そして最も絶滅しそうなサイでもあるんだ、、、
スマトラサイはそんなにやばいの?
今では本当に限られた場所にしかいないんだ!
スマトラサイは原始的な特徴を持っている、とても珍しいサイです。
彼らはインドネシアのスマトラ島にしかほとんど残っておらず、ボルネオ島には残りわずかです。
生息数は100頭をきっているとも言われ、絶滅危惧種に指定されています。
スマトラサイはどんなサイなのでしょうか?
絶滅しそうな理由とは?
世界最小、幻の超希少種『スマトラサイ』に迫ってみましょう。
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スマトラサイってどんな動物?分類を見てみよう!
スマトラサイは奇蹄目・サイ科・スマトラサイ属に分類される哺乳類です。
一属一種と呼ばれる珍しいタイプに含まれます。
奇蹄目(きていもく)というのは別名ウマ目ともいいます。
サイは人差し指、中指、薬指の爪が変化した、3つの蹄(ひづめ)を持ちます。奇数ってことですね。
ウシは2つ持っているから偶蹄目に分類されるんだよ!
サイは大きく分類すると、ウマの仲間。
実は、走ることが得意な動物なんです。
スマトラサイは原始的!?その理由は毛!
スマトラサイはとても原始的な特徴を持っています。
全身に荒い体毛が生えているんです。
サイの仲間のほとんどはしっぽと耳以外の体毛が成長と共に無くなります。
子どもの頃は大人よりも毛深いのですが、それでも他の動物に比べれば毛が薄いんです。
暑い地域で暮らすサイにとって、体毛は暑くなるだけの邪魔な存在だったんですね。彼らは進化と共に体毛を失いました。
マンモスがまだ生き残っていた氷河期には、毛サイ(ゲブカサイ)という大型のサイがいたことが化石の発見により分かっています。
名前の通り全身に毛が生えていたと考えられているサイ科の動物です。
スマトラサイはこのゲブカサイの特徴を現代まで引き継いでいる唯一のサイなんです。
だから体毛があっても問題なかったんだ!
さらにスマトラサイは他のサイに比べ皮膚が薄く、厚さは1.6cmほどです。
サイは哺乳類最強クラスに頑丈な、厚さ5cmの皮膚を持っていますが、これは毛を失った代わりとも言えます。
まだ体毛の生えているスマトラサイの皮膚は、分厚くなる前の状態なんですね。
スマトラサイから進化の過程を見ることができるんだね!
スマトラサイの特徴!最小のサイ!?
スマトラサイは体長2.4〜3.2m、体重800kgほどです。
これは現存のサイ科では最も小柄です。
インドサイ、シロサイ、クロサイ、ジャワサイ、スマトラサイの順
サイ科最大はシロサイとインドサイで体長4m、体重3000kg以上になります。
その他のサイも1000〜1500kg以上は普通にあります。
スマトラサイがいかに小柄かが分かりますよね。
さすがは重量級アニマル!
サイの代名詞とも言える角。スマトラサイは前後2本の角を持ちます。
前の角の方が長くなりオスは平均25cm、メスは10cmほど。
他のサイに比べると短い印象ですね。
この角はケラチン質という、人間の毛や爪と同じ成分で作られます。
シカやウシの角と違い、骨の芯は入っていません。
スマトラサイの生態!食べ物や繁殖方法は?
スマトラサイは基本的に単独で行動します。
ただ、繁殖期にはペアやその子どもからなる家族で生活していることが観察されています。
妊娠期間は16ヶ月と、小柄なサイにしては長めです。
赤ちゃんは体重25kg、体長は90cmほどで生まれてきます。
サイは全ての種類が草食性です。
スマトラサイは木の皮、葉っぱ、枝、フルーツ、タケノコなどを好んで食べます。
口は鳥のクチバシみたいになっていて、硬い樹皮でも引き剥がすことができます。
スマトラサイの生息地!マレーシアにはいない!?
スマトラサイは現在、インドネシアのスマトラ島にのみ、そのほとんどが生息しています。
もう1箇所、ボルネオ島というインドネシア、マレーシア、ブルネイの3ヶ国が領地としている島にも生息していますが、ほんの数頭のみ。
ボルネオ島インドネシア領地のカリマンタンでは2016年に40年ぶりに発見され、保護のために捕獲しましたがその後死亡しています。
その時の傷が原因で感染症を引き起こしちゃったんだ!
