じゃあアメリカの国鳥は?
知らない人が多そうだね!
漢字で書くと「白頭鷲」!
ハクトウワシはアメリカを代表する大型の猛禽類で、名前の通り頭の羽が美しい白です。
その堂々とした姿から、アメリカの様々な紋章にデザインされています。
しかし一方で、ハクトウワシが数を減らしているという現状もあります。
ハクトウワシとはどのような鳥なんでしょうか?
生息数が減少している原因とは?
鳥類史上最もイケメンな「ハクトウワシ」に迫ってみましょう。
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ハクトウワシ(白頭鷲)ってどんな鳥?
ハクトウワシ(白頭鷲) | |
---|---|
学名 | Haliaeetus leucocephalus |
英名 | Bald eagle |
生息地 | 北アメリカ大陸 |
全長 | 76~92㎝ |
翼開長 | 2m |
ハクトウワシはタカ目・タカ科・ウミワシ属の鳥類です。
鋭いくちばしとかぎ爪を持っている猛禽類の仲間で、ウミワシという、魚類を捕食するグループです。
現存のウミワシ属は8種です。
その全てが翼開長2mを越える大型の猛禽類です。
ちなみにウミワシ属は別名「オジロワシ属」とも呼ばれます。
ハクトウワシの生息地
ハクトウワシは北アメリカ大陸に幅広く生息しています。
最も数が多いのがアラスカやカナダです。
ハクトウワシは北アメリカ大陸の北部を夏場の繁殖地とし、南部で冬を越すというように季節に合わせて移動します。
行動範囲はとてもに広く、フロリダからミシガンまで移動した例や、カリフォルニアからはるかアラスカまで移動した例が観測されています。
ただし、沿岸などは通年繁殖地とされる場合もあります。
ハクトウワシの特徴
ハクトウワシを漢字で書くと「白頭鷲」です。
その名の通り、頭部から肩にかけての羽が真っ白です。
しかし英名は「Bald eagle」で「頭の禿げたワシ」という意味です。
もちろん禿げているわけではありません。
頭以外の羽は黒っぽい褐色です。
全長は76㎝~92㎝で、翼を広げた翼開長は2mを越えます。
ワシの中でも特に大型です。
一般的にオスよりメスの方が大型です。
ハクトウワシはアメリカの国鳥
ハクトウワシはアメリカ大陸を代表する鳥です。
また、特徴的な見た目も持っていることから、アメリカ合衆国の国鳥とされています。
要はかっこいいんです!
アメリカの国章にはハクトウワシが描かれていますし、様々な連邦政府やアメリカ陸軍の紋章にもハクトウワシが描かれています。
アメリカ合衆国の国章
ハクトウワシの正面顔
基本的にハクトウワシは横顔の画像が多いですよね。
多くのシンボルマークでも横顔ばかりが描かれています。
いやー、本当にイケメンですね。
鋭い眼光とはこのことです。
では正面顔はどんな感じなんでしょうか?
かっこいいというか怖いんだけど、、、
ハクトウワシの生態
ハクトウワシは海岸や川沿い、湖の近くに生息しています。
一度つがいになったペアは生涯を共にします。
樹上に枝を集めて、鳥類では最大と言われる巣を作ります。
巣も迫力満点だね!
ハクトウワシの食べ物
水辺で暮らしているハクトウワシは主に魚類を獲物としています。
また、水鳥や小型の哺乳類、爬虫類なんかも捕食しているようです。
かぎ爪を使った、猛禽類らしい力強い狩りを行います。
ただし、多くの場合は死んだ動物の死肉をあさって食べるようです。
また、他の動物が仕留めた獲物を奪うこともあるようで、泥棒をすることがアメリカの国鳥にふさわしくないとして反対されたこともあるようです。
というより、野生の世界でも普通のことだよね!
ハクトウワシは魚を強力な握力で捕まえることができます。
猛禽類は握力がものすごく強い種類が多いのが特徴です。
大きな骨でも持って飛び上がり、岩に落として食べやすい大きさに砕いちゃうんだ!
