じゃあ飛ぶことはできないの?
しかも高等テクニックも持っているんだ!
北アメリカに広がる大草原「プレーリー」と呼ばれる地帯に珍しいフクロウが生息しています。
フクロウとは思えないほど長い足で地面を駆け回り、地下に巣を作るその鳥は「アナホリフクロウ」という種類です。
走る、掘る、飛ぶ!
鳥類屈指のエンターテイナー「アナホリフクロウ」に迫りましょう。
好きなところにジャンプできます
アナホリフクロウの生息地はどこ?
アナホリフクロウはアメリカ大陸に生息しています。
北アメリカ大陸の中西部「プレーリー」と呼ばれる草原やサバンナ地帯、南アメリカ大陸ではブラジルの開けた土地が住処です。
見晴らしが良い場所を好んでいるんですね。
アナホリフクロウは地面に穴掘るフクロウ!?
アナホリフクロウは地面の下、地下の巣穴を住処としている珍しいフクロウです。
ただ、この巣穴は自分で掘るわけではありません。
プレーリードッグが使っていた古巣を利用するんです。
レンタルですね。
じゃあ「アナホリ」じゃないじゃん!
アナホリフクロウもしっかり「アナホリ」をするんだ!
アナホリフクロウは他の動物の古巣に住み始めると、住みやすいようにリフォームします。
クチバシで巣穴の奥を掘り進め、ヒナ用の子供部屋を作り上げるんです。
また、古巣ということで、近くには新たな巣穴に移動したプレーリードッグも生活しています。
彼らは警戒心が強く、常に天敵を警戒していて、敵を見つけると鳴き声で仲間に知らせます。
この警備システムをアナホリフクロウもちゃっかり利用しています。
プレーリードッグの鳴き声を聞いて、天敵をいち早く見つけられるというわけです。
アナホリフクロウは穴掘り名人がいるところなら生きていけるんだね!
そしておもしろいのが、アナホリフクロウが動物の糞を巣穴に持ち帰るということです。
糞は巣穴の中で発酵し、熱を生みます。
つまり糞を床暖房に使っているんです。
また、大型動物の糞の臭いが体につけば天敵も寄りつかなくなります。
本当に賢いフクロウだね!
アナホリフクロウの特徴!足が長過ぎ!
アナホリフクロウは体長20cmほどです。
フクロウの中ではかなり小柄です。
特徴的なのがとっても長い足です。
足だけ別の鳥のものをくっ付けたかのようにアンバランスですよね。
この足は陸上生活に適していて、速く走るのを可能にしています。
フクロウでは珍しく昼行性で、草原を駆け回っています。
なのにどうして走り回っているの?
アナホリフクロウの生態!餌は何?
アナホリフクロウは昆虫や小型哺乳類を獲物としています。
特に好物なのがバッタなどの昆虫です。
草原には昆虫がたくさんいますが、保護色のものが多く、見つけるのは大変なんです。
いちいち探していてはらちが明きません。
そこでアナホリフクロウは走り回ることで、飛び出してきた昆虫を捕まえているというわけです。
いくら隠れていても近くを激しく走られたらビックリして飛び出さずにはいられませんよね。
それを狙っているんです。
さらにさらに、巣穴に持ち込んだ糞にも虫が寄ってくるんです。
虫たちは、じめじめした湿気のある環境を好みます。
糞は格好の住処ですよね。
家の中で虫を捕まえられるため、安全に獲物にありつけるというわけです。
走って虫を飛び上がらせ、家の中では糞に寄ってこさせる!
本当に頭脳派な狩りをするんだね!
アナホリフクロウはホバリングする!?
フクロウの狩りと言えば、夜に木の上から獲物を探し、静かに襲うのが一般的ですよね。
フクロウの仲間は目がとても良く、高い木の上からでも獲物を見つけられるんです。
しかも獲物だけじゃなく、ヒナを襲う天敵も、高い場所ならいち早く見つけられます。
アナホリフクロウが暮らしているのは草原や乾燥した地域です。
背の高い木は生えていません。見張り台となる場所がないんです。
そこでアナホリフクロウはホバリングという能力を身につけました。
飛びながら、空中でピタッと止まれます。
高いところから獲物を見つけたり、見張りをしたりします。
ホバリングができるフクロウはそうそういません。
簡単そうに見えてとっても難しいことなんです。
この技を駆使して、危険なアメリカ大陸でも生き残れてきたんですね。
オールマイティな鳥だな~!
アナホリフクロウはペットとして飼育できる!?
近年、アナホリフクロウの絶滅を心配する声があがってきています。
彼らが生きていくためには他の動物が掘った穴が必要です。
しかしゴルフ場や空港の建設で生息地は開発されつつあります。
さらに穴を嫌ってプレーリードッグを駆除してしまう人間もいるんです。
農場では農業機械の事故に繋がることもあるため、穴を埋めてしまうこともしばしば、、、
巣穴が減れば、同時にアナホリフクロウも減ってしまいます。
ただ、現在のところ深刻なまでに数を減らしているわけではありません。
ペットとして飼育することも可能です。
その分お値段が張りそうだけど、、、
アナホリフクロウの値段は?
アナホリフクロウは10万円~30万円で販売されています。
だいたい20万円が相場といったところでしょうか。
ただ、フクロウの飼育には道具も必要です。
フクロウ用のケージはもちろん、餌代は月に1万円ほどがかかります。
もしふれあうならフクロウの爪で手を怪我しないように革手袋も必須でしょう。
さらにフクロウは寒さに弱い種類が多いです。
アナホリフクロウも乾燥地帯で暮らしているということもあり、寒さに敏感です。
ヒーターは確実に設置しましょう。
飼育するなら本来の環境に近付けてあげないと!
アナホリフクロウの赤ちゃんがかわいい!
動物園でも飼育されているアナホリフクロウは赤ちゃんが産まれています。
2018年5月には「富士花鳥園」でアナホリフクロウの赤ちゃんが誕生しています。
大人とは違うふわふわした毛はヒナの時期にしか見られません。
一般公開もされているため、気になる方はぜひ見に行ってみてください。
ちなみにアナホリフクロウのヒナは生後3ヶ月ほどで大人と同じくらいの大きさに成長します。
歩き始めると巣穴から顔を出すようになりますが、しばらくは巣穴という砦の近くで活動します。
だから巣穴から離れることはないんだよ!
まとめ
アナホリフクロウは地上を走り回り、巣穴で暮らすとっても珍しいフクロウです。
走ることで獲物の虫を飛び上がらせ、巣穴の糞にまでおびき寄せるという、意外にも策士なんですね。
巣穴は他の動物のお古ですが、しっかりリフォームしています。
糞という床暖房付きで、さらに快適にしています。
開発の影響で巣穴が減りつつあります。
プレーリードッグの駆除の延長に、アナホリフクロウもいることを理解してほしいですね。
こんなに珍しい鳥を絶滅させるわけにはいきませんから。
機会があれば見てみてね!
最後まで読んでくれてありがとう!
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