例:アメリカにいるハイイログマ(グリズリー)と北海道にいるエゾヒグマは同じ「ヒグマ」です。
また、ニホンツキノワグマと同じツキノワグマの仲間が、中国などのアジア地域にも生息しています。

つまり元々、それぞれの大陸が繋がっていたと考えられますよね。

 

熊の特徴

熊の大きさ

熊と言えば大きくて丸々太っているのが特徴だと思います。とにかく全体的に大きいイメージがありますよね。

ただ、種類によって大きさは違います。
最大はホッキョクグマで、体長2.5m以上、体重は500kgにもなります。
最小は東南アジアに生息しているマレーグマで、体長150cmほど、体重は65kgほどです。

北の寒い地方に行くほど体が大きくなる傾向にあります。
グリズリーとエゾヒグマは同じヒグマですが、アメリカの寒い地方にいるグリズリーの方が大きくなります。

これは熊だけのことではありません。
基本的に同じグループの哺乳類は、寒い地方にいる個体の方が体が大きくなると言われています。
低温の厳しい環境では、脂肪による体温保持が必要不可欠なためだと言われています。
人間も寒い地方の人の方ががっしりして大きかったりしますもんね。

 

足の特徴

熊の四肢は太くて短いのが特徴です。
全身筋肉のような熊の足は、大型哺乳類でも仕留めることができるほど、強力なパワーを持っています。

しかも意外と走るスピードも早く、ヒグマが時速50km以上で走れることが分かっています。
あの巨体でこれほど早く走れるんですね。
走り方も独特で、全部の足がバラバラに動きます。

 

また、全ての指に鋭く曲がった爪がついていて、獲物を仕留めるのはもちろん、穴堀りや木登りにも使用することができます。
ナマケグマは他の熊よりも爪が曲がっていて、片手で枝にぶら下がることもできます。

また、ジャイアントパンダは熊の仲間で唯一、物を掴むことができます。笹を掴むために進化したのでしょう。

 

顔の特徴

熊はアゴが発達していて、噛む力がとても強いです。
また、犬歯が鋭く長いため、噛まれればひとたまりもありません。

視覚は悪く、人間よりも衰えていると言われています。
ただし、夜でも抵抗なく歩き回れるため、そこは熊に軍配が上がりそうです。

視覚の代わりに嗅覚がとても発達していて、犬の7倍とも言われています。
犬が人間の数万倍優れた嗅覚を持っているので、それより優れているなんてすさまじいですね。
一説によると3km先の獲物の匂いも嗅ぎ付けるとか!

耳は比較的小さく丸みをおびています。
聴覚は嗅覚ほどではないようですが、盛んに耳を動かして、音を聴こうとするしぐさをすることもあります。

また、熊は味覚も優れています。
一度食べた獲物の味を忘れず、おいしかった場合は同じ獲物を襲うことが結構あります。
「うまかったからまた食べたい」って思うのでしょうね。
人間がこのようにして何人も襲われたことが過去にあります。

 

熊の生態

熊の食性

熊は全ての種類が雑食性です。
植物も動物も栄養になるものは何でも食べることができます。

ただ、住んでいる地方によって手に入る食べ物が変わるため、肉食性に偏ったり、植物食に偏ったりします。

ホッキョクグマは肉食性が強く、アザラシや小型のクジラなどを獲物にしています。
ホッキョクグマが暮らしている北極圏は植物が育ちにくい環境です。そのため、年間を通してほとんど肉を食べます。
雪が溶ける時期にはイチゴなどの果実も食べています。

ジャイアントパンダは笹を食べるのが有名ですね。これも住んでいる地域に関係しています。
ジャイアントパンダが住んでいる中国の山奥では、一年中安定して食べられるのが笹などの植物のみです。
そのため彼らも食べられるときは、小型哺乳類や昆虫などの動物をしっかり食べています。

 