マレーシア領地にはオスとメスの残り2頭しかおらず、もはや絶滅に近い状況です。
2015年にはマレーシアでスマトラサイの野生絶滅が宣言されました。
過去にはインドネシア、マレーシアだけでなく、ミャンマー、ベトナム、カンボジアにも分布していましたが、これらの地域では絶滅しています。
探さなくてもいいくらい、普通に存在していたんです。
ただ、ボルネオ島のスマトラサイは壊滅的な状況なんだ!
スマトラサイは絶滅危惧種!?その理由とは?
スマトラサイの生息数は現在、地球上に100頭に満たないと言われています。
絶滅危惧種に指定されていて、レッドデータブックのカテゴリーは『絶滅危惧IA類(CR)』です。
何らかの対策をとらなければあっという間に絶滅してしまう、最も重いカテゴリーに含まれています。
理由は角や骨目的の乱獲、生息地の開発です。
野焼きの様子
サイの角はがんやエイズの薬になると今でも信じられています。
取り引きは国際的に規制されていますが、闇市場では金よりも高値で売られています。
ある政治家が『サイの角でがんが治った』という根も葉もない書き込みをSNSに投稿してから、富裕層からの需要が上がっているんです。
だって髪の毛と同じ成分だからね!
さらに追い討ちをかけるかのように、スマトラサイの生息地は紙工場やアブラヤシのプランテーションに変えられていて、野焼きや森林伐採が進められています。
現在唯一の生息地スマトラ島も開発が進み、スマトラサイは保護区のみでしか生きていけません。
東南アジアの森林伐採は深刻な問題なんだよ!
今現在、スマトラサイだけでなく全てのサイが絶滅危惧種。
今世紀を無事に乗り越えられるかどうかも危うい状況なんです。
この島の固有種『テングザル』も絶滅危惧種なんだ!
インドネシアの開発は深刻な問題なんだよ、、、
スマトラサイの最新情報!保護は進んでいる!?赤ちゃんも、、、
依然、深刻な状況のスマトラサイですが、嬉しいニュースも入ってきています。
2016年、スマトラ島の保護区内で赤ちゃんの誕生が確認されたんです。
妊娠期間が長いスマトラサイの繁殖はとても難しいんです。
アジア地区の繁殖施設では過去に5例しか成功していません。
絶滅危惧種の繁殖成功は、その種が生き残ることにとってとても重要なことです。
他のスマトラサイの繁殖にその経験をいかせますし、なにより保全活動にやる気を持てます。
油断はできないけど、赤ちゃん誕生はとても嬉しいことなんだ!
スマトラサイは動物園にいないの?
現在、スマトラサイを飼育している動物園はありません。
インドネシアのスマトラ島で保護されているのみです。
ただ、過去にはアメリカのシンシナティ動物園でスマトラサイの飼育が行われていて、繁殖にも成功しています。
2015年、スマトラサイが絶滅の危機に瀕しているということで、この動物園からインドネシアまで、オスの個体を空輸しています。
なんと1万6000kmも移動したんです。
このオスはハラパンといい、今もスマトラ島の保護区域内で元気に生活しています。
繁殖の可能性もあるため、期待が膨らみますね。
だからピンチになると現地に送られるんだね!
まとめ
サイは以前、地球上に数多くの種類が存在し、繁栄していた動物です。
しかし、気候変動や人間の出現でその数を減らし、今は5種類のみしか存在していません。
その5種類は全てが絶滅危惧種。
人間による乱獲と生息地の開発で、生息数を激減させています。
今世紀を全種類が乗り越えられるかどうかも危ういのは驚きですよね。
動物園の人気者ですが、野生のサイは深刻的な状況にあります。
スマトラサイはそんなサイの中で、特に絶滅に近い動物です。
最小にして原始的なサイです。
絶滅してしまうのは絶対に避けてほしいですね。
現地での保護活動が鍵を握っています。
何ができるか考えてみよう!
小さなことでも意味があるはずだ!
最後まで読んでくれてありがとう!
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