ウマバエというハエを知っていますか?
皆さんもよく知っているハエと言えば、生ゴミなどに集まる、目障りなだけの存在ですよね。
しかし、海外には動物の皮膚や体内に幼虫を産み付けて、寄生するハエもいるんです。
中には人間に寄生する種類もいるんだとか、、
それが、ヒツジバエ科の仲間「ウマバエ」「ヒトヒフバエ」という種類です。
名前だけで気持ち悪いですよね。
ウマバエは日本にもいるのでしょうか?
また、ペットにも寄生してしまうんでしょうか?
今日はちょっと怖い、寄生虫「ウマバエ」についてのお話です。
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ウマバエってどんな虫?
ウマバエはハエ目のヒツジバエ科に属する昆虫です。
ヒツジバエ科のハエは、全世界に151種類が存在しています。
ウマバエの特徴
成虫の体の大きさは種類によって異なりますが、だいたい12~17mmほどです。
ハエの中ではかなり大型な種類だと言えますね。
パッと見た感じはハチやアブにも見えますが、複眼が小さいこと、触覚が短いことがウマバエの特徴です。
また、成虫に口はありません。
幼虫の間に取り入れた栄養のみで活動し、卵を産み付けると短い生涯を終えます。
ウマバエの生息地
ウマバエは熱帯地方に生息しているハエです。
南米やアフリカ、東南アジアなどに生息しています。
人に寄生するヒトヒフバエはブラジル、チリ、アルゼンチン、ペルーなどの南米アマゾンの熱帯雨林に生息しています。
ウマバエの生態
ヒツジバエ科のハエは、全ての種類が幼虫を哺乳類に寄生させることで数を増やしていく寄生バエです。
ウマバエは名前の通り、基本的には馬に寄生するハエです。
しかし、一部のウマバエは人にも寄生することがあります。
人に寄生するウマバエの仲間を「ヒトヒフバエ」と呼びます。
ウマバエの寄生方法
ウマバエの成虫は馬の足などの皮膚に卵を産み付けます。
馬がその部分をなめることで卵が孵化し、幼虫が馬の口に移動します。
初めは歯茎に寄生しますが、ある程度成長すると体内を食い荒らしながら胃や腸に移動します。
最終的には糞と共に排出され、地面の中でサナギになります。
そして成虫になって再び馬に卵を産み付けるんです。
ひたすら、これの繰り返しです。
宿主となってしまった馬は、胃や腸に炎症や潰瘍ができてしまい、ひどい場合には内蔵が破裂して死んでしまうそうです。
小さな虫でもあなどれませんね。
人間にも寄生する?
ウマバエの仲間には、人の皮膚に幼虫を寄生させる種類もいます。
「ヒトヒフバエ」と呼ばれる仲間です。
厳密に言うと、ウマバエとヒトヒフバエは違う種類なんですが、見た目が似ていることなどもあり、現在ではヒトヒフバエのことをウマバエと呼ぶことがあります。
ヒトヒフバエはウマバエの寄生方法とは違い、蚊など、他の吸血昆虫を利用します。
これは、ヒトヒフバエだと大きすぎて、宿主となる動物に警戒されるからだそうです。
賢いですね。怖いです。
まず、ヒトヒフバエは蚊に卵を産み付けます。
そして、その蚊が人の血を吸う際に、皮膚に卵が移動します。
人の体温で暖められた卵はすぐに孵化し、蚊が血を吸うために開けた穴から皮膚の中に移動します。
そして、皮膚の中で肉を食べながら2回ほど脱皮し、成長した後は穴から外に出てサナギになります。
しかも肉を腐らせないように食べるそうです。
寄生虫にとって宿主の死は自分の死も意味しますからね。
いや、そもそも寄生するだけで迷惑なんですけどね、、、
ペットにも寄生するの?
ウマバエは馬や人間だけでなく、犬をはじめとするペットにも寄生してしまいます。
人間と同じように、蚊から寄生してくるため、室内飼いでも安心はできません。
下痢や血便、元気がなくなっている場合は寄生虫の可能性もあります。
動物病院で診察してもらいましょう。
寄生されたときの症状
ウマバエに寄生されると「ハエ幼虫症」という症状を引き起こします。
最悪な病名ですね。
症状としては、寄生されている部分の痛み、内蔵に寄生されたときは倦怠感や内蔵の炎症です。
また、体内で幼虫が死んでしまった場合には感染症やアレルギー反応のアナフィラキシーショックを引き起こす恐れもあります。
幼虫の体液でもアレルギー反応が起こります!