熊は冬眠する

熊と言えば冬眠することが有名ですよね。
日本で見られる「ニホンツキノワグマ」と「エゾヒグマ」も冬眠します。
ただし、全ての熊が冬眠するわけではありません。

現存する熊のうち、冬眠するのは4種類です。
・ホッキョクグマ
・ヒグマ
・アメリカグマ
・ツキノワグマ
※ホッキョクグマの冬眠は他の熊と違い、活動しながら代謝機能を落としていくという珍しい方法です。
別名「walking hibernation(歩く冬眠)」と呼ばれます。

 

これらの種類が冬眠するのには住んでいる地域に理由があります。
寒い地域に住んでいるため、冬になると獲物がとれなくなるんです。
しかも、体が大きい種類が多いため、肉を食べないと体格を維持することもできず、エネルギー不足で動けなくなるかもしれません。

そのため、冬になる前にたらふく食べて、厳しい冬を乗りきるんです。

ちなみに冬眠と言っても完全に眠り続ける訳ではありません。
洞窟などの暖かい場所に入り込み、体温を3℃ほど下げます。
食べるのをやめて浅い眠りを繰り返します。
冬眠は別名「冬籠もり」とも言われます。

 

子育て

熊は繁殖期になると平均して2~4頭の子どもを産みます。
子育ては母親が行い、成熟するまでは母親と子どもが一緒に生活します。

冬眠する種類の熊は冬眠中に出産し、子どもと一緒に冬籠もりします。

オスは子育てには関与しません。
ヒグマは自分の子どもですら襲ってしまうことすらあります。
そのため、母親はオスと出会わない地域で子育てをします。場合によっては人里の近くまで出てくることがあります。

知床の「ヒグマと共存する漁港」

知床の漁港にはヒグマの親子が人間のすぐ近くまで降りてきます。
人間もヒグマもお互いに距離感を保ったまま、まったく気にする素振りがありません。

ヒグマも人間も知らんぷりです。

ヒグマのオスは、かなり警戒心が強く、人間を恐れるため、山奥で暮らしています。
人里の近くには降りてこないんです。
母親は狂暴なオスのヒグマから我が子を守るため、人がいる漁港を拠点にしているんです。

この場所ではこれまでに、ヒグマによる被害は起こっていないそうです。
接し方次第でヒグマと人間は共存できるんですね。

 

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熊の性格

熊の外見的な特徴や生態は分かりました。
では熊の性格はどうでしょうか?

基本的に熊の性格は臆病で用心深いです。
人間を見ると逃げていってしまうほどです。

 

しかし、世界中で熊による被害が起こっています。
実は臆病な熊でも、狂暴になってしまうことがあるんです。
熊が人を襲うタイミングは、大きく分けて6つです。

・子どもを守ろうとする時
・冬眠から目覚めたばかりの時
・急に人が現れた時
・獲物を横取りされた時
・冬眠できなかった時
・人を食べてしまった後

子どもを守ろうする時

繁殖期の母熊はとても神経質です。
ただでさえ臆病な性格なのに、子どもを守らなくてはいけないんです。

こんなときに人に出くわすと、我が子を守るために必死になります。
人間でも同じ心境になるときがありますよね。

「繁殖期は熊がいそうなところには行かない!」
ということを徹底するべきですね。

 

冬眠から目覚めたばかりの時

冬眠から目覚めた熊はとても空腹です。
冬の間まったく食べていないのですから当たり前ですよね。

意識もはっきりしていないことが多く、かなり怖いもの知らずな状態です。
人間にすら襲いかかることがあります。

熊が冬眠から目覚める春先は、特に注意が必要です。

 

急に人が現れた時

熊は嗅覚や聴覚が優れているため、人がいる場所は結構分かっています。
熊避けの鈴なんかも、音で熊に自分の居場所を教えていますよね。
「こっちには人がいるなー」って思ったら、基本的には来ません。

ただ、風の関係や熊避けをしていなかった場合には、急に目の前に熊が現れることがあります。
人間の方もびっくりしますが、熊も同じようにびっくりしているんです。

熊が自分の身を守るためにどうするかは想像できますよね。
「やられる前にやらなきゃ!」って思うはずです。

熊がいそうな場所では熊避けの鈴が効果的です。

 

