猛禽類

 

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 更新日:2022年6月26日

クマタカの生態、特徴、生息地について!日本最大級の猛禽類

クマタカは日本で見ることができるワシやタカの中でも、特に大きくなる猛禽類です。
名前の「クマ」は「熊」から付けられました。

見た目は申し分なくかっこよく、森の王者にふさわしい風貌です。
人間との関わりも深く、鷹狩に使用されることもあります。

クマタカとはどのような鳥なんでしょうか?
また、日本のどこで暮らしているのでしょうか?

日本が誇るかっこいい猛禽類「クマタカ」に迫ります。

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クマタカの特徴

クマタカはタカ目・タカ科・クマタカ属の鳥類です。
鋭い爪とクチバシを持っているため猛禽類とされます。

全長は70~80cm、翼を広げた翼開長は170cmにもなる、日本で見られるワシやタカの中でも大型な種類です。
大きくて強いものを連想した結果「熊鷹」と呼ばれるようになりました。

翼は幅が広いにも関わらず、他のワシやタカに比べると短い造りになっています。
この特徴的な翼のお陰で、森林の中でも自由に飛び回ることができます。
小回りがきくんですね。

羽の下の方とお腹に横縞が入るのが特徴です。

ちなみにハチの巣を襲うことで有名な「ハチクマ」は、クマタカに似ていることから名付けられました。

 

ワシとタカの違い

猛禽類にはワシ、タカ、フクロウ、コンドルなどが含まれますが、ワシとタカってよく似ていますよね。

実はワシとタカには明確な違いはなく、大きさで分けられているんです。

大きいのがワシ、小さいのがタカです。

ただ「このサイズより大きいのがワシ、小さいのがタカ」というような、ちゃんとした決まりはないんです。

例えば東南アジアから沖縄の八重山列島に生息する「カンムリワシ」は全長55cmと、クマタカよりも小柄です。
カンムリワシが生息する地域に、カンムリワシよりも大きくなる猛禽類がおらず、一番大きくなるためワシと名付けられました。

逆にクマタカは回りが山々で囲まれているため、体が大きくても小柄に見えます。
そのため、タカと名付けられたんです。
同じ地域にいるイヌワシの存在も大きかったのかもしれません。

ほとんどのワシやタカは大きさで分けられているので「ワシは大きい、タカはワシよりは小さい」って考えて大丈夫なようです。

 

クマタカの生息地

クマタカはヒマラヤから中国南部、インドネシア、タイワン、スリランカ、日本といった地域で見られます。
比較的温暖な地方に生息しているようです。

日本では、沖縄を除く全域に生息しています。
ただし、森林でしか生きていけないため、都会で見ることはできません。
豊かな自然が残っている地域にのみ生息しています。

東京でも、奥多摩などの緑が豊富な地方ではクマタカを見ることができます。

渡ることはなく、その土地で一生暮らす留鳥(りゅうちょう)です。

 

クマタカの生態

クマタカの食べ物

ノウサギ、アオダイショウ、ヤマドリなどの小型動物を獲物としています。

狩りは、木の上で待ち構え、上から一気に襲いかかる方法で行います。襲いかかる際は、羽をたたんで真下に加速しながら獲物に飛びかかります。
羽が短いため、かなり小回りがきくようです。
通常はうっそうと繁った木々が、動物たちの防御になるのですが、クマタカには関係ありません。

 

視覚が優れているので、高さのある樹上にいても、小さな動物を発見することができます。

森林を支配していることから、クマタカは森の王者と呼ばれます。

 

巣作り

クマタカの巣は木の上に作られます。
森林の中でも、特に大きな木に巣を作るようです。

選ばれる木はマツの木やクリの木で、針葉樹に作られることが多いようです。

巣の材料は木の枝などで、青葉のついた枝を好む傾向にあります。

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つがいは一生を連れ添う!?