脳にも寄生するの?
よく、ヒトヒフバエが脳に寄生するっていう噂を聞きますが、真相はどうなのでしょうか?
結論から言って、ヒトヒフバエが人の脳にまで達することはありません。
ヒトヒフバエをはじめとするウマバエが寄生するのは、宿主の皮下組織、つまり皮膚の浅い部分です。
もし頭に寄生されてしまっても、脳は頑丈な頭蓋骨に守られているため、幼虫がこれを食い破ることは不可能でしょう。
さらに、耳や目から入ろうにも、そんなところに寄生されたら痛くてほっとかないですよね。
黙って脳まで達するのを待つ人なんてまずいないでしょう。
ヒツジバエの一種、ウサギヒフバエが猫の脳まで達したことはあるそうですが、これは体内の血管を通ってから脳まで移動したとのことです。
皮膚の表面に寄生するヒトヒフバエが、脳まで達することは不可能でしょう。
安心するわけではないですが、少し救いにはなりますね。
脳に寄生されるのだけは勘弁して欲しいです。皮膚でも嫌ですけど。
ウマバエの除去は痛い?
ウマバエに寄生されてしまうと、皮膚科や外科などで除去してもらう必要があります。
※素人が取り除くことは不可能なため、絶対に病院に行きましょう。幼虫の体がちぎれてしまうと、死体や体液でアレルギー反応や感染症を引き起こします。
治療法は様々ですが、基本的には切開して取り除くそうです。
また、幼虫が潜んでいる穴の入り口を塞ぐと、呼吸ができなくなり、穴の入り口から出ようとするそうです。
軟膏などで入り口を塞ぐ治療法も効果的みたいですね。
また、寄生している穴の周囲を圧迫することで、幼虫を押し出す方法もあるそうです。
ただしこれには痛みが伴うそうです、、、
ヒトヒフバエは日本にもいるの?
日本にはウマバエ、アカウマバエ、ムネアカウマバエ、アトアカウマバエの4種が生息しています。
また、牛に寄生するウシバエとキスジウシバエも存在しています。
さらに北海道には外来種のヒツジバエが生息しています。これは海外から輸入された羊に寄生していたハエが定着したものです。
北海道のヒツジバエは「要注意外来種」にも指定されています。
人に寄生するヒトヒフバエは、日本では確認されていません。
ただし、海外旅行者が海外でヒトヒフバエに寄生され、日本で症状に気がついた事例はあるそうです。
しかも意外に37件が報告されています。
もしかしたら放置した人もいるかもしれません。
海外旅行から持ち帰ったヒトヒフバエが日本で繁殖する可能性も無くはないということです。
寄生されないために
現在は海外旅行に気軽に行ける時代です。
それは同時に、寄生虫に遭遇する可能性が増えているということでもあります。
特にヒトヒフバエが生息している南米に行く際には細心の注意が必要です。
寄生されないためには、とにかく蚊やダニから吸血されることを防がなくてはいけません。
他の感染症にかからないためにも、吸血昆虫の対策は海外旅行では必須ですよね。
長袖はもちろん、虫除けスプレーも効果的です。
南米は寄生虫が多く、人間だけでなくアリに寄生するハエもいるんです。
外来種として問題になっている「ヒアリ」が寄生されちゃいます。
最終的には頭が取れてしまうんだとか、、、
まとめ
ウマバエは馬だけでなく人にも寄生する恐れがあります。
また、愛するペットにもその可能性はあります。
人に寄生するウマバエは現在は日本にはいませんが、海外旅行から持ち帰ってしまう恐れもあります。
軽装での旅行はNGですね。
とても気持ち悪い虫です。
こんなのに寄生されないように、注意していきましょう。
寄生された画像なんかも見ましたが、とてもおすすめできる画像じゃないので私は載せません。
物好きな人はググってみてください。
その代わり、食欲がなくなることは覚悟した方が良いですよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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