獲物を横取りされた時

熊は意外と執念深い動物です。
自分の獲物に対しては特に執念深くなります。

もし、仕留めた獲物を横取りされてしまったら、熊はどこまでも探しに来るはずです。
桁外れの嗅覚で、何キロ離れていても追跡してきます。

当たり前ですが、他人のものを盗んではダメですね。
熊ならなおさらです。

 

冬眠できなかった時

獲物が少なくなる冬は、冬眠する熊がほとんどです。しかし中には、冬眠できない熊もいます。
通称「穴なし」と呼ばれます。体が大きすぎて冬眠できる場所を見つけられなかったんです。

 

穴なしは北海道では昔から恐れられています。
過去には大規模な襲撃事件を起こし、村1つ壊滅させたこともあるんです。

冬眠できないということは、生きるために必死に食べ物を見つけないといけません。
がむしゃらになっているんです。
人間も見境なく攻撃してきます。

こればっかりは出会わないことを祈るしかなさそうです。

 

人を食べてしまった後

前述で、熊の味覚が発達していて「一度食べた獲物を繰り返し襲う」という説明をしました。

さらに熊は学習能力も長けています。

基本的に人間を恐れて、襲うことがない熊ですが、一度でも人間を襲ってしまうと「なんだ、人間って弱いんだ」と思ってしまうことがあるんです。

実際に2016年には秋田県で、ニホンツキノワグマによる人間の襲撃が、4件も発生しています。
この4件は同じ個体によるものだと思われます。偶発的に人を食べてしまった熊が学習し、人間を狙って食べたのではないかと考えられています。

そのため、1度でも人間を食べた熊はその後のことを恐れられ、殺処分されることがほとんどです。

 

熊に襲われないためには、、、

熊に教われないための一番の方法は、熊がいそうなところには行かないことでしょう。

特に、冬眠から覚めたばかりの熊や子連れの熊が多くなる春先は、山に行かない方が身のためです。
毎年山菜採りに出掛けた人が結構襲われています。

山菜と命を天秤にかければ、どっちが優先かは言うまでもないですね。

どうしてもという場合には熊よけの鈴をつけておきましょう。

 

それでも出会ってしまったら

最近の熊は、人里に現れることが多くなっています。
森林の開発などによって、住みかやエサが少なくなっているんです。
生きるために必死になった熊は、畑やゴミを漁るようになっています。

「外に出たらいきなり熊と遭遇した」
なんてことが最近増えています。
中には店の中に入ってきた熊もいます。

もし熊に遭遇してしまったら、
・背中を見せず
・急な動きを見せず
・じりじりとその場から離れる
これがベストな方法だと言われています。

もちろん100%助かる保証はありません。
もともと出会ったら終わりと言われている熊です。
助かる可能性にかける方法と言えますね。

ちなみによく言われている「死んだふり」は完全にNGです。
熊は死肉を食べる習性もあるため、逆に襲われる可能性があります。
熊の前で死んだふりなんて絶対にしてはいけません。

走って逃げるのも絶対にダメです。
時速50kmで追いかけてきます。
木も登ってきます。

 

 

まとめ

熊はがっしりした体型に、太くて力強い足を持っています。
鋭い爪と牙を持ち、人間よりもはるかに早く走ることができます。

目はあまりよくないですが、犬の7倍もある嗅覚で、数キロ先の獲物を見つけることができます。

雑食性で、栄養になるものなら何でも食べられます。
人間も例外ではありません。

冬眠するのは獲物が少ない冬を乗り切るためで、暖かい地方にいる熊は冬眠しません。
別名「冬籠もり」とも言います。

臆病な性格の熊がほとんどですが、場合によっては人間を恐れずに襲ってくることがあります。

熊の生息地には行かないことがベストですね。
もし鉢合わせてしまっても、死んだふりや走って逃げることをせず、目をそらさずにじりじりその場から離れましょう。
出会わないに越したことはないですけど。

かわいい顔とは裏腹に、世界的にも危険生物の仲間入りをしている熊です。
見る分にはとってもかわいいですが、野生の熊とは絶対に出会いたくないですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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