ハクトウワシの繁殖
ハクトウワシの繁殖期間は、アラスカなどの北部は4~8月、南部地方は10~4月です。
1年に1度、通常は2個の卵を産みます。
産まれたヒナは最初は全身が茶色っぽく、親とは似ていません。
しかし、5歳近くになると、頭部の白い羽が生えだします。
ここまでくると親と同じ姿です。
ハクトウワシの寿命
野生下のハクトウワシの寿命は28年ほどだと言われています。
ただし、飼育下では30年以上生きたものも存在しています。
ハクトウワシは絶滅に危機に瀕していた!?
アメリカの国鳥として、多くみられるハクトウワシですが、過去には絶滅の危機に追いやられていたんです。
魚を食べるハクトウワシが漁師から嫌われ、漁場確保の名目で駆除されたんです。
生息地である森林の開発も進んでしまいました。
スポーツとしての狩猟もハクトウワシを減らす原因でした。
さらに、かつてDDT(Dichlorodiphenyltrichloroethane/ジクロロジフェニルトリクロロエタン)という殺虫剤や農薬に使われていた毒性の強い成分も、ハクトウワシに悪影響を与えました。
DDTは1972年に使用が禁止されるまで、多くの農家が使用していました。
このDDTのような化学物質を浴びた魚類は毒素を体内に溜め込みます。
「生体濃縮」といって、食物連鎖が進むごとに毒性が強くなるんです。
最終的に食物連鎖の頂点に君臨しているハクトウワシが、DDTの蓄積された魚を食べてしまうと繁殖力が弱くなります。
卵の殻はもろくなり、ヒナも孵らなくなるんです。
ハクトウワシの絶滅を心配したアメリカ政府はDDTの使用を禁止し、ハクトウワシ再導入プログラムを実施しました。
その結果個体数は増加し絶滅の危機を脱しています。
献身的な保護が実を結んだんです!
現在はレッドリストのカテゴリーも、比較的軽いランクに下がっています。
アメリカの国鳥を絶滅させるわけにはいかないよね!
みんな必死だったんだ!
ハクトウワシは日本でも見れるの?
残念ながら、野生のハクトウワシを日本で見ることはできません。
ハクトウワシは基本的に北アメリカ大陸のみを移動します。
ヨーロッパのアイルランドまでの移動は確認できていますが、日本までは渡って来れないようです。
ハクトウワシがいる動物園
日本で野生のハクトウワシは見れませんが、飼育している動物園はちゃんとあります。
・東山動物園(愛知県名古屋市)
・日本平動物園(静岡県静岡市)
・アドベンチャーワールド(和歌山県西牟婁郡白浜町)
東山動物園のハクトウワシ
「キティ」と「キャロル」という2羽のハクトウワシが飼育されています。
キティは年齢が30歳を越えているため、かなりのおばあちゃんなようです。
キャロルはやってきた当初は3歳だったため、羽の生え換わりを観察することができました。
日本平動物園のハクトウワシ
日本平動物園ではオスとメスが1羽ずつ飼育されています。
メスは2002年にオハマのヘンリードーリー動物園より贈られています。
ちなみに静岡市はアメリカのオハマと姉妹都市です。
アドベンチャーワールドのハクトウワシ
入り口入ってすぐの位置にある飼育小屋で展示されています。
現在確認ができている動物園は以上です。
飼育状況が変動することもあるので、ハクトウワシを見に行く場合は、事前に連絡しておくと無難です。
まとめ
・ハクトウワシは翼開長が2mにもなる大型の猛禽類
・北アメリカ大陸に多く生息しているため、アメリカの国鳥に指定されている
・水辺で生活している
・巣は鳥類最大とも言われている
・エサは魚や水鳥、動物の死骸
・獲物を泥棒するときもある
・乱獲や環境汚染で絶滅寸前まで追い込まれていた
・日本では野生個体は見れないが、動物園でも飼育されている
ハクトウワシは本当にかっこいいですね。
さすがは世界一の先進国の国鳥なだけはありますね。
絶滅の危機は脱しましたが、環境汚染が続くと危ないかもしれません。
ハクトウワシを守るためにも、何かできることがあるはずです。
またよろしく!
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