ここには変わった動物が多いんだ!
他にもいるの?
マダガスカル島最大の肉食動物だよ!
マダガスカル島は大陸から早くに分離した島です。
そのため、独自の生態系を作り上げていて、ここに暮らす動物たちは他では見られないようなものばかり、、、
なんと90%以上の生き物が固有種なんです。
そんなマダガスカル島には8種類の肉食動物が存在していて、全てがマダガスカルマングース科というグループに属します。
そしてこの島最大の肉食動物が、今回紹介する『フォッサ』です。
見た目は猫と犬を足したような姿ですが、完全に固有種。とっても珍しい生態を持っています。
マダガスカルの食物連鎖の頂点!
『フォッサ』に迫ります。
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フォッサの生息地!マダガスカル島ってどんなとこ?
マダガスカル島はアフリカ大陸の南東に浮かぶ島国です。
この島は日本列島を全部足した大きさの約1.5倍の国土面積を持ちます。
マダガスカル島はもともとインド亜大陸(今のインドがある大陸)とつながっていて、約1億4000万年前にアフリカ大陸から分離、その後約8800万年前にインド亜大陸から分離したと考えられています。
マダガスカル島の動物達は、インド亜大陸から分離した際に取り残されたもの達だと思ってしまいそうですが、実は遺伝子的にはアフリカ大陸の動物達と近いものを持っています。
つまりマダガスカル島が今のようなアフリカ大陸の南東に位置した後に、この島の動物達の子孫がアフリカ大陸から海を渡ってやって来たということになります。
渡った方法は諸説あります(漂流物に乗って渡った、大昔は干潮だけ陸続きだったなど)が、漂流物に乗って渡った説の方が有力です。
現在の海流はマダガスカル島からアフリカ大陸に向かっています。しかし最近の研究で、この頃はアフリカ大陸からマダガスカル島に向かって流れていたことが分かっています。
マダガスカルとアフリカってそんなに近いの?
たどり着くまで3週間はかかったとか、、、
代謝が低いから食べ物をあまり必要としなかったんだね!
フォッサの祖先もこのようにしてアフリカ大陸からマダガスカル島に流れ着きました。
遺伝子的にはアフリカ大陸のマングースに近いものを持っています。
フォッサって何の仲間?マダガスカルマングースとは?
フォッサは食肉目・マダガスカルマングース科・フォッサ属に分類される哺乳類です。
一属一種と呼ばれる珍しいタイプの動物です。
食肉目は別名『ネコ目』とも呼ばれる、肉食動物のことですね。
イヌ科やクマ科、イタチ科など、肉を主食とするグループがこれに属します。
フォッサが分類されるマダガスカルマングース科の動物は、マダガスカル島にのみ存在している肉食動物です。
現在8種類が確認されています。
・フォッサ
・ワオマングース
・マダガスカルジャコウネコ
・コバマングース
・ヒロスジマングース
・ホソスジマングース
・サラノマングース
・ダレルズ-ボンツィラ
まだ4匹しか見つかっていない、とっても珍しい動物なんだよ!
フォッサの特徴!大きさや重さはどれくらい?
フォッサは体長60〜80cm、肩から地面までの高さ(肩高)は約40cmです。
オスとメスで大きさの違いがあり、オスは5〜12kg、メスは5〜7kgです。
中型犬くらいの大きさです。
しっぽは60〜90cmと、体長と同じくらい長くなります。
長いしっぽは木の上でも安定して動くために必要なんです。
これも木登りのために必要な特徴だね!
体毛の色は暗い赤褐色で、お腹側はクリーム色です。
大きな目が顔の正面にあり、体の色も合わせてピューマに似ている印象ですね。しかしネコ科のようにつま先立ちで歩く『趾行性(しこうせい)』ではなく、クマ科のように足の裏全部を付けて歩く『蹠行性(しょこうせい)』です。
フォッサの生態!食べ物はキツネザル!?