クマタカは基本的に1度結ばれたパートナーとは、どちらかが死なない限り、ずっと一緒に行動すると考えられていました。
ただし、近年の研究で、前年とは違う個体同士がつがいとなっていることが分かっています。

鳥では珍しく、離婚するようなんです。

 

クマタカの子育て

 

クマタカは基本的に1年に1回、もしくは2年に1回繁殖します。

卵は基本的に1個産みます。
卵を温めるのはメスの役目で、オスはひたすらメスにエサを運びます。
卵は45~47日間温められることで孵化します。

孵化後約1ヶ月間はメスがヒナの面倒をみます。その後、メスの食欲が増すにつれ、オスとメス両方がエサをとりに行きます。
だいたい2か月半はヒナの面倒を見ます。

その後巣立つヒナですが、巣の周りに留まることも多いようです。
基本的には半年ほどで完全に親元を離れますが、中には次の年まで巣の近くにいる子もいるようです。

 

クマタカの幼鳥の行動域

クマタカの幼鳥は巣立ってからしばらくは生まれた巣からなかなか離れないことが分かっています。

だいたい半年間は巣から1kmほどまでしか離れないようです。

ホームシックな鳥なんですね。

 

クマタカの1年間

行動
1~3月巣作り開始
3~4月産卵
4~7月ヒナの育成
7~8月上旬ヒナの巣立ち

巣作りを開始するのが冬なのは、ヒナが最もエサを必要とする時期に、獲物が多い時期が重なるようにしているからです。
巣作りからヒナの巣立ちまでが、半年間かかるということを考えたうえでの計画です。

 

クマタカとイヌワシ

クマタカは日本最大クラスの猛禽類ですが、日本にはもう1種類、大型猛禽類が生息しています。
それが「イヌワシ」です。
北アメリカ大陸、アフリカ北部、ユーラシア大陸、アジア地方に生息します。
日本には主に本州を中心に生息しています。
ちなみイヌワシのイヌには「下級の、劣っている」という意味があるそうです。
クマタカの羽に比べて、矢羽にする価値が低かったことが語源だそうです。
結構最悪なネーミングですね、、、

イヌワシは全長80~90㎝、翼を広げた翼開長は2mほどにもなります。
クマタカよりも少し大きいです。

イヌワシとクマタカは生息地が被ることがありますが、イヌワシは開けた土地、クマタカは森林地方に住み分けて暮らしています。
ただし、エサとする動物は被っています。

イヌワシは羽の構造上、森の中を飛び回ることができません。
風にのって空を滑空するのが基本的な飛び方です。

クマタカがイヌワシのテリトリーに入ることがあり、度々ケンカしてしまいますが、小柄なクマタカが身を引くことが多いようです。
ライバル同士のクマタカとイヌワシですが、若干上下関係が生まれていますね。

 

クマタカと環境問題

現在、クマタカは絶滅危惧種に指定されています。

クマタカは緑豊かな森林でしか生きることができません。

近年はダムやスキー場の建設によって住みかが少なくなっています。
また、森の減少でエサとなる小動物も減っています。

さらに、大気汚染の影響か、繁殖に失敗してしまうクマタカが増えているんです。
汚染物質が、クマタカの体に何らかの影響を与えている可能性が心配されています。

住みかとなる森林の保全、汚染物質がクマタカの体に与える影響を解明することが、クマタカをはじめとする猛禽類の保護に繋がります。

日本で見ることができる数少ない猛禽類です。
守っていきたいですね。

 

まとめ

・クマタカは熊のように大きいことが名前の由来
・翼開長は170cmにもなる
・羽が短く、森林の中でも自由に飛び回れる
・繁殖の準備は冬から始め、夏になる前にヒナガ巣立つ
・クマタカの幼鳥は巣立っても、しばらくは巣の近くにいる
・つがいは基本的に変わらないが、離婚することもある
・イヌワシとはライバル関係
・開発や環境汚染によって数が減ってきている
・絶滅危惧種に指定されている

クマタカは名前だけでなく、姿や生活もかっこいい鳥ですね。
日本でも見ることができるため、いつか本物を見てみたいです。

環境問題がクマタカに影響を与えているかもしれないので、私たちも無関係とは言えませんよね。
クマタカを守るために、何かできるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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