それが「スプリングボック」と「シタツンガ」だ!
どんな方法なんだろう?
アフリカ大陸は野生動物の宝庫です。
しかし同時に弱肉強食の厳しい世界でもあります。
肉食動物は獲物を捕まえないと生きていけませんし、草食動物は捕まらないように必死です。
そんか草食動物の中には普通に逃げる以外の方法を編み出した変わり者もいます。
今回紹介する「スプリングボック」と「シタツンガ」も、そんな変わった方法で天敵をかわす動物です。
水遁の術や大ジャンプ!?
今日はアフリカの忍者動物達を紹介しましょう!
好きなところにジャンプできます
スプリングボックは鮮やかなジャンプで身を守る!?
スプリングボックは偶蹄目・ウシ科・スプリングボック属に分類されます。
一属一種の動物です。
見た目はシカですが、ウシに近い仲間です。
by Wikimedia
体長は120~148cm、体重は20~45kgで、見た目はガゼルに似ています。
学名の「Antidorcas marsupialis」は「ガゼルではない」という意味があるようで、発見者も似ていることを気にしたんですね。
アフリカのサバンナや砂漠地帯に生息し、メスと子どもからなる100頭以上の群れをつくります。
繁殖期にはオスを中心としたハーレムを作るみたいです。
スプリングボックは別名「トビカモシカ」と呼ばれるほど、跳躍力に優れています。
肩から地面までの高さは80cmほどですが、本気でジャンプすると3m近くまで飛び上がることができます。
「ストッティング」と呼ばれる行動です。
興奮している証拠だね!
しかも1頭がジャンプし始めると、他の仲間もつられて飛び始めるんだとか。
最終的には何頭ものスプリングボックがジャンプするんです。
でもなんでこんなことするのかな?
スプリングボックがジャンプする理由とは?
スプリングボックのジャンプには2つの理由が考えられています。
・目線を高くして天敵をいち早く見つける
・自分がものすごく元気だということを天敵にアピールしている
目線を高くする意味は分かりますよね。
サバンナには背の高い草が多く生えていて、ヒョウやライオンなどはこれを利用して獲物に近づきます。
目線を高くすれば、草の陰に隠れている天敵を見つけやすいというわけです。
では「自分を元気だとアピールしている」とはどういうことでしょうか?
実は肉食動物はターゲットにする獲物をとっさに順位付けするんです。
1. 子ども、病気や年老いているなどの弱い獲物
2. ツノが発達して走るのが遅そうなオス
3. ツノが短く、体が軽いため走るのが速そうなメス
確かに大きなツノは重そうだからね、、、
無駄な狩りは時間と体力を消耗するだけなんだ!
スプリングボックは「わたしは元気満々だよ!狙っても体力の無駄だよ!」と天敵にアピールすることで、狙う対象から外されようとしているんですね。
スプリングボックは逃げ遅れちゃうことが、、、
ジャンプによっていち早く天敵を見つけ、そして狙う対象から外されようとしているスプリングボックですが、ジャンプしすぎて痛い目をみることもあります。
天敵が近くまで来てもジャンプを続けてしまうことがあるんです。
そうなると逃げるのが遅れてしまいますよね。
スタートが遅れてしまうと逃げきる可能性はガクッと下がります。
身を守るためのジャンプが、逆に襲われる可能性を上げてしまうこともあるんです。
とにかく元気だとアピールしたいんだね、、、
ちょっと残念だよね、、、
シタツンガは水遁の術を使う!?
シタツンガは偶蹄目・ウシ科・ブッシュバック属の草食動物です。
この動物もシカのようですがウシに近い仲間です。
アフリカ大陸の中央部に幅広く分布しています。
by Wikimedia
ちょっと変わった名前ですが由来はアフリカの古い言葉で、シカやヤギを意味します。
英名も「Sitatunga」でそのままですね。
森林の中の水辺や湿地帯を住処としていて、出産は沼に浮かぶ葦(アシ)の浮島などで行います。
水辺から離れることは基本的にないようです。
V字に幅広いヒヅメがぬかるみでも体を沈ませずに歩くことに役立っています。
水辺で暮らすには最適なんだね!
シタツンガは体長120~170cm、体重は100kgを越えることもあり、比較的大型の草食動物です。
オスのツノは大きく立派で、90cmになることもあります。
このツノは捻れているのが特徴的です。
シタツンガは水辺で生活しているだけあり、泳ぎを得意としています。
毛は短くて脂っこく、水をよく弾くようです。
そして天敵に狙われると水に飛び込みます。
ライオンなどの陸上性の肉食動物は水に濡れるのを嫌います。
基本的に彼らが獲物を水中まで追いかけてくることはないんです。
それでも陸上で待ち伏せしているようなしつこい天敵を前にすると、シタツンガは水中に潜ってしまいます。
そして鼻だけを出して呼吸するんです。
まさに水遁の術!
by WIkimedia
さすがにここまでされるとライオンも諦めるしかないですよね。
ただ、水辺には恐ろしいナイルワニがいることもあります。
必ずしも安全というわけではないんです。
シタツンガは実は足が速い!?
危険が迫ると水に潜るシタツンガですが、実は走るスピードが結構速いようなんです。
逃げきれそうな場面でわざわざ潜水することもあるんだとか、、、
じゃあ走った方がいい場面も絶対あるよね!
ちょっと残念なポイントかも、、、
スプリングボックやシタツンガは動物園にいるの?
スプリングボックを飼育している動物園は残念ながら日本にはないようです。
本場アフリカまで行かなくては鮮やかな大ジャンプは見られないってことですね。
シタツンガは日本の動物園でも飼育されています。
動物園だけでなくサファリパークでも飼育されているため、お近くの施設にこの忍者動物がいれば見に行ってみてください。
・盛岡市動物公園(岩手県盛岡市)
・東武動物公園(埼玉県南埼玉郡)
・千葉市動物公園(千葉県千葉市)
・王子動物園(兵庫県神戸市)
・神戸どうぶつ王国(兵庫県神戸市)
・姫路セントラルパーク(兵庫県姫路市)
・富士サファリパーク(静岡県裾野市)
・アフリカンサファリ(大分県宇佐市)
・岩手サファリパーク(岩手県一関市)
やっぱり水を怖がることはないんだね!
まとめ
・スプリングボックはジャンプで敵をいち早く見つける
・ジャンプには自分が元気だとアピール効果もある
・敵が近くに来てもジャンプを続けてしまい、逃げ遅れることもある
・シタツンガは水辺で暮らしていて、幅広いヒヅメを持つ
・泳ぎが得意で敵を見つけると泳いで逃げる
・鼻だけ出して潜水することもある
弱肉強食のアフリカでは普通の身の守り方をしていては、なかなか生き残れないようです。
スプリングボックやシタツンガはジャンプや潜水といった、変わった方法により繁栄してきたのでしょう。
まさに忍者みたいな動物たちでした。
最後まで読んでくれてありがとう!
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