フォッサはマダガスカル島の熱帯雨林で生活しています。
基本的には夜行性ですが、昼間に行動することもあるようです。
単独で行動します。
樹上と陸上、両方で活動することができますが、長いしっぽは樹上生活に適しているため、木の上にいる時間の方が長いと考えられています。
休むときは枝の間や洞穴を利用します。
肉食性なため、哺乳類、鳥類、昆虫類、カエルなどを捕食しますが、好物はキツネザルです。
キツネザルはマダガスカル島の固有種で、樹上で生活している原始的なサルの仲間です。
フォッサは長いしっぽで巧みにバランスをとり、樹上を素早く移動できるため、いくらサルでも逃げるのは簡単ではありません。
また、大型のキツネザルは2頭のフォッサが協力して狩ることもあります。
それを狩れるなんて、、、フォッサの木登りテクニックもすごいんだね!
フォッサはマダガスカル島の生態系に欠かせません。
食物連鎖の頂点ということは、他の生き物が増えすぎることを防いでくれるんです。
フォッサがいなければ、マダガスカル島の草食動物が増えすぎてしまい、今日までこれほど多様性に満ちた島を維持することは難しかったでしょう。
もちろん、人間のようにむやみやたらと狩りつくしてしまうのはダメなことだよ!
フォッサの性格!天敵はいるの?
フォッサはマダガスカル島最大の肉食動物です。
つまりフォッサを捕食するような動物はいません。
天敵のいないフォッサの性格は凶暴で、家畜を襲うこともあるようです。
人間に慣れることはなさそうですね、、、
フォッサの繁殖方法や寿命!
フォッサの繁殖期は年に1回、9〜10月ごろです。
この時期にのみ、数頭が集まって生活する様子が見られます。
交尾は基本的に樹上の幅広い枝の上で行われます。
オスもメスも複数の個体と交尾をうようです。
フォッサの妊娠期間は約90日。2〜4頭の赤ちゃんを産みます。
4ヶ月ほどの授乳期間が終わると、子どもは親と同じような行動を始めます。
生後3年ほどで成体となり、独立していきます。
寿命は飼育下で20年ほど、野生では15年ほどです。
フォッサのメスはオス化するって本当?
フォッサのメスはオスと同じような生殖器を持つことが確認されています。
このことから、フォッサはメスがオス化すると言われていますが、実際にはそうじゃありません。
メスはメスです。
実はフォッサだけでなく、ブチハイエナにも見られますが、動物のメスがオスの陰茎(生殖器)と同じようなものを持つ例は、多くはありませんが確認されています。
ブチハイエナは過去に、オスもメスもない「雌雄同体(しゆうどうたい)」だとされていたほどなんです。
ハイエナの場合は、群れのリーダーがメスでオスよりも体格が大きいため、男性ホルモンが多く分泌されることにより陰茎が現れることが分かっています。
一方のフォッサはメスのほうが体も小さいため「オスから急に交尾されることを避けるため」にこのような体になったのではないか、と考えられています。
ただ、多くの哺乳類に見られない特徴なため、原始的なフォッサが残している原始的な特徴なのかもしれません。
はっきりした理由は分かっていないんです、、、
フォッサは絶滅危惧種!その理由は?
現在、フォッサをはじめマダガスカルマングース科の仲間は絶滅危惧種に指定されています。
フォッサが指定されているレッドデータブックのカテゴリーは『絶滅危惧Ⅱ類(VU)』です。
近い将来絶滅してしまう可能性が高いカテゴリーです、、、
理由はやはり人間が関係しています。
農地開発や食料としての狩猟、さらに家畜を襲ってしまうため、害獣としての駆除も行われています。
珍しい動物ばかりだからとっても残念だよね、、、
フォッサが見れる動物園は日本にもあるの?
フォッサは現在、東京の上野動物園でのみ飼育されています。
2010年にオスの『ベザ』とメスの『アンバー』が上野動物園にやってきました。フォッサの飼育はこの時が日本初です。
2017年、メスのアンバーが残念ながら死んでしまい、繁殖はできませんでしたが、オスのベザが現在もアイアイの森にて飼育されています。
マダガスカル最大の肉食動物を見たければ、ぜひ上野動物園に行ってみてください!
まとめ
フォッサはマダガスカル島という、珍獣だらけの島が生んだ、まさに珍獣です。
メスがオスのような生殖器を持つところなんて、普通じゃ考えられませんよね、、、
彼らの祖先がマダガスカル島までの長い漂流を生き残ってくれたから、今でもこんなおもしろい生き物が見られるんです。
これを人間のせいで絶滅させてしまっては絶対にダメです!守っていきたいですね。
ぼく達にも何かできることがあるはずだよ!
最後まで読んでくれてありがとう!
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